QualityForwardというクラウドベースのテストケース管理システムをサポートしています。その関係もあって、オープンソースのテストケース管理システムを調べてみました。無償で、自分で立てるという選択を選ぶ場合の参考にしてください。
利用できる、利用できそうなソフトウェア
少なくとも3年より前に更新されているソフトウェアです。また、公式サイトがちゃんと立ち上がっていて更新されているものに限定しています。
TestLink
オープンソースのテスト管理と言えばTestLinkを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。開発言語はPHPとなっています。現在はGitHubにコードを移しているようです。今年リリースされた1.9系が最新版です。
TestLink download | SourceForge.net
TestManagerForTracPlugin – Trac Hacks
Tracのプラグインとしてテストケース管理を提供します。最終更新は2017年3月となっています。Wikiページを拡張する形でテストケース用のモデルを追加しています。
TestManagerForTracPlugin – Trac Hacks - Plugins Macros etc.
Kiwi TCMS
10年以上も開発が行われているテストケース管理システムです。Python/Djangoで開発されています。ここにデモ版のサイトが立ち上がっています。一部のラベルは日本語化されているようです。
Kiwi TCMS - the leading open source test case management system
Next Generation Testing Management Tool
グラフの種類も豊富で開発もまだまだ活発に行われています。残念なのは言語が中国語のみで、記述内容がはっきりと分からないことでしょう。Javaで作られています。
aaronchen2k/ngtesting-platform: Next Generation Testing Management Tool
Nitrate
Python/Django製のテストケース管理システムです。Python3.6/3.7をサポートしています。Dockerでも利用できますので、試用は簡単にできそうです。
Nitrate/Nitrate: Django based full-featured test case management system
利用できなさそうなソフトウェア
調べている中で見つかったソフトウェアです。多くが2013年あたりで更新を停止しています。フレームワークやプログラミング言語が古かったり、UIがこなれていないものが多いです。開発自体が活発ではないので、セキュリティリスクがあるかと思います。
Testopia
Mozilla製のテスト管理システムです。Bugzillaの機能拡張として開発されていますが、Bugzilla 5系との互換性がありません。Bugzilla 5は2015年07月にリリースされている中、今なお対応していないことを鑑みると、開発リソースはあまりなさそうです。
MozTrap
MozTrapも同様にMozillaが開発しているテスト管理システムですが、4年前で開発は停止しています。デモサイトもなくなっているので開発は行われていないようです。
mozilla/moztrap: MozTrap test case management system
qaManager
プロジェクトトラッキング、リソース管理機能もあるテスト管理システムです。ソースコードの最終更新が2008年なので、現在のニーズにはマッチしていない可能性がありそうです。
qaManager download | SourceForge.net
QaTraq
QATraqはGPL v2以下で公開されているテスト管理システムです。こちらもqaManagerと同様2008年のソースコード更新が最終となっています。
QaTraq download | SourceForge.net
Radi
Radiは2013年で最終更新が止まっています。スクリーンショットを見るとIEとなっており、フレームが活用されたデザインなのでかなり古い印象を受けます。
Radi a light weight test director tool download | SourceForge.net
RTH
テスト要件を管理するためのシステムとなっています。ソースコードの更新は2009年までです。
RTH - Requirements and Testing Hub download | SourceForge.net
Tarantula
Ruby 1.9、Rails 3.2で開発されたアジャイルテスト管理です。現在は開発が停止しています。元々商用として提供していたようですが、会社がなくなるタイミングでオープンソース・ソフトウェアになったようです。
prove/tarantula: Tarantula Test Management Tool
Redcase
Redmineプラグインとして動作するテストケース管理です。サポートするRedmineが3.x系なので、現在の最新版(4系)では利用できないかも知れません。
まとめ
テストケース管理は多数あるのですが、2008年くらいをピークとして様々なソフトウェアが作られ、その内幾つか(TestLinkやKiwi TCMSなど)が継続的に開発を続けているといった雰囲気があります。技術領域としては変革的なものが出てきていないのかも知れません。
しかし、テスト管理を今なおExcelで行っているチームも多いと言います。操作性が悪かったり、共有もしづらく、お勧めはしません。遠隔地とデータを共有したりすることを考えればWebブラウザベースの方が良いでしょう。クラウドベースですぐにテスト管理をはじめたい場合はQualityForwardをぜひお試しください!