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「認識齟齬」を減らすためにやっていること

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はじめに

仕事をしていると、「言った・言わない」や「そういう意味だと思っていなかった」という認識齟齬が起きることがあります。

例えば、以下のような場面です。

・依頼された内容と、実際に対応した内容がズレていた
・口頭で合意したつもりだったが、相手の認識と違っていた
・期限の認識がズレていた
・対象範囲・対象外範囲の認識が違っていた
・確認してほしいポイントが伝わっていなかった
・「あとで対応」の優先度が人によって違っていた

認識齟齬は、単なるコミュニケーションミスで終わらず、手戻りやリリース漏れ、スケジュール遅延につながることがあります。

この記事では、仕事で認識齟齬を減らすために、自分が意識していることをまとめます。

対象は以下のような方です。

・依頼や相談の認識ズレを減らしたい方
・口頭で決めた内容が後からズレることがある方
・確認依頼や報告の文章を改善したい方
・手戻りを減らして仕事を進めたい方

1. 口頭で決まったことほど、文章に残す

認識齟齬が起きやすいのは、口頭で話した内容をそのままにしてしまうときです。

口頭の会話はスピード感がありますが、あとから見返せません。

そのため、会話した直後は分かったつもりでも、時間が経つと細かい部分が曖昧になります。

・何を対応することになったのか
・誰が対応するのか
・いつまでに対応するのか
・対象範囲はどこまでか
・今回は対応しないことは何か

こうした内容は、口頭で決まったあとに文章で残すようにしています。

例えば、打ち合わせやチャット後に以下のように送ります。

先ほどの内容、念のため認識合わせです。

・〇〇は今回対応する
・△△は今回は対象外
・□□は次回対応予定
・確認は本日中、対応は明日中を目安に進める

上記認識で進めます。

ポイントは、「議事録のようにきれいに書くこと」ではなく、あとから見返したときに認識がズレない状態にすることです。


2. 「対象」と「対象外」をセットで書く

仕事の依頼や相談では、「何をやるか」だけでなく、「何をやらないか」も大事です。

対応対象だけを書いていると、相手は対象外の範囲も含まれていると解釈することがあります。

例えば、以下のような依頼です。

ユーザー情報画面の項目を修正します。

これだけだと、どの画面・どの利用者・どのデータ区分まで含むのかが曖昧です。

少し整理すると、こうなります。

今回の対応対象は以下です。

対象:
・ユーザー情報の詳細画面
・申請者向けの入力項目
・〇〇区分のレコード

対象外:
・一覧画面
・帳票出力
・管理者向けの内部項目
・既存データの一括更新

「対象外」を明記すると、相手が勝手に期待していた範囲とのズレに気づきやすくなります。

特に、影響範囲が広い作業では、対象外を書くことで手戻りを減らしやすくなります。


3. あいまいな言葉は具体化する

認識齟齬は、あいまいな言葉から起きることが多いです。

例えば、以下のような言葉です。

・早めに
・後ほど
・いい感じに
・必要に応じて
・できるだけ
・一旦
・問題なさそう
・確認済み

これらの言葉は便利ですが、人によって解釈が変わります。

例えば、「早めに」は、人によって以下のように違います。

・今日中
・明日の午前中
・今週中
・手が空いたら

そのため、できるだけ具体的な表現に置き換えるようにしています。

早めに確認します
↓
本日17時までに確認します
後ほど対応します
↓
明日の午前中に対応します
問題なさそうです
↓
〇〇のケースでは問題ないことを確認済みです。
ただし、△△のケースは未確認です。

特に「確認済み」は要注意です。

何を確認したのかが曖昧だと、相手は広く確認済みだと思ってしまうことがあります。

確認済みです

ではなく、

以下は確認済みです。

・A画面で保存できること
・Bユーザーで表示できること
・既存データ1件でエラーにならないこと

一方で、権限差分があるユーザーでは未確認です。

のように、確認した範囲を明確にした方が安全です。


4. 前提条件を書く

同じ結論でも、前提条件が違うと判断が変わることがあります。

例えば、

この対応で問題ありません。

とだけ書くと、どの前提で問題ないのかが分かりません。

以下のように、前提を添えると誤解が減ります。

既存データを一括更新しない前提であれば、この対応で問題ない認識です。
対象が〇〇区分のデータのみであれば、現在の修正範囲で問題ありません。
対応後に管理者のみが利用する前提であれば、権限設定の追加は不要と考えています。

前提条件を書くことで、相手も

その前提で合っている
その前提は違う
このケースも含めて考えてほしい

と判断しやすくなります。

認識齟齬を減らすには、結論だけでなく、「その結論が成り立つ条件」も共有することが大事です。


5. 相手に確認してほしいポイントを明確にする

確認依頼をするときに、

ご確認お願いします。

だけで送ると、相手は何を確認すればよいか分かりづらいです。

例えば、資料を確認してほしいのか、方針を確認してほしいのか、誤字だけ見てほしいのか、判断してほしいのかで見る観点が変わります。

そのため、確認依頼では、見てほしいポイントを明確にするようにしています。

以下2点について確認いただきたいです。

・対応方針として問題ないか
・対象外としている〇〇も今回含める必要があるか
文言の自然さではなく、仕様として誤りがないかを見ていただきたいです。
対応方針はこのまま進める想定です。
特に、既存運用への影響がないかを確認いただきたいです。

