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二段階認証を実装するまでに調べたこと

Last updated at Posted at 2019-10-01

二段階認証を実装するにあたり、自分が調べたことをまとめました。
何か間違ったことがあれば、コメントいただけると幸いです!

二段階認証?二要素認証

英語では、二段階認証を「Two-Factor-Auth」と訳しますが、日本語では「二段階認証」と「二要素認証」は明確に異なります。
二段階認証の説明をする前に、認証の3要素について説明する必要があります。

認証の三要素

私たちが普段Webサービスを利用する際に、アカウントが自分のものか、認証を行います。その代表的な手段として「メールアドレス」と「パスワード」が一般的です。ですが、一個人を特定する方法として、他にも種類があります。それらを3つに分類したものを「認証の3要素」と呼んだりします。以下のように分けられます。

ユーザが知っていること(知識情報)

ID・パスワード 秘密の質問

ユーザが持っているもの(所持情報)

電話番号 キャッシュカード ワンタイムパスワード用トークン(ハードウェア・ソフトウェア)

ユーザ自身の特徴(生体情報)

指紋認証 顔認証

結局どう違うの?

認証の3要素を用いて、一個人を特定することは変わりません。ただ、認証の回数や認証要素の数で変化します。以下が違いとなります。

二段階認証

認証回数を2回以上に分ける認証方法を表します。極端なことを言えば、
一回目:メールとパスワードで認証、二回目:メールとパスワードで認証でもOK。ただ、そんなザルな認証方法はないので、二回目の認証をSMSでの認証を行うことがよくみられる実装です。

二要素認証

認証要素を2つ以上組み合わせる認証方法を表します。例えば、ATMで現金を引出す際に、キャッシュカードと指紋認証で認証を行なった場合、二要素認証となります。

※二回目の認証をSMSで認証を行なった場合、二段階認証でありかつ二要素認証となります。

それでは、次に二段階認証でよく用いられるワンタイムパスワードについて説明します。

ワンタイムパスワード(OTP)の仕様について

ワンタイムパスワード(以下、OTP)の仕様については、独自で決めるのではなく、IETFのRFCに仕様がまとまっており、それに準拠して実装を行う。

OTPの生成方法は大きく二つある

HOTP (HMAC-Based One-Time Password)

秘密鍵と認証回数を用いて計算し、OTPを生成する。認証回数をクライアントとサーバーで保持しており、認証回数が変わることで、OTPも変更となる。つまり、OTPを使用しなければ、OTPが変わることはない。

HOTPを求めるには以下の計算式を用いる。

HOTP(K, C) = Truncate(HMAC-SHA-1(K,C))
K... 秘密鍵
C... 変動する値 =>認証回数を用いることが多い

HOTPでのデータのやりとり

TOTP_HOTP (1).png

TOTP (Time-Based One-Time Password)

認証回数と秘密鍵を用いて、HOTPを計算した。RFCでは、認証回数を時間に変更して計算したものを、TOTPと定義している。つまり、計算式は下記のように整理される。

TOTP(K, T) = HOTP(K, C) 
HOTP(K, T) = Truncate(HMAC-SHA-1(K,T))
T = (Current Unix Time - T0) / X
X...TOTPを再生成するまでの時間
T0...数え始めの時間(Unix時間を使うのが通常なので、0がデフォルト)

TOTPでのデータのやりとり

TOTP_HOTP.png

[参考]用語の整理

・HMAC(Hash-based Message Authentication Code)...ハッシュ関数を組み合わせたメッセージ認証符号の一つで、秘密鍵とメッセージ(データ)とハッシュ関数を用いてい計算する。
※組み合わせるハッシュ関数によって、HMAC-XXXと表示を分ける。

[参考]RFCとは

RFCとは、インターネット技術の標準化などを行うIETF(Internet Engineering Task Force)が発行している、技術仕様などについての文書群。
TCP/IP関連のプロトコル(通信規約)の標準仕様などが記されたもので、インターネット上で公開されており誰でも入手・閲覧することができる。

参考URL

「二要素認証」と「二段階認証」の違い
RFC6238: TOTP: Time-Based One-Time Password Algorithm
RFC4226:HOTP: An HMAC-Based One-Time Password Algorithm
TOTPを実装する
RFC6238 Time-based One-time Password Algorithm (TOTP)の仕組みのメモ
Time-based One-time Password algorithm

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