2018/4/8に行われたIGDAJ主催のGDC報告会に参加した際のメモを少し整理しました(聞き間違い、勘違いなどあるかもしれませんがご了承ください)。
報告会のWEBページはこちらです。
#この記事の活用方法と概要
全体的に1つの内容を深掘りせずに、こういう物/話があったくらいの話が多かったです。
なので、このメモから何か学び取るよりは、面白そうな話を見つけて、後ほどIGDAのWEBページにアップされる資料やGDC Vaultから動画を探してみてください。
セッション名はメモしていませんでしたが、極力調べてメモ内容と共に載せています。
また、見つかれば日本語の記事へのリンクを付けておきました。
長くなってしまったので、3つに分けます。
このページはその3です。
その1はこちら
その2はこちら
【講師(敬称略)と報告内容一覧】
前半は技術寄りの内容
- データ解析、AI(スクエア・エニックス/三宅)
- AI、自動テスト(スクエア・エニックス/眞鍋)
- VR(gumi/渡部)
- BaaS、スマートスピーカー(ツェナネットワークス/佐野)
- 生産性改善とGDCでの注意点(サイバード/伊藤)
- 出展社からみたGDC(CRI・ミドルウェア/増野)
後半はゲームデザイン寄りの内容
- ゲームデザイン(Unity仙人)
- ボードゲームデザイン(アトリエサード/徳岡)
- モバイル(ビサイド/南治)
最後にパネルディスカッションとQ&Aもありました。
#ボードゲームデザイン(アトリエサード/徳岡)
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Board Game Design Day: White, Brown, and Pink: The Flavors of Tabletop Game Randomness
ボードゲームにおけるランダム性の話- Geoff Engelstein氏(このセッションの講演者)の講演は毎回素晴らしい
- ボードゲームにおけるランダム性の種類
- 情報の隠匿
- 操作の再現性
- 対戦相手
- ランダマイザ
- ゲームプレイのサイクル
ゲームの状態を読み取る(入力)→行動する→結果が出る(出力) - ランダム性を持たせられるのは、ゲームの状態(入力)か結果(結果)
- 入力の例:カードゲーム(デッキから引くカードは引くまでわからない)
- 出力の例:TRPGにおける行動の宣言とサイコロによる判定(サイコロの結果はランダムで、結果がサイコロに依存する)
- ランダム性を持たせる位置によるプレイヤーの"感じ方"の違い
- 入力に不確かさがある場合
- 長期的判断が求められる
- ユーザーのコントロール感が高い
- 技術介入度が高い
- 出力に不確かさがある場合
- 短期的判断が求められる
- 運ゲー
- 技術介入度が低い
- ランダム要素があっても、それが循環しているので、ユーザーの感じ方に違いはあるが、ゲームデザインへの影響は少ない
- 入力に不確かさがある場合
- 4Gamerの徳岡さんの記事に大体の事は書いてある
- ランダマイザの種類
- ホワイトノイズ
- 結果が前回の結果の影響を受けない
- ブラウンノイズ
- 結果が前回の影響を受ける(変化が小さい)
- 結果が予測しやすい
- ランダム性を持たせる意味がわからなくなりやすいので、講演者はピンクノイズを勧めている
- ピンクノイズ
- 基本的には結果が前回の影響を受ける(変化が小さい)
- しかし、たまに影響を受けず、大きく変化する
- バイオレットノイズ
- 少ない確率で小さく変化し、大きな確率で大きく変化する
- ゲームでは使い辛い
- ホワイトノイズ
- Board Game Design Dayまとめ
ボードゲームのデジタル化の話が多かった
PCゲームとの接点を意識し、接点があることを皆必死にアピールしていた
GDCはコンピュータゲームのカンファレンスなので仕方ない - Board Game Design Day: 'Race for the Galaxy': Digital Design Gems
ボードゲームのデジタル化について- ボードゲームをデジタル化しても面白いのは2割程度と講演者は感じている
- なぜなら、テーブルと比べると画面が小さい
PCの画面でも小さいが、特にスマホの画面だと載せられる情報量が少ない - デジタル化のメリット
- 非同期に手番を行える事
1回の手番の制限時間を非常に長くし、何日もかけて1つのゲームを行うようなプレイ方法のことと思われる - アナログ市場とは競合しない
デジタル化されたものは、そのゲームを上達したい人が買うため - AIを作りやすい(手の選択肢が限定的なので、モンテカルロ法である程度強いAIが簡単に作れる)
- カードの解説などをマウスオーバーなどで表示できる
- 非同期に手番を行える事
- アナログゲームの面白さのエッセンスをデジタルゲームに落とし込むのは難しい
- Legacy Games: From 'Risk' to 'Pandemic' to 'SeaFall' & Beyond もしくは、 Board Game Design Day: The Making of 'Pandemic Legacy' ?
