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【5ステップ】「安心して1人月タスクを任せられる」エンジニアとは?【チーム貢献の第一歩】

Last updated at Posted at 2025-10-03

はじめに

1人月規模のタスクは、遅延すると他メンバーの作業にも影響するため、堅実な見積もりと進行管理が求められます。つまり、これができる(または、できるよう適切に対処する)ことは、チーム貢献や「安心して1人月タスクを任せられる」エンジニアに繋がるといえます。

この記事では、わたしが実践しているタスク管理の方法を、具体例とともにまとめます。自分の振り返り用でもありますが、同じ課題を持つ方の参考になれば幸いです。


1. 仕様確認:曖昧さを残さない質問リストを作る

なぜ必要か

要件が曖昧なまま開発を始めると、手戻りが発生し、工数が膨らみます。最初の仕様確認で「後で困る箇所」を潰しておくことが、結果的に最速です。

具体例:ECサイトの「お気に入り機能追加」

クライアントから「商品をお気に入り登録できるようにしたい」という要望があった際、以下を確認しました。

  • **上限は?**→ 1ユーザーあたり100件まで
  • **重複登録は?**→ エラー表示(「すでに登録済みです」)
  • **未ログイン時は?**→ ログイン画面へ遷移
  • **削除機能は?**→ 一覧画面から個別削除可能
  • **既存のカート機能との関係は?**→ お気に入りから直接カートへ追加可能

これを最初に確認したことで、「あとから仕様変更」を防ぎ、予定通り5日で完了できました。


2. 開発の段取り:WBSを書いて抜け漏れを防ぐ

なぜ必要か

「なんとなく進める」と、テストやドキュメント作成を忘れたり、予想外の作業が発生したりします。最初に作業を分解しておくことで、見積もり精度が上がります。

具体例:上記のお気に入り機能のWBS

以下のように作業を分解しました。

作業項目 想定工数
DB設計(テーブル設計・マイグレーション作成) 0.5日
API実装(登録・削除・一覧取得) 1.5日
フロントエンド実装(ボタン・一覧画面) 1日
既存機能との結合(カート連携) 0.5日
テストケース作成・実施 1日
コードレビュー対応 0.5日
合計 5日

実際は、API実装で予想外のバリデーション処理が必要になり+0.5日かかりましたが、最初にバッファを設けていたため、全体では遅延なく完了しました。


3. 品質担保:デグレを防ぐテストケースを先に書く

なぜ必要か

新機能を追加した際、既存機能が壊れる(デグレ)ことがあります。特にフリーランスは「品質の責任」を強く求められるため、テストは後回しにできません。

具体例:お気に入り機能でのテストケース

以下のような観点でテストケースを作成しました。

新機能のテスト

  • ✅ お気に入り登録ボタンを押すと、登録される
  • ✅ 100件登録後、101件目の登録はエラーになる
  • ✅ 未ログイン時は、ログイン画面へリダイレクトされる
  • ✅ 重複登録時は「すでに登録済みです」と表示される

既存機能のテスト(デグレ確認)

  • ✅ お気に入り機能を追加しても、商品一覧が正常に表示される
  • ✅ カート追加機能が正常に動作する
  • ✅ 商品詳細ページの表示速度が落ちていない

特に「既存機能のテスト」を事前に用意しておくことで、リリース前に安心してレビュー依頼ができました。


4. 見積もり:過去実績をもとに「係数」で調整する

なぜ必要か

「だいたいこれくらい」という感覚だけで見積もると、大抵遅延します。過去の実績から「自分の開発速度」を把握し、それをもとに見積もる方が精度が高まります。

具体例:過去案件からの係数算出

過去3案件で、以下のような実績がありました。

案件 見積もり 実績 乖離率
検索機能追加 3日 4日 1.33倍
CSV出力機能 2日 2.5日 1.25倍
通知機能 4日 5日 1.25倍

平均して「見積もり×1.3倍」かかることが分かったので、今回のお気に入り機能では、4日の見積もりに対して「5日」で提示しました。結果、余裕を持って完了できました。


5. 進捗報告:毎日の振り返りで「ズレ」を早期発見

なぜ必要か

タスクが遅れていることに気づくのが遅れると、リカバリが難しくなります。毎日の振り返りで「予定と実績のズレ」を可視化し、早めに軌道修正します。

具体例:日次の進捗管理シート

Notionで以下のようなシートを作り、毎日更新していました。

日付 予定作業 実績 所感
1日目 DB設計 完了 マイグレーション作成に少し手間取った
2日目 API実装(登録・削除) 80%完了 バリデーション処理が想定外に複雑
3日目 API実装完了・フロント着手 完了 予定通り
4日目 フロント完了・結合テスト 完了 カート連携で軽微な修正が必要
5日目 テスト・レビュー対応 完了 問題なし

2日目の時点で「少し遅れそう」と気づき、3日目に巻き返しました。この可視化がなければ、気づくのが遅れていたと思います。


まとめ

1人月規模のタスクを遅延なく完了するために、わたしが実践しているのは以下の5つです。

  1. 仕様確認:曖昧さを残さない質問リストを作る
  2. 段取り:WBSで作業を分解し、見積もり精度を上げる
  3. 品質担保:デグレ防止のテストケースを先に書く
  4. 見積もり:過去実績から係数を算出し、現実的な工数を提示する
  5. 進捗管理:毎日振り返り、ズレを早期発見する

これらは案件を重ねる中で身につけた習慣ですが、まだ改善の余地があると感じています。今後も精度を上げていきたいです。

この記事が、同じような状況の人の一助になれば幸いです。

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