はじめに
シングルトンパターンは、あるクラスのインスタンスが1つだけ存在することを保証するデザインパターン。グローバルな状態を持つオブジェクトや、複数のインスタンスを持つことが望ましくない場合に使用。
シングルトンパターンの概要
シングルトンパターンは以下の特徴を持つ。
- private なコンストラクタ: 外部からのインスタンス化を防ぐ。
- static なインスタンス変数: クラスの唯一のインスタンスを保持。
- static な getInstance メソッド: インスタンスを取得するための唯一の方法。
シングルトンパターンの利点
- グローバルなアクセスポイントを提供。
- インスタンスが1つだけ存在することを保証。
サンプルコード (Java)
// シングルトンを実現するクラス
public class Singleton {
private static Singleton instance;
private Singleton() {}
public static Singleton getInstance() {
if (instance == null) {
instance = new Singleton();
}
return instance;
}
}
// 使用例
Singleton singleton1 = Singleton.getInstance();
Singleton singleton2 = Singleton.getInstance();
// singleton1 と singleton2 は同じインスタンスを参照
注意点
- マルチスレッド環境では、インスタンスの生成に関して注意が必要。スレッドセーフ処理からでないとシングルトンでも各々のスレッドでインスタンスが生成されてしまう。
- 依存関係が増えることで、ユニットテストが難しくなる可能性あり。
- グローバルな状態を持つことで、コードの結合度が高くなる可能性あり。
- 実質グローバル変数と同じようなものになってしまう。
まとめ
シングルトンパターンは、クラスのインスタンスを1つだけ生成し、グローバルなアクセスポイントを提供するデザインパターン。適切な状況で使用することで、グローバルな状態の管理やリソースの制御が容易になる。ただし、マルチスレッド環境での使用や、テスト容易性、コードの結合度については注意が必要。