確認してほしいポイントを明確にすると、相手のレビューや確認の精度が上がります。

また、自分が何を判断してほしいのかも整理できます。


6. 期限と次のアクションを書く

認識齟齬は、内容だけでなく、スケジュールでも起きます。

例えば、

確認お願いします。

だけだと、相手はいつまでに確認すればよいか分かりません。

急ぎなのか、今週中でよいのか、次の作業判断に関わるのかで優先度は変わります。

そのため、期限がある場合は必ず書くようにしています。

明日10時の判断に使いたいため、本日17時までに確認いただきたいです。
急ぎではないため、今週中にご確認いただければ問題ありません。
本日中に方針だけ決めたいです。詳細対応は明日以降で問題ありません。

また、確認後に何をするのかも書いておくと、相手が判断しやすくなります。

問題なければ、この方針で作業を進めます。
認識に相違がなければ、次工程に進めます。
ご確認後、必要であれば修正して再度共有します。

期限と次のアクションを書くことで、相手は「いつまでに何を返せばよいか」が分かります。


7. 「自分の認識」をあえて書く

確認するときに、単に質問だけを投げるより、自分の認識を添えると認識合わせがしやすくなります。

例えば、以下のような聞き方です。

これはどうなりますか?

よりも、

自分の認識では、〇〇の場合は△△になると思っています。
この認識で合っていますでしょうか?

の方が、相手は答えやすくなります。

自分の認識を書くメリットは、認識のズレが見えやすくなることです。

認識が合っている場合:
その認識で問題ありません。

認識が違っている場合:
そこは〇〇ではなく、△△です。

という形で、相手も修正しやすくなります。

「間違っていたら恥ずかしい」と思うこともありますが、認識がズレたまま進める方がリスクは大きいです。

間違っていてもよいので、まず自分の理解を出すことが大事です。


8. 決定事項と未決事項を分ける

会話やチャットの中では、決まったことと、まだ決まっていないことが混ざりやすいです。

これを分けずに進めると、

あれは決定事項だと思っていた
まだ相談中のつもりだった

というズレが起きます。

そのため、複数の論点がある場合は、決定事項と未決事項を分けて書くようにしています。

現時点の整理です。

決定事項:
・A案で進める
・対象は〇〇のみ
・対応は今週金曜までに完了予定

未決事項:
・既存データを一括更新するか
・通知文言を変更するか
・権限設定を追加するか

未決事項には、次に誰が何をするかも書くとより分かりやすいです。

未決事項:
・既存データを一括更新するか
 → 〇〇さんに運用影響を確認後、明日中に判断

決定事項と未決事項を分けることで、チーム全体の認識がそろいやすくなります。


9. 「念のため確認」を悪いものと思わない

認識齟齬を減らすうえで、「念のため確認」はかなり大事です。

もちろん、何でもかんでも確認しすぎると仕事が進みにくくなります。

ただ、以下のような場面では、確認した方が安全です。

・影響範囲が広い
・後から修正しづらい
・利用者に影響する
・金額や請求に関わる
・権限や個人情報に関わる
・自分の解釈に少しでも不安がある

このような場合は、多少手間でも認識合わせをした方がよいです。

念のため確認です。
今回の対象は〇〇のみで、△△は対象外という認識で合っていますでしょうか?
影響が大きいため、念のため確認させてください。
今回、既存データの更新は行わない認識で合っていますでしょうか?

「多分こうだろう」で進めるより、「念のため確認」でズレを潰した方が、結果的に早いことがあります。


10. 長く書くより、判断しやすく書く

認識齟齬を減らそうとすると、つい長文で説明したくなることがあります。

もちろん、背景説明が必要な場面もあります。

ただ、大事なのは長く書くことではありません。

相手が判断しやすい形で書くことです。

意識しているのは、以下です。

・結論を先に書く
・背景は必要な分だけ書く
・箇条書きを使う
・対象/対象外を分ける
・確認してほしいことを明確にする
・期限を書く

例えば、以下のように整理します。

結論:
今回はA案で進めたいです。

理由:
・既存運用への影響が少ないため
・修正範囲を限定できるため

確認したいこと:
・A案で進めて問題ないか
・対象外としている〇〇も今回含める必要があるか

期限:
本日17時までに方針を決めたいです。

このように書くと、相手はどこを見ればよいか分かりやすくなります。

認識齟齬を減らす文章は、丁寧な文章というより、判断しやすい文章だと思います。


まとめ

認識齟齬は、仕事をしているとどうしても起きます。

ただ、少し書き方や確認の仕方を変えるだけで、減らせるズレも多いです。

自分が意識しているのは、以下です。

・口頭で決まったことほど、文章に残す
・対象と対象外をセットで書く
・あいまいな言葉を具体化する
・前提条件を書く
・相手に確認してほしいポイントを明確にする
・期限と次のアクションを書く
・自分の認識をあえて書く
・決定事項と未決事項を分ける
・念のため確認を悪いものと思わない
・長く書くより、判断しやすく書く

認識齟齬を完全になくすことは難しいです。

ただ、相手の頭の中と自分の頭の中をできるだけ近づける努力はできます。

そのためには、ただ「伝える」のではなく、相手が同じ認識を持てるように書くことが大事だと思います。

小さな認識合わせを積み重ねることで、手戻りや不要な確認が減り、結果的に仕事も進めやすくなるかと思います。

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