レガシーゲームについて - レガシーゲームとは?
- アナログゲームに最近ある流れ
- 遊べる回数が限られたゲーム(シナリオがあり2回同じシナリオでは遊べない、道具を物理的に壊すなど)
- レガシーゲームは遊べる回数が限られる欠点があるが、人はそもそもそんなに同じゲームで遊ぶだろうか?
- 人はゲームに飽きるのもの
- それならば、毎回異なるゲーム体験を提供しよう
- 最初の数回を超楽しみものにしよう
#モバイル(ビサイド/南治)
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The Year in Mobile Games
- 今年のモバイルゲームの総括
海外でもバラエティ豊かなモバイルゲームが出てきた、という印象- キャンディクラッシュ5周年
- ゲーム・オブ・ウォーは最初は良かったが失速
- App Storeの大幅な変更
- Playrix(ホームスケイプを制作)は同じようなゲームを量産
- ルートボックス(Play to Win)問題
- Toy Blastの続編、Toon Blastでは何が変わったか?
- 進行度の表現をマップではなく、ステージレベルの表示のみに変更
- ソーシャル要素の追加(チーム)
- シリーズ化はメーカーにとってメリットがある
- HQ
Vineの創業者が作ったライブクイズアプリ- ユーザーはクイズ番組に参加するようなイメージ
- 10問正解すると賞金がもらえる(賞金は正解者で山分け)
- ユーザーは一銭も払わなくて良い
なので、儲かってない
- 女性向けロマンスゲームのクローン
- Episode社が発祥
- 選択式のアドベンチャーゲーム
- 選択肢に課金要素
- ストーリーのアンロックに課金
- 一度課金すると、欲しい結果に向かって課金をやめられない
- ユーザーもゲーム内でストーリーを作れ、それをコンテストに応募できる
- 今年のモバイルゲームの総括
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Google Developer Day
- 女性ゲーマー
- モバイルゲームプレイヤーの49%は女性
その内の64%が他のプラットフォームよりモバイルを好んでいる - 今年のグーグルは女性を意識
- 女性は男性よりも自分をゲーマーとは思っていない
- アメリカではアプリのアイコンに男性ばかりで問題
これからはダイバーシティを意識するべき
- モバイルゲームプレイヤーの49%は女性
- AI
- キャンディクラッシュではバランス調整に活用
- Google Cloud Platformを使う
- 週に50レベルをリリース
- レベルは簡単でも難しくても駄目
- 今までは人間の手で調整していた
それを機械学習させたエージェントにレベルを解かせる事で、バランス調整するように変えた - 7日間かかっていたバランス調整が一瞬でできるように
- キャンディクラッシュではバランス調整に活用
- 女性ゲーマー
#パネルディスカッション/Q&A
##テーマ:ざっくりどう?
- Vaultが便利
- AIが多かった
- 数年前からセッションの中心がAAAタイトルからモバイルに移ってきた
- CEDECは技術中心なのに対して、GDCは多様
- Unity VS UE4の戦争状態
- アジア系の参加者が増えた
- セッションそのものよりも人脈形成ができるのが良い
##Q&A
- Q:触覚系のVRデバイスで革新的な物はあったか?
