最近話題のGemini CLIを、Claude CodeとMCP(Model Context Protocol) で接続し、開発に活用する方法をご紹介します。
これは、AI同士が対話して問題を解決する Agent to Agent (AtoA) と呼ばれる仕組みで、新しい開発体験ができます。本記事を参考に、ぜひその一端を体験してみてください。
参照元
本記事は、以下のchoplinさんの記事とGitHubリポジトリを参考にさせていただきました。
- choplinさんの記事: https://zenn.dev/choplin/articles/2025-06-28-mcp-gemini-cli-intro
- choplinさんのGitHub: https://github.com/choplin/mcp-gemini-cli
筆者の環境
- Windows
- WSL (Windows Subsystem for Linux)
- Cursor (IDE)
- Claude Code MAX Plan
- Gemini CLI Free Plan
1. WSL環境の準備とNode.jsのインストール
まず、開発ディレクトリからWSLに接続します。
# 例: 開発ディレクトリに移動後、WSLを起動
# cd /mnt/c/Users/YourUser/YourProject
# wsl
WSL環境下で、Node.jsのインストール状況を確認しましょう。
node -v
公式推奨バージョンは v22.17.0 です。もしバージョンがこれより低い場合は、アップデートが必要です。
2. NVM (Node Version Manager) の導入
WSL内でNode.jsのバージョン管理を行うには、NVM (Node Version Manager) の使用が最も推奨されます。これにより、今後のNode.jsのバージョン管理が容易になります。
まだNVMをインストールしていない場合は、以下のコマンドをWSLのターミナルで実行してください。
curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.7/install.sh | bash
インストールが完了したら、WSLのターミナルを一度閉じてから再度開き、NVMが正しくインストールされたか確認します。
command -v nvm
nvm
と表示されれば成功です。
NVMがインストールできたら、以下のコマンドで使用するNode.jsのバージョンを設定します。
# 推奨バージョンを指定してインストール
nvm install 22.17.0
# 使用するバージョンをデフォルトに設定
nvm use --delete-prefix v22.17.0
# 設定できたか確認
node -v
3. Gemini CLIのインストールと初期設定
Node.jsのバージョンが更新されたら、WSLのターミナル内でGemini CLIをグローバルインストールします。
npm install -g @google/gemini-cli
インストールが完了したら、以下のコマンドでGemini CLIを立ち上げます。
gemini
初回起動時に、OAuth認証を済ませてください。画面の指示に従って認証プロセスを進めます。
Gemini CLIを利用する上での注意点
Gemini CLIは非常に便利ですが、以下の点に注意して利用しましょう。
- APIキー/認証情報の管理: Gemini CLIはGoogleアカウントでの認証(OAuth)を使用します。認証情報は安全に管理し、意図しないアクセスを防ぐようにしてください。特に、共有環境や公開リポジトリに認証情報を直接記述するようなことは絶対に避けてください。
-
利用モデルと利用制限: Gemini CLIはデフォルトでGemini 2.5 Proモデルを使用します。OAuth認証による無料利用枠では、以下のクォータが適用されます。(2025/06/29時点)
- 1分あたりのリクエスト数(RPM): 最大60リクエスト
-
1日あたりのリクエスト数(RPD): 最大1000リクエスト
短期間に大量のリクエストを送信すると、一時的に利用できなくなる場合があります。エラーメッセージを確認し、必要に応じてリトライ処理を実装したり、利用状況を監視したりすることをおすすめします。最新の正確な情報は、Google AI for Developersの公式ドキュメントをご確認ください。
- コンテキスト上限: Gemini 2.5 Proモデルは100万トークンという広大なコンテキストウィンドウに対応していますが、これは一度のプロンプトで扱える入力と出力の合計トークン数の制限です。非常に長いコードや大量のテキストを扱う場合、この上限に達すると、モデルがすべての情報を処理できない、あるいは途中で出力が切れてしまう可能性があります。複雑なタスクや長文のやり取りを行う際は、情報を分割して送信するなどの工夫が必要です。
- 機密情報の取り扱いとデータ利用: Gemini CLIの無料利用枠では、入力したプロンプトや生成された出力がGoogleのモデル改善やサービス開発のために利用される可能性があることを認識しておく必要があります。そのため、個人情報、機密情報、著作権に抵触する可能性のある情報などは入力しないように十分注意してください。
4. Claude CodeとMCP連携
次に、以下のコマンドでClaude CodeとのMCP連携を設定します。
claude mcp add -s project gemini-cli -- npx @choplin/mcp-gemini-cli --allow-npx
以下の表示が出れば設定完了です。
Added stdio MCP server gemini-cli with command: npx @choplin/mcp-gemini-cli --allow-npx to project config
5. Claude Codeでの活用
設定が完了したら、Claude Codeを立ち上げます。
あとはClaude codeのプロンプト文に「Geminiと相談」などを記述するだけで、ClaudeとGeminiが対話して回答するようになります。ぜひ開発に活用してみてください。
参考文献
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choplin/mcp-gemini-cli GitHubリポジトリ
本記事で紹介したclaude mcp add
コマンドの情報はこちらで確認できます。 -
https://zenn.dev/choplin/articles/2025-06-28-mcp-gemini-cli-intro
本記事の主要な参照元であるchoplinさんのZenn記事です。 -
Gemini API for Developers
Gemini APIの料金や利用規約に関する公式ドキュメントです。 -
Qiita 利用規約
Qiitaでの記事投稿に関する利用規約です。 -
Zenn 利用規約
Zennでの記事投稿に関する利用規約です。
おまけ 実際の作業画面
個人開発中のプロジェクトをGeminiと相談して、テスト項目を出力させてみました。
プロンプト:ISSUES.mdを実装するにあたって、ネックになる部分をgeminiと複数回相談して、最適な回答をしてください。
まずはClaude code側でいつものようにTodoリストが出来上がる。
Claude code側でGeminiの回答に対する追加意見や反証がなかったので再実行しようとした所、GeminiのAPI上限に掛かってしまった為、別日にSS撮ってきます。