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【E資格】AI初心者が効率よく合格する方法(2021/02合格)

Last updated at Posted at 2021-03-13

2020年6月時点でAI初心者だった私が、半年後の2021年02月のE資格試験で無事合格できました。今後受験される方の参考のために、合格体験記録を残そうと思います。

なお、この記事は2021年2月に実施された「JDLA Deep Learning for ENGINEER 2021#1」のE資格試験の受験記録です。E資格のシラバスも毎回変更されており、記事記載後には新しい効率的な勉強方法が生み出される可能性もあります。その点留意して参照頂ければと思います。

■筆者情報(2020年6月時点)

・インフラエンジニア。
・AIに関しては初心者。

■E資格とは?

E資格については以下の通りです。

区分 内容
試験名 E資格
開催頻度 年2回(2月、8月)
主催元 一般社団法人日本ディープラーニング協会
内容 ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する。
試験方法 試験時間:120分
知識問題(多肢選択式・100問程度)
各地の指定試験会場にて受験
出題範囲 シラバスより、JDLA認定プログラム修了レベルの出題
※このリンクは2020年度版のシラバスです。シラバスは毎年大きく改定されています。
受験費用 一般:33,000円(税込)
学生:22,000円(税込)
会員:27,500円(税込)
賛助会員社受験費用の割引あり。

ディープラーニング協会が実施するG検定という資格との違いは以下となります。G検定はAIに関する幅広い基礎知識が対象となります。例えばE資格では問われないAIの歴史や法律といった問題も出団範囲となります。E資格は具体的な実装方法が対象となります。

区分 内容
G検定 ・ディープラーニングの基礎知識を有していること
・適切な活用方針を決定して事業活用する能力や知識を有していること
E資格 ・ディープラーニングの理論を理解していること
・適切な手法を選択して実装する能力や知識を有していること

■受験動機

事の始まりは2020年6月頃でした。それまで私は全くAIについて勉強をしたことがなく、完全な初心者でした。それまでAWS資格取得に専念していましたが、次は機械学習分野の勉強をしたいと思っていました。

そんな時に「2020年7月のG検定が半額になる」というニュースがありました。それもあり、G検定を受験して合格しました。しかし、G検定でAIの事は少し分かりましたが、実装方法等は具体的には分かりません。そこで、せっかくならE資格を目指して勉強しよう!と考えたのがスタートでした。

■E資格取得に向けたスケジュール

E資格を受験するにあたって、以下のスケジュールで対応しました。
この学習中にE資格を含めて4つの資格を取得することを想定しました。
これが最も効率よいE資格の受験スケジュールだと思っています。

日程 資格 内容
2020年07月 G検定」受験
2020年08月 Python3エンジニア認定基礎試験」受験
2020年09月 Python3エンジニア認定データ分析試験」受験
2020年10月 JDLA認定プログラム①「機械学習」受講
2020年11月 JDLA認定プログラム②「深層学習」受講
2020年12月 JDLA認定プログラム③「E資格対策講座」受講
2021年01月 JDLA認定プログラム④「修了テスト」受験
2021年02月 E資格」受験

■事前受験を推奨する3つの資格

それぞれの試験を受験した意味合いについて説明します。それぞれの試験の詳しい勉強方法は[体験記」からご確認ください。

日程 体験記 内容
G検定 体験記 E資格を受験するためにはAIの基礎知識が必要になります。AIについて全般的に学習できるG検定受験の勉強でそれを実施しました。
Python3エンジニア認定基礎試験 体験記 JDLA認定プログラムの受講前提条件が「1年以上のプログラム(Python)経験があること」でした。私は全く経験がなかったので、この試験の受験勉強で基礎を身に付けました。
Python3エンジニア認定データ分析試験 体験記 JDLA認定プログラムの受講前提条件として、NumPy、Pandas、Matplotlib等は理解しておく必要がありました。データ分析試験を通して、それを身につけました。