A:なかった - Q:歩く系/乗る系のVRデバイスはあったか?
A:なかった
コードレスなVR機器が多かった - VRではディズニー系が強い
- Firebaseの話は統計の話
ビッグデータからの予測 - Horizonの自動テストツールのデータ分析が色々なところに使えるといい(願望)
現状はHorizonでしか使えない - インディーズの展示ではピンとくるのはなかったが、ノースエリアにはいいのがあった
- Kidsというモバイルゲーム
- 演出がクレイアニメのようなゲームもあった(現実世界の写真をテクスチャーとしてゲーム内で使う)
- What is golf
一発ネタのステージをプレイするゴルフゲーム - ポリゴン魂にインディーズゲーム系の動画へのリンクをまとめてある
- DeepMindではAIにゲームさせる展示があった
- Q:ブロックチェーンの講演/展示はあったか?
A:ブロックチェーンの講演/展示はあったが、ろくなのがなかった - 自動生成のゲームで面白いキャラクターをどう自動生成するかという話があった(ストーリー的な話)
場所ベース(現実世界)のストーリーを作る話があった
##テーマ:グッときたセッション
- ImprovableのMMO向けOSのデモ
大企業から資金調達をしている
神羅プロジェクトと同じようなことをしている
おそらくこれのこと - リアルワールド系
- FDAを資格を取るといい
医療系に販路を広げられるから - ダウンロード販売
古いソフトの再販
モジュール単位で売る - Playable Ad
タイトルで釣られた
クソもクソみたいなセッションだった - アドボカシー
以前より現実的な話がされるようになった
Reigns: Her Majestyにはフェミニズムを取り入れた - 同じモーションキャプチャー(VTUBER)でも日本とは違い、アメリカではリアル系のキャラクターを使う
- 変な展示は減った
- とりあえず、AI、VR
- 技術は凄いが実用性が謎なUEの展示
##テーマ:セッションの選び方
- 仕事に使える、未来に使えそうなセッションを聞きに行くことが増えた
- 出店すると10講演分のチケットがもらえる
- Vault無しのセッションを優先(EXPOが充実しているので)
- スポンサードセッションは地雷が多い
- 悩んだら有名な開発者のセッションへ
- 眠くなったらサウンド系のセッションへ
- 講演時間がきつきつで早口なセッションが増えたので注意
- EXPOを回る時間も考えて、ちゃんとスケジューリングを
- 自分に必要なキーワードでセッションを絞り、さらに講演内容をググって、本当にそこで最新の情報が話されるのかをチェック
- GDCアプリはゴミ(人数把握が目的のアプリなのかもしれない)
- 同じような内容のセッションが同じ時間に開催されることが増えたので、クソセッションに見切りをつけられるように、後ろの席に座る
- GDC側は人気セッションを重ねて、人の分散を計っているのかもしれない
- 海外に就職したい学生はポートフォリオを持って行くといいかも
##テーマ:出展/登壇したいか
- 日本で大ヒットをすると呼ばれる
出展したければ、まずは大ヒットを出そう - 出展して日本のVRをアピールしたい
日本も海外勢に十分対抗できるレベルだから - [外では言えない話]
- [外では言えない話]
- ヨーロッパのカンファレンスで実績を積むと登壇しやすい
- 博士号持ちの登壇者が昔は多かった
##テーマ:Out of The GDC(観光的な話)
- 人脈を駆使して会社見学
中は見れなくとも空気感を感じられる - 取材で忙しくて観光は無理
でも、赤いモンエナは美味い - ショッピングモールのフードコートは様々な料理を食べられて楽しい
- アップルパーク
- コンピュータ博物館
- 様々な国の料理を楽しめる
- とにかくアメリカはデカイ
- ヨセミテ国立公園
- 時差ボケ対策に早めに入って、サンノゼ(IT企業が多い)あたりに行こう
企業の門の前で写真を撮るくらいならできる