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Nuxt3でjavascript-obfuscationを使う方法

Last updated at Posted at 2023-10-24

めちゃくちゃ沼った上に、解決方法がかなり複雑なので備忘録も兼ねて書いておきます。

tl;dr

npm i git+https://github.com/ajiken4610/vite-plugin-javascript-obfuscator
replacer.js
export default (matched) => {
  return {
    name: "vite-plugin-replace-resolve-component",
    transform(src, id) {
      let ret = src;
      ret = ret.replaceAll(
        /(?<!function )(_?resolveComponent)\(["']([^\)]+?)["']\)/g,
        (_, resolve, name) => {
          const ret = `__${resolve}${name}`;
          matched.indexOf(ret) === -1 && matched.push(ret);
          return `"${ret}"`;
        },
      );
      return {
        code: ret,
        map: null,
      };
    },
  };
};
surrounder.js
export default () => {
  return {
    name: "vite-plugin-surround-resolve-component",
    transform(src) {
      let ret = src;
      ret = ret.replaceAll(
        /["']__(_?resolveComponent)([^"']+)["']/g,
        (_, resolve, name) => `(${resolve}("${name}"))`,
      );
      return {
        code: ret,
        map: null,
      };
    },
  };
};

nuxt.config.ts
const reservedStrings: string[] = []
...
vite: {
      plugins: [
        replacer(reservedStrings),
        obfuscator({
          options: {
            optionsPreset: "high-obfuscation",
            reservedStrings,
          },
          apply: "build",
        }),
        surrounder(),
      ],

注:build.minify === false && selfDefending === trueだと、ブラウザがフリーズします。

何をしているか

やっていることは意外と単純で、

  1. resolveComponent("ComponentName")"__resolveComponentComponentName"という文字列に置換する
  2. obfuscatorに、"__resolveComponentComponentName"以外をobfuscateしてもらう。
  3. "__resolveComponentComponentName"(resolveComponent("ComponentName"))に置換し戻す。

をしています。

経緯

ちょっと難読化してみたかっただけだけど、思ってた以上にここにたどり着くまでが長かった。

この処理をしないとどうなるか

レンダリングすると、以下のようになります。

<div id="__nuxt">
  <nuxtpage></nuxtpage>
</div>

私は、これを見ててっきりNuxtPageがTree-shakeされてしまったんだと思っていました。

実際、この状態のソースコードにはNuxtPageのものが含まれません。

そこで、私は、明示的にNuxt関係のコンポーネントをビルドに含めてみたりいろいろしてたのですが、23時間パソコンとぶっ通しでにらめっこしてようやく発見しました。

このソースを見てもらえばわかるのですが、Nuxt3は正規表現に一致したresolveComponent関数を見つけて、それに関するものをimportするという形式をとっているようです。

この正規表現がミソでした。

見るとわかりますが、(resolveComponent("SomeComponent"))というように、resolveComponent自体が()でくくられていないと機能しません。これはソース見ないとわからないよね。

ということで、原因はresolveComponent()が別の構文に変換されてしまうと、Nuxt3はそれを追跡できないから、でした。

では、tl;drに書いたことについてそれぞれ説明していきます。

git+https://github.com/ajiken4610/vite-plugin-javascript-obfuscator

このレポは https://github.com/elmeet/vite-plugin-javascript-obfuscator からforkしたものです。

  • javascript-obfuscatorのバージョンをlatestに
  • vite plugin の enforce:"post"の削除

以上の2点を変更しています。

重要なのは2つ目で、enforce:"post"が指定されていると、その前後にほかのプラグインを挟むのが難しくなります。なので、削除する必要がありました。

replacer.js

見やすいように、コメントを付けたものをもう一度貼っておきます。

replacer.js
export default (matched) => {
  return {
    name: "vite-plugin-replace-resolve-component",
    transform(src, id) {
      // 引数をそのまま変更するのは嫌だったので、変数に移す。
      let ret = src;
      ret = ret.replaceAll(
        // この正規表現については後述
        /(?<!function )(_?resolveComponent)\(["']([^\)]+?)["']\)/g,
        (_, resolve, name) => {
          // ___?resolveComponentSomeComponentNameに置換。
          const ret = `__${resolve}${name}`;
          // obfuscatorに無視してもらうために、配列に追加
          matched.indexOf(ret) === -1 && matched.push(ret);
          // 文字列として置換するために、二重引用符を付ける。
          return `"${ret}"`;
        },
      );
      return {
        code: ret,
        map: null,
      };
    },
  };
};

