WiFiやBluetoothなど、無線機能を持ったマイコンモジュールを自作する場合、ベースとなるモジュールに技適がついていてほしいものです。実際に、ESP-WROOM-02などは商品自体に技適マークがついてますが、一部ついていないものも。そんな時どうすればいいのか調べてみました。
#今回の調査対象
今回調査したのは、深センのAi-Thinker Technology社が作っている「ESP-12F」という製品です。この商品は、基板製造を請け負ってくれるSeeedStudioのオープンライブラリにもある製品で、Seeedに発注して基板を作る場合に重宝する商品です。しかしこれは、見ての通り商品に技適マークがありません。
#技適が取れているかのチェック
技適がとれているかどうかは、総務省の電波利用ホームページから確認できます。
https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=jk01&NUM=&NAM=thinker&FOM=wifi&PC=&YAR_FROM=&MON_FROM=&DAY_FROM=&YAR_TO=&MON_TO=&DAY_TO=&RAD=00-00-00-00&TEC=1&TEC=2&TEC=3&TEC=4&TEC=5&TEC=6&TEC=7&SK=0&DC=0&SC=1&as_fid=567625e6482b664c4c26463f96780d1d6345986e#searchlist
こちらで確認したところ、2019年9月に「相互承認(MRA)による工事設計認証」が取得されていることがわかりました。したがって、技適は取得済みの製品になります。
#技適の表示方法
技適に表示方法について、こちらに記載があります。
http://www.jate.or.jp/jp/radio/about-r.shtml
- 工事設計認証の場合、適合表示は工事設計認証を受けた者(認証取扱業者)が製造後に付すことになります。
- 適合表示無線設備を組込んだ製品の取扱い業者は、製品に組込まれた適合表示無線設備に付されている表示と同一の表示を上記の方法により当該製品に付することができます。
- 適合表示の様式は特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の様式第7号により、適合マークに記号Rマーク(補助マーク)及び技術基準適合証明番号又は工事設計認証番号を付加したものとされています。
適合表示の表示方法については、以下のように書かれています。
- 無線設備の見やすい箇所に付す方法
- 体内に植え込まれた状態等で使用される特定無線設備、その他の当該表示を付すことが困難又は不合理である特定無線設備については、当該特定無線設備(取扱説明書及び包装又は容器を含む)の見やすい箇所
- 特定無線設備に電磁的方法により記録し、当該表示を特定の操作によつて当該特定無線設備の映像面に直ちに明瞭な状態で表示することができるようにする方法
- 特定無線設備に電磁的方法により記録し、当該表示を特定の操作によつて接続した製品の映像面に直ちに明瞭な状態で表示することができるようにする方法
つまり、製品本体に記載するか、例えば小さすぎて表示できない場合などは、取説やパッケージの見やすい箇所に貼る。またはディスプレイなどを持つ/接続できる機器の場合は、そこで表示できるようにすればよい、ということですね。
#念のため、総合通信局に聞いてみた
Q.技適が取得済みのマイコンのプログラムを書き換えて使っていいのか?
A.
電波の質に影響を与えないのであれば、認証を取り直す必要はないが、もとのモジュールから電波の質に影響がないかどうかは、メーカーに確認するなど、十分な確認をすること。
Q.技適が取得済みなのに表示されていないマイコンを使って基板を作ったらどうなるのか?
A.
技適マークは基本的に製品自体に表示をするのが大原則だが、モジュールが小さいなどで読み取れない場合は、取説や包装に表示する措置が認められている。既存モジュールを組み込んだ別製品を作る場合は、そうした措置をすれば問題ない。