はじめに
ボンバーマンが好きだ。初代から遊んでいる。今でもボンバーマンはたまに家族で対戦モードで戦う事があり、楽しさは変わらない。
ソフトメーカーのハドソンも好きだった。コナミにハドソンが吸収されて、2023年9月12日発売の「スーパーボンバーマン R2」の評価が残念だったが、今後とも発売は続けて欲しい。
ゲームの構想
タイトル回収のゲーム構想を記載する。
理想は高くしたつもりはないが、本当に全然進まないので、構想のみ書き残す事にする。悲しいことに完成は出来る気がしない。私の構想したボンバーマン風ゲームは以下だ。
- 主人公は爆弾を設置して、爆発で敵を倒す。
- 爆発に接触すると主人公はダメージを受ける。(即死かは迷う)
- 爆発で壊せるソフトブロックは存在する。
- 爆発で壊せないハードブロックは存在するが、格子状に置かない。
- 爆発は球状(サークル上)に広がる。
- 爆発はハードブロックで止まる。
- 爆発の最大火力は11以上は欲しい。
- ドット絵
- ゲーム空間は二次元平面。
- オブジェクトの配置は方眼のマス配置
- キャラクターは縦横のみ移動可能。斜め移動は不可。
- 音楽と爆発音も欲しい
開発画面
ソフトブロック(壊せる) :町🏙️、木🌳🌲、畑🌾
ハードブロック(壊せない。防壁):山⛰️
| 移動手段 | 絵文字 | 速度 | 森🌲🌳 | 山⛰️ | 海🟦 |
|---|---|---|---|---|---|
| 徒歩 | 🚶 | 👟 | 可 | 可 | 不可 |
| 車 | 🚗 | 👟👟 | 不可 | 不可 | 不可 |
| 船 | 🚢 | 👟👟 | 不可 | 不可 | 可 |
| ヘリコプター | 🚁 | 👟👟 | 可 | 可 | 可 |
| 飛行機 | ✈️ | 👟👟👟 | 可 | 可 | 可 |
↓爆発シミュレーション(防壁の位置によってパターンが変わる)

爆発シミュレーションは「Bresenham のアルゴリズム」を参考としています。
↓大変参考になったページ
構想に至った動機
以下、構想に至った動機をつらつらと書く。
ボンバーマンの爆発の指向性問題
ボンバーマンには、パワーアップの為の様々なアイテムがある。
- 🔥火力アップ
- 💣持てる爆弾数の増加
- ⛸️スピードアップ
- 🥊パンチして爆弾を飛ばす
- 🔋ためボム
- 🎮リモコン爆破
- ⚽ボムキック
- 💥ブロック貫通爆弾 等
ステージにはブロックがある。このブロックには2種類がある。
- ソフトブロック:爆発で壊せる
- ハードブロック:爆発で壊せない
そして、ボンバーマンのステージの基本構造は、ハードブロックが格子状に並んでいる。

そんなこと当たり前だ!と怒らずに続けて聞いて欲しい。
爆弾は爆発した時に、ハードブロック側には進まず広がらず、通路側に広がる。

初期のボンバーマンは、これで良かったが、開発側は考えていたと思う。
ハードブロックが無い場合、爆発をどうすべきか?
爆発は十字なのか、放射状なのか
例えばハードブロックの配置が以下の場合だ。

爆弾が爆発した時に以下だと「違和感」が感じないだろうか?

現実の爆発は球状となる。指向性の爆弾も存在するが、一般的には爆発は球状に広がる。
ブロック単位の爆発の参考例として、マインクラフトのTNTでの爆発があるが、球状となっている。

ゲームとしてのボンバーマンのステージは二次元平面でなので爆発は円状となる。もちろんハードブロックがあれば、障害物となり、爆炎爆風は広がらないので一部は直線状(指向性)になる。
すなわち爆発の表現はブロック単位となるが以下のようになるべきではないか?