ここまでの準備をした上で、2020年10月からJDLA認定プログラムの講座を受講しました。

■E資格学習「JDLA認定プログラム」

E資格を受験する為には「JDLA認定プログラム」を必ず受講する必要があります。

日程 内容 受講料(参考)
2020年10月 JDLA認定プログラム①「機械学習」受講 20万円
2020年11月 JDLA認定プログラム②「深層学習」受講 10万円
2020年12月 JDLA認定プログラム③「E資格対策講座」受講 10万円

認定プログラムの業者は複数あるので、自分の好きなところを選択できます。値段も5万~40万くらいで幅が広く、何を重視するかにより選択するプログラムが変わります。私の場合は、会社が提携している認定プログラムがあり、選択権はありませんでした。。。

私の受けた認定プログラムについて説明します。

私の受講した「JDLA認定プログラム」の提供形態

以下の通りです。

内容
1 eラーニング形式です。
2 基本的に1人で黙々と実施します。動画は一切なくテキストのみです。
3 テキストに記載された構文を「jupyter Notebook」に写経して学習します。
4 途中で実習課題があるので、頑張って解く必要があります。
5 メンターというサポート役の人がいてチャットで質問できます。
6 3つの講座を合わせて受講料が40万円です。

私の受講した「JDLA認定プログラム」の良いところ

以下の通りです。

内容
1 eラーニング形式なので時間を選ばず受講できます。
2 eラーニングのテキストはそれなりに解りやすく作られています。
3 分からない時はメンターの人に質問できます。
4 目安のスケジュールがあり計画的に勉強を進めることができます。

私の受講した「JDLA認定プログラム」の悪いところ

以下となります。

内容
1 テキストが間違いだらけです。内容で行き詰ったらテキストが間違えていることが多いです。
2 テキストの範囲が基礎的な部分に限られるので、メンターが質問に答えてくれるのもその範囲になります。その範囲の縛りが学習中は非常にもどかしく感じます。
3 メンターとのチャットは回答が翌日のこともあり即時性はありません。内容によっては数日やり取りが必要になる場合もあります。翌日になると別のメンターが引き継ぐ場合がありますが、引継ぎがうまくいかず話がかみ合わないことが何度かありました。
4 メンターは土日がお休みです。その為、土日に頑張って進めたくても、質問に対する回答が返ってくるのは月曜日以降になります。
5 メンターからの回答がQiitaの記事のURLとかなので、自分で調べた方がよいと感じることが多いです。
6 メンターは複数人いて当たりはずれがあります。手が空いているメンターが回答する仕組みですのでこちらからメンターを選択できません。
7 総額40万円は費用対効果が悪いと感じました。

私の受講した「JDLA認定プログラム」の修了テスト

以下の通りです。

内容
1 認定プログラムを終了したあとに受ける必要があります。
2 合格しないとE資格受験に必要な「修了ナンバー」がもらえません。
3 Webテスト形式でした。完了次第結果が分かります。
4 テストは自分で実施して結果を報告してね、という感じで性善説に基づいて実施されます。
5 テストは3回分あります。そのうち1回で合格点を取得する必要があります。
6 このテストは何度でも実施できるので、E資格の事前勉強に活用できました。
7 テスト自体品質が悪く、答えが数問間違えていました。

「JDLA認定プログラム」の選択方法の私見

ネット上で色々調べてみると、どの「JDLA認定プログラム」もあまり品質がよくなさそうです。ただ、E資格は「JDLA認定プログラム」を受講完了することが受験条件になっているので、受講しなくてはいけません。

