今回の記事はG検定に合格するまでの活動履歴を記事にしました。
この試験は、ある程度この試験の内情を認識した上で受験する必要があると感じました。
活動履歴の最後に、その心構えを記載しています。
多分、この試験を受験した人なら、ほとんどの人が賛同してくれると思います。
#■筆者情報(2020年6月時点)
・インフラエンジニア
・AWS資格はプロフェッショナルまで取得済み
・AIや機械学習の知識は無し(ニュースで見る知識程度)
・プログラミング経験は新人研修程度。
・もちろんPythonは触ったことが無い。
#■受験動機
私が受験を決めたのが試験までちょうど一か月の頃でした。
新型コロナウィルスの影響でG検定の受験額を半額にになるとの話があり、
会社からもこの機会に受けてみるように社員に対してアナウンスがありました。
受験費用:一般:12,000円(税抜)(※2020#2のみ一般:6,000円(税抜))
私自身としても、顧客からもAI技術を使ったサービスの提案を期待される場面が増えており、
G検定は近々受験したいと思っていたので、良い機会だと思い、受験を決めました。
あと、AWSの専門資格を取得したいと思っていたのですが、
G検定でAIに関する知識がつけば、AWSの機械学習の専門試験にチャレンジできるのでは?
との気持ちもありました。
#■勉強方法と活用した教材
勉強方法と活用した教材は以下の通りとなります。
約1か月間勉強しました。
毎日平日は2時間前後は勉強し、土日は可能な時は8時間くらい勉強しました。
仕事がテレワークできることが多くなり、出勤や移動時間が無くなった分、
家で勉強できる時間が増えたことが大きなメリットになりました。
教材名 | 区分 | 勉強方法 |
---|---|---|
G検定(公式) | Web(無料) | まずは公式サイトで試験内容を確認しました。 |
マンガでわかる! 人工知能 AIは人間に何をもたらすのか | Kindle | とてもシンプルに記載されているので、AIに興味を持つには良い本でした。すぐに読み終わります。 |
人工知能は人間を超えるか | Kindle | 公式で推薦図書扱いになっています。確かに書籍としては面白かったです。上記の漫画版同様、AIに対する興味を掻き立て、モチベーションを上げるには良い書籍だと思います。 |
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト | 紙媒体 | 公式テキストです。これがメインで基礎を勉強しました。まずは解らないところがあっても1周目は読み切り、2周目の際に、用語を調べながら自分用の用語集を作って整理していきました。公式テキストだけでは解らないところが多々あり、色々なWebページをググりまくって、調べまくって知識を習得していきました。自分の理解の助けになったサイトはURLを記録して、何度も見直しました。 |
AI技術をぱっと理解する(基礎編) | Web(無料) | 公式テキストを読んだあと、内容が理解できていない私が本当に助けられたサイトです。本当に取っ掛りの部分を解りやすく説明してくれていて、理解することができました。 |
導関数の公式と求め方がひと目でわかる! | Web(無料) | 微分なんて数十年やっていない・・・という状況の私が微分を思い出せたのは、このサイトのお陰です。 |
偏微分とは何か? | Web(無料) | 偏微分に至っては習ったことがあるかすら思い出せない、といった状況の私が偏微分できるようになったのは、このサイトのお陰です。 |
AINOW | Web(無料) | 時事ネタも出る、とのことでしたので、このサイトでニュースを見るように心がけました。 |
徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集 | 紙媒体 | 通称黒本ですが、この問題集を徹底的に実施しました。公式テキストには登場しない用語も多々登場する為、それをまた用語集に記載して、調べる、を繰り返しました。この問題集は当日朝にも復習しましたが、正解率は98%くらいで、同じような問題が出た場合、ほぼ完ぺきに回答できる状態となりました。 |
Stady-AI模擬テスト | Web(無料) | 240問の問題が無料で実施できます。こちらも何度か実施して、最終的には95%以上は確実に取得できる状態となりました。公式テストや模擬問題集に出ていない問題が多く出題されるため、また用語を調べて理解する、を繰り返しました。 |
自前用語集 | Web(無料) | 上記に記載した通り自前用語集を作成しました。G検定は試験中にネットで調べることが認められているので、可能な限り用語を1つの用語集に纏めておいて、当日検索で乗り切る作戦を立てました。もちろん、用語集をまとめる過程で、色々なサイトを調べたりしており、この作業が自分のAI知識を高めることになったと思います。 |
計算ツール | Excel | G検定の問題集に掲載されていた色々な計算問題をEXCELの関数を使ってツール化して、入力値を入力すれば、答えが自動的に計算される形としました。 |
#■受験(2020年7月4日)
ポイント | 内容 |
---|---|
試験会場 | Webからの受験となります。 |
問題数 | 200問 |
試験時間 | 120分 |
所感 | めちゃくちゃ難しくて、多分6~7割くらいしかできていない感じでした。まず、「公式テキスト(通称:白本)」から出題されるのは全体3割程度です。ただし、こちらは基礎知識をつける為の本なので、その前提では意味があります。 そして「徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集(通称:黒本)」ですが、この本からはほとんど出題されません。書籍代が勿体ないこともありますが、それより何より試験に関係のない事を勉強した「時間」こそが勿体ないところです。公式テキストに載っていない用語などを身に着けるという意味では意味があるのかもしれないですが、それに時間を割くなら「Stady-AI模擬テスト」に出てくる用語を抑えた方がよい、というのが私の見解です。 そして、「Stady-AI模擬テスト」ですが、ここからは近い問題がでるので、実施する意味はあると感じました。