IBM i のストレージはASPとよばれる仮想ストレージボリューム単位で管理されます。ASPは一言で言うと、IBM i OSが管理するLUNと思えば大筋あってます。
ASP:補助記憶域プール(Auxiliary Storage Pool) の略です。
ASPの種類は3つ
ASPは3つの種類があります。
システムASP、基本ユーザーASPはIBM i OS IPL時に必須のボリューム
IASPはIBM i OS IPL時に必須ではない(IBM i 起動中にオフ・オン(接続・切断)ができる)
システムASP(ASP1)
ロードーソース(ブートドライブ)とその他のOS基本部分は必ずシステムASPにインストールされます。
システムASPはASP1とよばれることもあります。
※上図ではロードソース以外のシステムASPのディスクをASP1と表現していますが、ロードソース含むシステムASP全般をASP1と呼ぶことも多いと思います。
基本ユーザーASP (ASP2~ASP32)
または単にユーザーASPとよばれることも多いと思います。(理由はIASPは途中から登場した追加機能だからです。ユーザーASPはOS/400 V1の初版から存在する機能です。)
基本ユーザーASPはASP2~ASP32の番号が振られます。(1つのIBM i OSで最大31個の基本ユーザーASPが割当可能という事です。)
基本ユーザーASPのユースケースとして、ASP1にOS、M/W、業務アプリ、データベース(テーブルほか)をインストールし、ASP2~にジャーナル(データベースログ)を分離して格納する事が多いです。
理由はストレージパフォーマンス最適化があります。かつてはジャーナル用ASP2には低速で容量単価の安いストレージで構成することもよく行われました。近年ですとNVMeで劇的に性能・MB単価が改善しているのでこのような例は少なくなっているはずと思います。)
以上2つがIBM i OS起動時必須のストレージとなります。
*システムASPと基本ユーザーASPを合わせて、*SYSBASと表現することもあります。
独立ASP(iASP) (iASP33~iASP255)
iASP:独立ASP(Independent Auxiliary Storage Pool) の略です。
IASPが登場した背景はHA/DR構成を作成する際、複数のIBM i (Powerサーバーハードウェア)間でIASPディスクグループを切替接続したい、という要件の為です。
したがって IASPはIBM i OSブート時の必須ストレージではありません。IBM i OS起動時(起動後)に随時オフ・オンできるストレージボリュームになります。
※IASPはIBM公式マニュアル系でもiASPと表記していることもありますね、どちらでも同じです。以前はiASPと表記が多かった記憶がありますが、最近の記載はIASPと大文字が多いようです。