ボンバーマンシリーズの爆発の選択
1.十字に爆発するボム
ゲームはもちろん現実世界ではない。ゲームで人が怪我をしても、現実世界でも人は怪我をしないし、痛くない。必ずしもゲームを現実と一致させる必要もない。リアルゲームも存在するが、リアルを追求=面白いゲームではない。だからゲームは千差万別のジャンルが存在する。
そして昨今のボンバーマンシリーズの爆発は、リアルを追求しない選択をした。
↓スーパーボンバーマン R2より(2023年9月12日発売)

歴史は古く、1998年にさかのぼる
↓ボンバーマンクエストより(1998年12月23日発売)

2.放射状に爆発するボム
一方、十字に爆発するボムしかなかった訳ではなくて、1997年発売の爆ボンバーマンでは、放射状(球状)に爆発するボムが存在した。
↓爆ボンバーマンより(1997年9月26日発売)@Nintendo64

1999年に爆ボンバーマン2が発売されたが、爆ボンバーマン3は発売されることなく、放射状(球状)に爆発する爆弾💣の系統は進化しなかった。
なぜなぜ考察タイム
命題「なぜ、ハドソンは、爆弾が放射状(球状)に爆発しない方向を選んだのか?」
思考を文章にして書いてみる。書いていると頭の整理になり、何か気づくだろう。
1994~1997年の時代背景
1983年発売のファミコン、1990年発売のスーパーファミコンへと続いた「ドット絵」でのゲーム表現は、1994年11月にセガサターンが発売され、初代プレイステーションは1994年12月発売、NINTENDO64(ニンテンドウ64)は、1996年6月23日発売日されて変わった。
三つの家庭用ゲーム機の新しい主戦場は「3Dポリゴン」を使ったゲームである。
当時の世の中は「3Dにあらずんばゲームにあらず」であった。これはコンピュータ性能の進歩の帰結であり、当然の流れだった。
- ストリートファイターII(1991/2) → バーチャファイター(1994/11)、鉄拳(1995/3)
- F-ZERO(1990/11) → リッジレーサー(1994/12)
- ファイナルファンタジーVI(1994/4) → ファイナルファンタジーVII(1997/1)
ハドソンもボンバーマンの3D表現を模索していたのだろう。
「ドット絵」から「3Dポリゴン」への変換
「ドット絵」は「絵」である。「絵」は作成したらほぼ完成だ。「絵」はゲーム画面に配置される。必要に応じて縦横に移動する。
「ドット絵」は2次元だけでなく、遠近法を使えば3次元も表現可能だ。
「3Dポリゴン」は3Dモデルを作成した後、3Dモデルをゲーム内の3D空間に配置される。移動は縦横の他に高さと回転が加わる。
ドット絵を3Dモデルにすることはそれほど難しい問題ではない。
「3Dポリゴン」への変換は何が難しいのか?
第一に3D空間を自由に動けて視点も360°となる為、今までは見なくて考えなくて良かった範囲まで3Dで作りこむ必要がある。
↓映画セットの裏側は見えないので作りこまれていない。

