はじめに
WindowsでPython環境構築（コマンドプロンプト / VS Code / Jupyterカーネル）
※初心者向
最近ありがたいことに教える機会がありましたその時のメモを整理してみました。
私もまだまだなので、つまずきやすいポイントも一緒に書きます。
やりたいことはこれ：
- Pythonを入れる
- プロジェクトごとに仮想環境（venv）を作る
- 必要なパッケージを入れる
- VS CodeやJupyterでその環境を使えるようにする
この記事はWindows 10/11想定。
なるべく個人情報（ユーザー名入りパス等）を出さない 書き方にしています。
1. Pythonを入れる（winget）
まずコマンドプロンプトを開いて、Pythonがすでに入ってるか確認します。
py --version
バージョンが表示されたらOK。入ってない場合は、例としてPython 3.12を入れます（3.13でもOK）。
winget install --id Python.Python.3.12 -e
2. 作業フォルダを作って移動する
プロジェクト用のフォルダを作って、その中で作業します。
mkdir "%USERPROFILE%\Desktop\my-project"
cd /d "%USERPROFILE%\Desktop\my-project"
cd /d は、ドライブが違っても移動できるおまじないです。
3. 仮想環境（venv）を作る
プロジェクトごとに仮想環境を作るのが大事です（後で環境が壊れにくい）。
py -m venv .venv
特定のPythonバージョンで作りたい場合（例：3.12）：
py -3.12 -m venv .venv
4. 仮想環境を有効化する（ここが最初の山場）
コマンドプロンプト（cmd）の場合
.venv\Scripts\activate.bat
うまくいくと、プロンプトの左側に (.venv) みたいな表示が付きます。
VS Codeのターミナル（PowerShellが多い）場合
.\.venv\Scripts\Activate.ps1
もし「スクリプト実行が禁止」系で怒られたら、そのターミナルだけ一時的に許可してからもう一回：
Set-ExecutionPolicy -Scope Process -ExecutionPolicy Bypass
.\.venv\Scripts\Activate.ps1
5. pip更新＆パッケージ導入
pipをまず更新：
python -m pip install --upgrade pip
例としてrequestsとnumpyを入れてみます：
pip install requests numpy
よくあるやつ：requirements.txtがある場合
GitHubとかでもらったプロジェクトで requirements.txtがあるなら、基本これで揃います。
pip install -r requirements.txt
依存関係は「必要な分だけ入れる」が大事。入れすぎると衝突して沼りやすいです。
6. 動作確認（helloを実行）
ファイルを作って、実行できるか確認します。
コマンドプロンプト（cmd）
echo print("hello from venv") > main.py
python main.py
PowerShell（VS Codeのターミナル）
PowerShellだと echo 周りがややこしいことがあるので、こっちが安定：
Set-Content -Path main.py -Value 'print("hello from venv")'
python .\main.py
7. 仮想環境を抜ける
deactivate
8. いったん閉じた後に再開する手順
次の日とかに続きやる時は、毎回この流れ：
cd /d "%USERPROFILE%\Desktop\my-project"
.venv\Scripts\activate.bat
（PowerShellなら .\.venv\Scripts\Activate.ps1）
9. Jupyterの「カーネル（実行環境）」を作る（必要な人だけ）
Notebookで「この環境で実行したい！」って時に使います。
venv + pip でカーネル登録
仮想環境を有効化した状態で：
python -m pip install jupyter ipykernel
python -m ipykernel install --user --name myenv --display-name "Python(myenv)"
起動して確認：
jupyter notebook
Notebookの「Kernel」から Python(myenv) が選べればOKです。
カーネル一覧・削除
jupyter kernelspec list
jupyter kernelspec remove myenv
10. VS Codeで使う（超大事：インタープリター選択）
- Ctrl + Shift + P
- Python: Select Interpreter
- 一覧から .venv（または作った環境）を選ぶ
Jupyterノート（.ipynb）なら、右上の「Kernel」から同じ環境を選びます。
つまずきがちチェックリスト
- (.venv) 表示が出てる？（有効化できてる？）
- pip install してるのは 仮想環境の中？
- VS Codeは Python: Select Interpreter で .venv を選んだ？
- Jupyterで候補に出ないなら、その環境に ipykernel 入ってる？
python -m pip install -U ipykernel
まとめ（最短チートシート）
cd /d "%USERPROFILE%\Desktop\my-project"
py -m venv .venv
.venv\Scripts\activate.bat
python -m pip install --upgrade pip
pip install -r requirements.txt
python main.py
deactivate