問題に出てくるキーワードなどもしっかり調べて意味を理解しておくと、良いと思います。 G検定のHPに記載されているシラバスの範囲からは出題されていますが、網羅的に出題されるわけではなく、非常に偏った出題とななります。詳しくは記載できませんが、例えば法律の問題が数十問出てくるのですが、逆に人名問題などはほとんど出てきません。人命や歴史を真面目に覚えていくと、痛い目にあいます。 自前の用語集は訳には立ちましたが、用語問題が少なかったため、思ったほどの効果が発揮できませんでした。また、計算ツールは全く役に立ちませんでした。 法律問題などは文書が非常に長く、まともに読んでいると時間がなくなります。まずは全問実施することを優先すべきで、長文に関しては後回しにしたほうがよいかと思います。問題数は200問ですが、そういう問題が多かったため、200問が終わった段階で15分しか残っておらず、ほとんど見直しすることができませんでした。用語も新しい用語が多々でてきており、ググっても検索にヒットしない言葉が多く、苦戦しました。 感覚的には、テキストに載っている文章やキーワードがそのまま出てくるのではなく、本質的な仕組みについての問題が多かったように思います。なので、表面的な知識だけだと玉砕してしまうイメージです。私は用語集を纏めるにあたって、それぞれの機能について色々と調べて整理していたのですが、その過程での勉強が一番役になったイメージです。 ただし、試験を受けたあとは、これは受からないだろうなぁ、と思いました。その後、Twitterをで見てみると、公式テキストや模擬問題集から全くでない、全然できなかった!という声が多数あり、検索ワードの1位になるほど炎上していました。私だけではなく、皆が感じていたのだと、ちょっとだけ安心しました。 |
#■結果(合格)(2020年7月16日メール連絡)
ポイント | 内容 |
---|---|
結果通知 | 結果通知は7月13日~17日に実施されるとのことでした。前回が木曜日だったとのこともあり、今回も木曜日かと予想していましたが、案の定、木曜日の7月16日に通知が届きました。 ==================== 【合 格】 ==================== 総受験者数 12,552名 合格者数 8,656名(69%) 不合格者数 3,896名(31%) ※得点および合格ラインは開示しておりません。あらかじめご承知おきください。 落ちたかと思っていましたが、なんとか合格していました。この試験は毎回合格率70%前後ですので、多分点数ではなく、受験者の7割を合格にするのが合否基準なのだと思います。あれだけ解けなくて合格するのは、ある意味信じられませんでした。公式テキストからも3割くらいしか問題がでませんが、その3割を確実に取る勉強は必要なのだと思います。その上で各用語の意味等を自分なりに納得できるところまで調べつくし、更に2~3割点数を上澄みすることが点数の秘訣だと思います。 |
#■受験時の心構え
G検定の試験を受験する際には、以下の心構えが大事だと感じました。
次回の試験時はまた問題ががらっと変わると思いますが、心構えだけは変わらないかと思います。
##本質的な意味を理解せよ!
問題集をやるより、機械学習のキーワードについて本質的な意味を理解する努力をしたほうがよいと思います。
公式テキストや問題集で解らない言葉の意味を検索して、その本質的な意味を理解していく地道な作業が
実力の底上げにつながります。
問題集を解いて10割正解を目指すより、そちらに力を入れた方が間違いなくよいです。
##解らない問題が出題されても焦ることなかれ!
公式テキストにも問題集にも記載されていない問題を唐突に100問くらい出してくるのがG検定です。
でも、安心してください。他の人も解けていないです。
ですので、解らない、とパニックになることなく、淡々と解ける問題を解きましょう!
##全問解くことを優先せよ!
訳の分からない問題に時間を取られて全問解くことができなくなるのが一番もったいないです。
最後の方に簡単な問題が固まっている場合もあります。
とにかく時間をコントロールして、全問回答することを優先しましょう!
書いたら、当たるかもしれませんが、未回答は点数になりません。
##試験が終わったらTwitterを見よ!
とにかくTwitterで「G検定」と入力して検索しましょう。
「公式テキストに載ってない問題がでた!どうやって解けっていうんだよ!」
「まじ、勉強した時間が無駄だわ。G検定のGはGoogleのGだわ」
「テキスト代返せ!」
と、阿鼻叫喚状況となっています。
ようは皆できていないってことが解ります。
そして、この試験は点数で足切りするのではなく、
受験者の7割が合格できる試験であることを思い出してください。
なんとなく、心が落ち着きます。
##試験結果は木曜日に来ると想定せよ!
試験の2週間後の1週間が試験結果の通知期間になります。
五月雨でメールを送る訳でもなく、木曜日に一斉送信されているようで、
ここ2回の試験はその傾向にあります。
その為、木曜日までは無駄なことを考えるのはやめましょう!
それでも「もしかして、自分だけ届いていないんじゃ…」と不安になる人は、
Twitterで「G検定」と検索してください。
誰も合否結果が来ていないことが分かって安心できます。
#■G検定を受けてみてよかったこと&悪かったこと
G検定の試験勉強を通じてAIの基礎を学べたことが非常に自分にとってプラスになりました。
この試験を受けたことにより基礎的なAI関連の言葉をある程度マスターできたため、
挑戦したかったAWS機械学習の専門試験へのチャレンジもできそうです。
また、E検定にも関心があり、可能であれば受験してみようと思いました。
この様にAIの基礎を身に着けることで、色々な可能性が広がることが、
この試験にチャレンジするメリットだと思います。
悪かったことは、試験勉強のほとんど関係がない問題が出題されるG検定試験。
せっかく勉強したのに出題されないのは、なかなかキツイです。
点数も公表されないので受かっても、受からなくても、
何故そうなったかの納得感が感じられません。
ある程度試験の内容が定着し、合格点の基準ができて、
皆が納得できるような試験になってくれることを期待しています。
今後受験される方も、色々と戸惑うと思いますが、頑張ってください!