引数matched

どうにかしてobfuscatorに見つかったコンポーネントを置換した文字列を無視してもらう必要があります。
なので、matchedというstring[]を引数にとり、それをポインタとして使うことで、解決しました。

正規表現

前述のNuxt3のresolveComponentを見つける正規表現を見ると、_resolveComponentのように、前に_がついている場合があるようです。それはそのまま戻さなくてはならないので、

  • resolveComponent("SomeName")なら"__resolveComponentSomeName"に、
  • _resolveComponent("SomeName")なら"___resolveComponentSomeName"というように、

前につけるアンダーバーの数で区別するようにしています。

この説明の後にこれを見ると、(?<!function )がついているのがわかります。

ret.replaceAll(/(?<!function )(_?resolveComponent)\(["']([^\)]+?)["']\)/g,...)

なぜこんなものがついているかというと、ソースコード中のresolveComponentの定義部分は置換する必要がない、というより置換してしまってはエラーになるからです。

どういうことかは以下を見てもらえばわかります。

正しい例

_resolveComponent("NuxtLink")

が、以下に置換される

"___resolveComponentNuxtLink"

おかしい例

function _resolveComponent("NuxtLink"){ ... }

が、以下に置換される

function "___resolveComponentNuxtLink"{ ... }

...?

あれれ、おかしい例はもともと文法的にあり得なかった。

関数定義時って引数を二重引用符でくくらないですよね。

(?<!function )無しでも問題ないかもしれませんが、試してません。動いてればそれでいいのだ。

何はともあれ、これで文字列に置換することができました。

nuxt.config.ts

あとはこれをobfuscatorの引数に渡してやります。

nuxt.config.ts
const reservedStrings: string[] = []
...
vite: {
      plugins: [
        replacer(reservedStrings),
        obfuscator({
          options: {
            optionsPreset: "high-obfuscation",
            reservedStrings,
          },
          apply: "build",
        }),
        surrounder(),
      ],

これに関しては説明することは無いです。reservedStringsを定義して、それをreplacerobfuscatorに渡しているだけですので。

surrounder.js

コメントを付けたものを再掲。

surrounder.js
export default () => {
  return {
    name: "vite-plugin-surround-resolve-component",
    transform(src) {
      // 引数に代入するのは以下略
      let ret = src;
      ret = ret.replaceAll(
        // 後述
        /["']__(_?resolveComponent)([^"']+)["']/g,
        // ___?resolveComponentSomeComponentNameを
        // (_?resolveComponent("SomeComponentname"))にしているだけです。
        // 先に書いた、Nuxt3の実装では、これがかっこでくくられていないと置換してくれません。
        (_, resolve, name) => `(${resolve}("${name}"))`,
      );
      return {
        code: ret,
        map: null,
      };
    },
  };
};

正規表現

ret.replaceAll(/["']__(_?resolveComponent)([^"']+)["']/g,...)

ポイントは以下の通りです。

  • ["']: obfuscatorは二重引用符にするか一重にするか不明だったので、どちらにもマッチするようにしています。
  • _?: アンダーバーの数を見ています。2個ならresolveComponentになるし、3個なら_resolveComponentになります。

___resolveComponentComponentName(_resolveComponent("ComponentName"))に置換しているだけです。

まとめ

resolveComponentが別の構文に変換されないように、以下の手順が必要

  1. _?resolveComponent(...)を元に戻せる文字列に置換する
  2. obfuscatorにその文字列以外をobfuscateしてもらう
  3. 置換した文字列を、(_?resolveComponent("..."))に戻す

この手順でコンポーネントが無事resolveされました。

参考までに。

追記

javascript-obfuscatiorはimport.meta.XXXを置換できないようなので、hot-module-replacementを使うとimport.meta.hotにアクセスしようとしておかしくなります。dev時にはobfuscatorをオフにしてください。

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