第二に「ドット絵」ではあまり意識しない「カメラ(プレーヤーが3D空間を見ている視点)の画角やアングル」を考える必要がある。
固定視点のカメラはまだ設定が楽だが、キャラクターが建物の中に入ったり、天井が低かったりしたら、画角やアングルを変更する必要がある。
第三に、人間の目は二つあり立体視で距離を認識するが、3Dポリゴンは3Dと言えども投影された画面は平面なので、立体視は使えない。
プレーヤーに3D空間にあるモノとモノとの距離を正確に伝える方法を考えなければならない。
上記が難しい点だが、問題は同一のゲームの質的変換だ。
ゲームの特徴(面白さ)はそのままに、表現方法を変える。
ドット絵から、3Dポリゴン化へ質的変換が成功したした最もわかり易いゲームは
- スーパーマリオワールド(1990/11) → スーパーマリオ64(1996/6)
と考える。
スーパーマリオシリーズは、1990年のスーパーマリオワールドまでは二次元横スクロールドット絵表現であった。
今となってスーパーマリオが3Dなのは当然だが、スーパーマリオ64発売前の当時の私は、どうやったら3Dポリゴンでマリオの楽しさを維持するのか?、そもそもそんな事できるのか?と個人的にも思っていたぐらいだ。
世間でもそう思っていたと思う。誰も見て経験したことが無いからだ。
そして、1996年6月23日にスーパーマリオ64が発売され、3Dポリゴンを使ったアクションゲームの新ジャンル(標準/スタンダート/模範)を確立した。
当時の私も、スーパーマリオ64で遊んで、新しい表現に震えたのを覚えている。
さすが宮本茂(64ではプロデューサー)と言いたい。
ボンバーマンの「3D」化(1996年視点)
ボンバーマンも3Dにしなければならないとハドソンも考えたのだろう。
結果的に、先ほど紹介した爆ボンバーマン@Nintendo64が1997年9月26日に発売された。
爆弾は放射状(球状)に爆発する。wikipediaにも記載がある。
「フィールドは広大な3Dマップとなり、規則的に配置されたブロックもなく、自由に移動できるようになった。その影響で爆弾の爆発も球状となっている。」
フィールド上に縦・横に規則的に格子状に設置されたハードブロックは廃止された。
ここまでは良い。爆発も球状になるのは当然だ。しかし何かが足りない。
再思考
マリオのアクションとは何か?
「マリオ」=「ジャンプ」である。そこはドット絵だろうと、3Dポリゴンだろうと共通だった。
では、ボンバーマンのアクションとは?
「ボンバーマン」=「爆弾💣を設置してすばやく安全地帯に逃げる」である。
ボンバーマンのだいご味(=本当の楽しさ)
私はボンバーマンの何を楽しんでいたのか?
ボンバーマンの武器は爆弾💣であり、敵👿を倒すには爆弾しかないが、反面、爆弾の爆炎爆風から自分の身を守らなければならない。
爆弾を設置したら、爆発するまでの制限時間内に安全地帯に逃げ込まなければならない。操作ミスは許されず、緊張しながらもうまく逃げ込めて、ベストなタイミングで爆発して敵を倒した時の爽快さが、ボンバーマンというゲームの楽しさの原点であった。
爆発が「球状」の場合、ボンバーマンのアクションは以下となる。
爆弾を設置する → 「球状」に爆発するので一目散に「直線」で逃げる。
爆発が、壁(壊せないもの=ハードブロック)を貫通している。
壊せるもの(ソフトブロック)を爆発が貫通するのは理解できる。「貫通ボム」はすでに存在しているからだ。
しかし、壊せないものを爆発が貫通するというルールは今までのボンバーマンに無かった。
結果的に「爆発の影響が及ばない陰(安全地帯)に隠れる」方法が無くなった。
壊せないものを爆発が貫通するとゲーム性の本質が変化する。
↓爆発を2次元に単純化すると以下だ。🟥は爆心

爆発が壊せないものを貫通すると、爆発が大きくなってくると逃げられなくなる。
また、ボンバーマンが逃げる時の導線が直線になり、ゲームとして単調となりつまらなくなる。ゲームと言えども物理法則は守ってほしい。