ですので、以下で条件で洗濯することになるかと思います。

区分 内容
AI初心者 AI初心者は「JDLA認定プログラム」で機械学習と深層学習の基本をマスターする必要があります。品質はさておき、きちんとしたプログラムを受講した方がよいかと思います。どれがよいかは「JDLA認定プログラム」の各社HPを見て熟考の上、確定した方がよいかと思います。数十万円する講座もあるので、なんとかうまく会社負担で受講できるように調整してください。
AI経験者 AI経験者であり「JDLA認定プログラム」を受けなくても十分に機械学習・深層学習の知識があるのであれば、価格で決めて問題ないと思います。「SkillUpAI」が最安値の5万円プラン提供を開始したので、これ一択でもよいかと思います。あくまで「E資格の受験条件を満たす」という前提ではあります。

■「JDLA認定プログラム」以外の勉強方法

ここからが本番です。
実は「JDLA認定プログラム」を合格してもE資格に合格する知識は十分には身に付きません。「JDLA認定プログラム」は「基礎を教えたから、あとは頑張ってね!」と言う感じです。ここから自分でどれだけ積み重ねることができるかがポイントになります。
なので、ここから記載することが一番重要です。
私は以下の資料を使って学習を進めました。

教材名 区分  重要度 勉強方法
シラバス Web シラバスに試験内容が記載されています。まずは確認しておきましょう。

Pythonではじめる機械学習 書籍 機械学習について纏められた書籍です。JDLA認定プログラム①「機械学習」受講後のタイミングで復習も兼ねて実施しました。「Pythonではじめる」と初心者向けのような記載ですが、書いていることが解りにくく、資料の解りやすさ自体はJDLA認定プログラム①「機械学習」のテキストの方が解りやすかったです。機械学習の多くのパターンを試すことができるという意味で、勉強することに意味はありました。

ゼロから作るDeep Learning 書籍 深層学習について纏められた書籍です。E資格の試験勉強をしていると、Python穴埋め問題が多々あることに気付きます。それは「JDLA認定プログラム」では十分には教えてくれない内容であり、どのように勉強すればよいのか困るはずです。その時に活躍したのが、この書籍です。非常に解りやすく説明が記載されています。私はこの本を4~5周くらい徹底して流し読みして、基礎を叩き込みました。「順伝播」や「誤差逆伝播法」に関しても、この本のお陰で十分に理解できたと思います。CNNについても、この本で解りやすく説明されています。AI初心者の方なら購入必須の書籍だと思います。

ちなみに学習する際は@segavvyさんの「ゼロから作るDeep Learningで素人がつまずいたことメモ: まとめ」を参照しました。非常に助かりました。

ゼロから作るDeep Learning② 書籍 深層学習について纏められた書籍です。こちらもE資格の試験範囲の内容を分かりやすく解説されています。模擬問題を解きながら解らない時に何度も参照しました。word2vecやRNNについて詳しく解説されています。こちらも購入した方がよい書籍です。この2冊で深層学習の基礎が身に付きます。

ちなみに学習する際は@segavvyさんの「ゼロから作るDeep Learning❷で素人がつまずいたことメモ: まとめ」を参照しました。非常に助かりました。

徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 書籍 6,000円くらいします。高い!

しかし、E資格関係の唯一の問題集ですので、購入必須の書籍だと思います。シラバスと比較すると、E資格の試験範囲を網羅していることが解ります。ただし、書籍の品質はとても悪いです。必ず正誤表を事前にチェックしてください。壮絶な数の誤りがあります。

受験日までの勉強は、この問題集の内容を徹底して理解して100%回答できるようにすることを徹底しました。私は、それがこの試験を合格するための一番確実な方法だと思います。

それに加えて、問題集に記載されている数式や図の暗記を徹底的に実施しました。例えばLSTMとGRUの図や最適化手法の公式などです。本当は理解した方がよいのですが、時間もないので途中からは割り切って暗記をはじめました。

書籍の中では「論文を熟読しておくこと」とありますが、私はこれも省略しました。論文は英文なので簡単に理解できません。時間的な効率から考えると、Qiitaなど論文の内容が日本語で整理されている纏めサイトで勉強した方がよいかと思います。

■「E資格」受験申込方法

先ほども記載した通りE資格申し込みには「修了ナンバー」が必要になります。
E資格申し込みから合格までのフローを参照してください。

■受験(2021年2月:合格)

