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【要約】デザイン科学概論 -多空間デザインモデルの理論と実践- 3章「 創発デザインと最適デザイン」

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これはデザイン科学を読んだ時の備忘録として書いたものです。
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創発デザイン

創発とは

創発とは「実的に振る舞う要素」の間で局所的な相互作用が全体の秩序となり他の「実的に振る舞う要素」を拘束することによって新しい機能や形質または行動を獲得することです。*1

創発の特徴として一部要素の特徴が全体に現れるボトムアップと 全体に現れた特徴が他の要素の振る舞いを拘束するトップダウンがあります。

デザイン行為を創発行為として捉える場合、デザイナーの経験、人間システム、自然の摂理、社会などの構成要素を注目して試行錯誤してデザイン案として全体を導出します。これは新しいアイディアを創出する役割を果たしていて、ボトムアップに該当します。

次にデザイン案を部分単位に分解して書く構成要素に最適化(デザイン案の適用と修正)をすることによって全体の完成度を上げます。これはトップダウンに該当します。

トップダウンとボトムアップを双方向に行き来することによって新しくかつ多様なデザイン案を生み出すことができます。
このトップダウンとボトムアップを持つデザイン手法でボトムアップが主となるデザイン手法を 創発デザイン(Emergent Design) と呼びます。

創発デザインの特徴

最もな特徴はトップダウンとボトムアップを双方向に行うところです。
既存のデザインの対象を観察してデザイン要素の関係性をい分析して、新しいデザイン案を作り出します。
また、トップダウンでは新しいデザイン案を目的や条件などと照らし合わせて構成要素を修正していきます。この際の修正目的や条件などとが明確であるかによって性質が変わっていきます。

デザイン過程がある程度進行している場合条件や目的がはっきりしているので、それらに合致するように最適化が行われます。
デザイン過程の初期では目的や条件などが設定が難しい場合が有ります。この場合は最適化ではなく満足化を行います。このときの修正は数学的な概念に寄る変k網ではなく一定の基準を設定し、その基準を満たすように修正されます。そのため最適性は保証できませんが、条件に拘束されることなくデザイン候補を出すことができます。

適用条件と適用可能な問題

創発デザインはボトムアップとトップダウンの双方向過程をたどりデザイン案の創出とその修正を行う。
目的や条件などとは明確でも不明確でも適用デッキるので上流過程で様々な系統から検討する大域的解探索問題(Global Solution Search Problem) や、多様なデザイン案が求められる 多様解導出問題(Diverse Solution Derivation Problem) への適用ができます。

最適デザイン

最適とデザイン

ここでの 最適 とはデザインの目標となる特性が適切な状態になることを差す。
最適デザインでは目標を表現する特性を目標特性 と呼びます。目標特性に関与する要素でデザイナーが変更できるものをデザイン変数 と呼び、その関係式を目的関数と呼びます。 また、それらに与える成約を制約関数 と呼びます。

たとえば軽い杖をデザインする場合は目標特性は杖の重さなります。杖の大きさと材料はデザイン変数になりその2つの関係が目的関数になります。また、使用するに問題ない剛性が制約関数となります。

最適デザインはデザイン問題を分析して目標特性とデザイン変数や目的関数を考え、唯一の最適デザイン解を導くデザイン手法です。

最適デザインの特徴

特徴として創発デザインと同様ボトムアップとトップダウンの双方向性をもっています。しかし、創発デザインと違う点としてトップダウンの方が主な役割を担います。

またこのようなトップダウン型の最適デザインは還元主義に基づいたデザインです。還元主義とは「複雑な物事は、それを構成する溶損分解し、それらの個別の要素を理解すれば元の複雑な物事全体位の性質や振る舞いすべてを理解できる」という考えで17世紀いにいデカルトが提唱したものです。

適用条件と適用可能な問題

適用するにはデザイン目標、目的関数や制約が全て明らかである必要があります。最適デザインは主にデザインの下流工程で使用されます。そのため、。局所的解探索問題 や唯一解を求める唯一解探索問題 で使用することが一般的です

*1 作中では次の論文を参照しているAn approach to the emergent design theory and applications | SpringerLinks

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