歴代ボンバーマンの「ファイヤーアップ」の最大火力数を比較すると、爆ボンバーマンの球状爆発の最大火力数は、他に比べて低くなっていることがわかる。これは爆発範囲が大きくなり過ぎるとボンバーマンが逃げられなくなる為と考える。
| 日付 | タイトル | 火力 | 販売本数 |
|---|---|---|---|
| 1983/07/01 | 爆弾男(PC) | 最大火力 2 | |
| 1984年 | 三次元ボンバーマン(PC) | 最大火力 2 | |
| 1985/12/20 | ボンバーマン(FC) | 最大火力 5 | |
| 1991/06/28 | ボンバーマンII(FC) | 最大火力 5 | |
| 1993/04/28 | スーパーボンバーマン(SFC) | 最大火力 10 | |
| 1993/04/28 | スーパーボンバーマン2(SFC) | 最大火力 10 | |
| 1995/04/28 | スーパーボンバーマン3(SFC) | 最大火力 8 | |
| 1996/04/28 | スーパーボンバーマン4(SFC) | 最大火力 9 | 35万本 |
| 1997/02/28 | スーパーボンバーマン5(SFC) | 最大火力 8 | 20万本 |
| 1997/09/26 | 爆ボンバーマン(N64) | 最大火力 6(球状爆発) | 19万本 |
| 1998/12/24 | ボンバーマンクエスト(GB) | 最大火力 ?(十字爆発+サークル爆発) | |
| 1999/12/03 | 爆ボンバーマン2(N64) | 最大火力 3(球状爆発) | 11万本 |
| 2001/12/20 | ボンバーマン64(N64) | 最大火力 10 |
制約の中での創意工夫
振り返ると、ドット絵時代のボンーバーマン(起源は1983年の爆弾男)のマップは、なぜ、ハードブロックを格子状に置いたのだろう?

- 爆発が十字の方が爆発の方向が予想できる。
- 安全地帯となるハードブロックの陰に隠れることにより、爆発から身を守るというドキドキ感が発生する。
- 当時のパソコンのCPU性能上、十字の爆発しか処理できない限界があった。
結果として、ハードブロックを格子状に置いたほうがゲームとして面白くなった。
命題の結論
爆ボンバーマンでは、なぜ爆発で壊せないもの(障壁)を爆発が貫通してしまったのか?
爆ボンバーマンは、初代ボンバーマンを作った中本伸一がプロデューサーとして作ったゲームだ。
今迄、記載していた内容を当然認識している。爆発で壊せないもの(障壁)は、爆発が貫通しないようにしたかったはずだ。しかししなかった。できなかった。
理由は以下と想像する。
- 障壁の配置により爆発パターン複数となり、複雑化になる。デバック量も増加。
- ポリゴン数の制約で球状の爆発しか用意できなかった
- 開発費が高騰する。
最後の3.は1994年12月23日に発売されたPC-FXの販売不振が響いていると考える。冒険も出来なかったギリギリの選択だったのだろう。
では、次回作の1999年12月03日発売の爆ボンバーマン2(N64)では可能だったのではないか?
ここで大事件が起きた。
1997年11月17日にハドソンのメインバンクである北海道拓殖銀行が経営した。
この破綻は、北海道全土に大きな打撃を与える。札幌に本社を置くハドソンも例外ではなかった。開発費などの資金調達に苦労し、経営は守勢となり、ゲーム開発に影響が出る。
爆ボンバーマン2は爆発的に売れるわけでもなく、爆ボンバーマン3(N64)は開発できず、その後のハドソンは、ヒット作が出ず、資金不足となり、経営不振が進み、2005年にコナミの子会社化となることで、自由な社風もなくなり、人材流失も重なり、会社も消滅しボンバーマンに於ける「爆弾が放射状(球状)に爆発する路線」はなくなった。
元の命題に戻るが、
「なぜ、ハドソン(は、爆弾が放射状(球状)に爆発しない方向を選んだのか?」
の答えは「選ばざるをえなかった為」となる。
動機からゲームの構想へ
ボンバーマンで遊んできた中で、小さい物足りなさを感じた事を動機として、自分なりのゲームの構想を作成した。
構想して実行に移すことは、なかなかハードルが高い。おそらく、みんな似たり寄ったりの経験があると思うが、構想だけでも、まとめられたので満足することにする。
ボンバーマンの商標権者は現在コナミとなったが、ボンバーマン風ゲームはインディーズ系(独立系)ゲーム部門に於いて作成されている。今後も世界の誰かが散発的にブロック崩しやテトリスの様に、入門的に作成するゲームや、好きで本気で作るゲームとして生き残り続けるのだろう。











