その1の続きです。
Chapter.2 New Features
このチャプターではIBM i 7.6 の機能強化と新機能の一部についてサマリーしています。p.10のイントロページを一部略して掲載します。
「IBM i は、現在入手可能なオペレーティング システムの中で最もセキュアなシステムの 1 つであり、IBM i 7.6 で提供される新しいセキュリティー機能は、追加の認証制御と暗号化サポートを提供することで、システムを攻撃からさらにセキュアにします。」という前置きがあります。
さらに、IBM i 7.6 は、Ansible の自動化サポートを含む強化された管理機能をサポートしており、データセンター内で増加する IBM i 環境の管理と監視を容易にします。
IBM i 7.6 は「AI Ready」でもあり、既存のデータからより多くの洞察を提供するための新しい AI 機能をサポートする組み込み機能を備えています。」
Chapter.2で取り上げる新機能
ハードウェアおよびソフトウェアのサポート
IBM i における自動化
AI対応および統合
システム管理
補助記憶域プール (ASP) 1 の暗号化
2.1 IBM i 7.6がサポートするハードウェアとソフトウェア
Power10・Power11プロセッサー搭載のハードウェア
システム・ファームウェア・レベル FW1060 以降
上図も掲載されていました。
別な話ですが、Power S1012だけ、IBM i 7.3をサポートしないというのもポイントかもしれません。(恐らくはIBM i 7.3標準サポート終了期間後に発表されたH/Wだからではないかと思います)
IBM i 7.6に同梱されるOSオプション機能とライセンス・プログラム
以下のOSオプション機能とライセンス・プログラムはOS同梱なので別途オーダーは不要
Media & Storage Extension – Option 18
Db2 Symmetric Multiprocessing – Option 26
Db2 Multisystem – Option 27
PSF 1-55 IPM Support – Option 36
PSF 1-100 IPM Support – Option 37
PSF AnySpeed – Option 38
HA Switchable Resource – Option 41
HA Journal Performance – Option 42
IBM DBCS Printer Support for i (5761-AP1)
IBM Administration Runtime Expert (5733-ARE)
IBM AFP Font Collection (5733-B45)
IBM HTTP Server for i (5770-DG1)
IBM InfoPrint Server for i (5722-IP1)
IBM AFP DBCS Fonts (5769-FN1)
IBM AFP Fonts (5769-FNT)
IBM Developer Kit for Java (5770-JV1)
IBM Advanced Job Scheduler for i (5770-JS1)
IBM Network Authentication Enablement for i (5770-NAE)
IBM OmniFind Text Search Server for DB2 for i (5733-OMF)
IBM Performance Tools for i (5770-PT1)
IBM Query for i (5770-QU1).
IBM Db2 Query Mgr & SQL Dev Kit for i (5770-ST1)
IBM TCP/IP Connectivity Utilities for i (5770-TC1)
IBM Transform Services for i (5770-TS1)
IBM i Access Family (5770-XW1)
IBM i 7.6以降で提供されなくなったライセンス・プログラム
以下のライセンスプログラムは7.6では提供されません。
IBM Rational® Application Management Toolset for i (5770-AMT)
IBM Backup, Recovery and Media Services (BRMS) for i (5770-BR1)
Communications Utilities for System i (5761-CM1)
IBM System/38 Utilities for i (5761-DB1)
IBM CICS® Transaction Server for i (5770-DFH)
IBM Business Graphics Utility for i (5761-DS2)
IBM Facsimile Support for i (5798-FAX)
IBM Universal Manageability Enablement for i (5770-UME)
IBM Web Enablement for i5/OS (5722-WE2)
IBM i Access for Web (5770-XH2)
IBM XML Toolkit for i (5733-XT2)
BRMS(5770-BR1)は後継の5770-BR2を別途注文する事で利用可能。(基本機能はBR1と同一、BR1のオプションフィーチャーもBR2に含まれます)
使用頻度の比較的多いそうなものをコメントすると5722-WE2は新しいWASバージョンに対応したWE3が利用可能、5733-XT2 XML ToolkitはOS標準機能で提供になっていたと思います。
CICSやFAXなどは現在となってはあまり多くないかもしれませんが、S/38ユーティリティ―はまだ結構な利用数があるかもしれませんので、移行プランをかんがえたほうがよさそうです。
2.2 オートメーション on IBM i : AnsibleとAdministration Runtime Expert for i
従来IBM i の運用管理、ジョブスケジューリングはCLP、OS標準ジョブスケジューラーその他で実行されてきました。これらは多機能で完成されているが昨今の企業のインフラ全般を統合管理・運用したいというニーズ、DevOpsなどに対応するために、Ansibleをはじめとしたオートメーションに対応する拡張を行っています。
また、アプリケーション配布・管理等の自動化のためにIBM Administration Runtime Expert for i (ARE) 5733-ARE ライセンスプログラムが提供されます。
また5733-AREは現在Navigator for iに統合中で、将来は独立したライセンスプログラムとしては提供されなくなる計画が記載されています。
パッと読んだところアプリケーション実行環境のログを収集して分析できるもの、のように思いました。(後ほど確認(^^;)
IBM Administration Runtime Expert for i (ARE) の説明
このインターフェースにより、アプリケーション、そのランタイム環境、およびそれが実行される IBM i システムに関するカスタマイズされた情報セットの収集と検証が容易になります。
ユーザーは、さまざまな情報、システム設定、および属性を収集できます。
収集された情報は、「テンプレート」と呼ばれるものに組み込まれます。テンプレートが作成されると、そのテンプレートが作成されたシステム、または他の IBM i システム上で、アプリケーションとその環境を検証するために使用できます。システムはテンプレートに保存された情報に対して検証され、結果は一連のレポートに文書化されます。これらのレポートでは、何が変更されたか、何が異なっていたかが明確かつ簡潔に示されます。
このインターフェースと手法の優れた点は、アプリケーションのナレッジベースを構築・維持し、システムの自動検証に活用できることです。アプリケーションやシステムの動作不良の原因が明らかになれば、テンプレートを簡単に更新して新しい情報や設定を追加できます。AREは、必要な項目をすべてチェックし、自動的に修正を提供するカスタムプラグインの作成機能もサポートしています。
以上2つの詳細は別章で確認してみます。