ポイント 内容
試験会場 試験会場は「ピアソン VUE」でした。
所感 受験規約のため試験内容は記載できません。

時間だけ記載すると103問の試験を120分で実施するので、1問1分くらいで実施する必要がありました。私の場合は50問終わった時点で70分くらい余力があり、103問終わった時点で15分くらい余裕がる状況でした。その後、15分間不安な問題をチェックして終了しました。

テスト終了後に「おおよそ3週間以内に結果連絡する」と記載された紙がもらえます。

試験数時間後に「スコアレポート入手可能の通知」というメールが唐突に届きます。えっ、点数解るの?そりゃWeb試験だからスコアはすぐ出るよね?点数だけでも見れれば安心できる!っと思って開いたら、点数の記載はなく現地でもらった紙と同じ「おおよそ3週間以内に結果連絡する」という内容だったので、ガクッとしました。

結果 結果は3週間後ジャストの3月11日の18:00過ぎにメール通知されました。

無事「合格」でした。

「E資格(エンジニア資格)2021#1」結果発表」に合格率が掲載されましたが78.44%というかなり高い数字でした。過去がずっと68%前後だったので、今回から10%上がった理由は謎です。

■合格後のメリット

合格証がダウンロードできる

合格証をダウンロードできます。
image.png

E2021#1合格者用ロゴが利用できる

合格者用ロゴがダウンロードできます。
名刺などにロゴを入れることができます。

合格者コミュニティCDLE Slackへの招待

「合格者コミュニティCDLE Slack」に招待され参加できます。私はG検定に合格してすでに参加済みですが、AI関連の情報交換がされており有効だと思います。資格を取得して招待を受けた場合、是非参加してみてください。

■まとめ

上記の結果、なんとかE資格に合格することができました。AIに関して基礎ができたと思うので、この知識を活用して、仕事に生かしていきたいと思っています。

私の場合、仕事でもクラウドを利用することが多くなってきたことから、クラウド関連のAI資格を取得したいと考えています。例えば目標は以下の資格となります。AIに関する知識は身に付けたので、あとはクラウドの機械学習サービスの内容を十分に理解すれば取得することができそうです。

目標資格 難易度 内容 
AWS 認定 機械学習 – 専門知識 上級 AWSの機械学習の資格です。与えられたビジネス上の問題に対する機械学習ソリューションをAWS上で設計、実装、デプロイ、維持する受験者の能力が検証されます。AWSでは唯一の機械学習資格です。
AI-900 Microsoft Azure AI Fundamentals 初級 AzureのAI資格です。AI ワークロードと考慮事項、Azure での機械学習の基本原則、Azure のコンピュータ ビジョン ワークロードの機能、Azure の Natural Language Processing (NLP) ワークロードの機能、Azure の会話型 AI ワークロードの機能を理解していることを証明する資格となります。
AI-102 Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution 上級 AzureのAI資格です。Azure CognitiveServicesソリューションの計画および管理、コンピュータビジョンソリューションの実装、自然言語処理ソリューションの実装、知識マイニングソリューションの実装、会話型AIソリューションの実装ができることを証明する資格となります。
DP-100 Designing and Implementing a Data Science Solution on Azure 上級 AzureのAI資格です。Azure Machine Learning ワークスペースのセットアップ、テストの実施とモデルのトレーニング、モデルの最適化と管理、モデルの展開と利用ができることを証明する資格となります。
DX検定 先端IT技術 トレンドとビジネストレンドを幅広く問う知識検定先端IT技術トレンドとビジネストレンドを幅広く問う知識検定です。AIに関する知識も広く必要となります。

この資格の面白いところは点数によって認定される資格がことなることです。
スコア800以上⇒「DXプロフェッショナル レベル」
スコア700以上⇒「DXエキスパート レベル」
スコア600以上⇒「DXスタンダード レベル」

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