はじめに
私は勉強が嫌いです。
一生分の「勉強に使える集中力」は学生時代に使い果たしました。
仕事が終わったら酒を飲みたい。
できれば何もしたくない。
休みの日は寝たい。
そもそも勉強が嫌いなので、仕事以外の時間まで勉強したくない。
とはいえ、エンジニアとして働いている以上、勉強から完全に逃げ切るのもなかなか難しい。
かつての上司にはそろそろ資格を取れと毎年口酸っぱく言われていましたが、最終的に上司側が諦めました。
とはいえ資格は取りたいという気持ちはいっちょまえに持っているし、仕事のために身につけたい知識もある。
そこで、「勉強を好きになる」のは諦めて、「嫌いなまま習慣化する」方法を考えることにしました。
結果として、今まで全然続かなかった勉強を、ようやく生活の中に組み込めるようになりました。
この記事では、そのためにやったことを書いてみます。
言わずもがなですが、こちらの記事は怠惰な方向けです。
怠惰ではない方は怠惰でない自分を誇りに思ってください。
そもそも私はどういう人間なのか
ここで、自分の性格について少し整理しておきます。
大前提として私は常軌を逸して怠惰な人間です。
ただ、何に対しても何もしたくないというわけでもありません。
仕事は普通にするし、必要なら調べものもする。
興味があることなら、気づけば何時間も調べていることもあります。
一方で、「今すぐやらなくても特に困らないこと」への腰が鉛のように重い。
これが自分の一番の特徴だと思っています。
資格勉強はその最たるものです。
今日やらなくても怒られない。
明日やらなくても仕事には行ける。
一週間サボっても生活に支障はない。
となると、私の脳は即座に、
じゃあ今日やらなくてよくない?
という極めて合理的かつ最悪な結論を出します。
さらに、自分へのご褒美を先延ばしにする能力も著しく低い。
「1時間勉強したら酒を飲もう」より、
「今から酒飲んだほうが1時間多く飲めるから楽しい」
と当たり前のように考えるタイプです。
将来資格に受かるという大きな報酬より、今すぐ飲めるビールのほうが強い。そしておいしい。
更にもう一つ、自分には「始めるまでが異常に面倒」という性質があります。
入浴ひとつにしても異常に面倒くさがります。
一度始めてしまえば意外とやれるのですが、
- テキストを出す
- 机に座る
- PCを開く
- 「さて、今日はどこからやろう」と考える
このあたりで急激にやる気が失われます。
つまり私の場合、
「勉強する能力がない」というより、「勉強を開始して継続するための仕組みが自分の性格に合っていない」のではないかと考えました。
そう考えると、精神論で「もっと頑張ろう」とするのはあまり意味がありません。
怠惰な自分を矯正するのではなく、怠惰なままでも動く仕組みを作ったほうが早い。
そこでまず、「自分がすでに継続できているもの」を探してみることにしました。
まず、自分が勉強できない時間帯を認める
最初に考えたのが、「いつ勉強するか」でした。
仕事が終わってから勉強するのが一番わかりやすいのですが、私には無理でした。
なぜなら前述の通り一刻も早く酒を飲みたいからです。
「帰宅後、夕食を食べてから1時間勉強しよう」は到底続きそうにありません。
ここで「強い意志で勉強する」という解決方法は無意味です。
既にここ10年で形成された「酒を飲むという強い意志」に到底打ち勝てないからです。
以上の事情により、自由に使えるのは必然的に朝となりました。
しかも好都合なことに、すでに朝起きる習慣はできています。
つまり私の勉強タイミングのねらい目は圧倒的に朝、という結論になりました。
なぜかジムだけは3か月続いている
ここでふと疑問に思いました。
冒頭から何度も申し上げているように私は怠惰の化身であるにもかかわらず、ジムには週3、3か月ほど通えています。
ご想像の通り学生時代は運動部ではありませんでしたし、逆上がりはできないタイプです。
今でもあらゆるスポーツが好きではありません。
勉強は続かないのに、なぜジムは続くのか。
考えてみると、私がジムを継続できている理由は大きく4つありました。
① 課金している
ジムには当然、毎月お金を払っています。
行かなくてもお金は取られます。
すると、
「金払ってるんだから行かないともったいない」
という気持ちが発生します。
意志力ではなく、もったいない精神で動いています。
ちなみに筋肉を作り保つためのプロテインも結構な値段です。
後には引けません。
② 成果が目に見える(見た目)
トレーニングを続けていると、少しずつ身体が変わります。
変化が目に見えます。
成果が確認できると、「もう少し続けてみよう」と思えます。
③ 成果が数字でも見える
ジムにはもう一つわかりやすい成果があります。
扱える重量です。
最初は重かった重量が普通に扱えるようになったり、今までできなかった重量でセットを組めるようになったりします。
「頑張っている気がする」ではなく、以前よりできるようになっていることが数字で確認できます。
これはかなりモチベーションになります。
④ すぐ取り組める状態にしている
朝ジムに行く日は、起きてから家を出るまでにほとんど何もしません。
極端に言えば、歯を磨けば出られる状態にしています。
ジムも信号なしで通える距離です。
準備・移動という工程を極限まで減らしているので、「面倒くさい」が発生する前にジムへ行けます。
この仕組みをそのまま勉強に移植すればいいのでは?
ここまで考えて気づきました。
私が継続できる条件は、
- お金がかかっている ←一番大事
- 成果が目に見える
- 成果が数字で確認できる
- 始めるまでのハードルが低い
ということになります。
だったら、これをそのまま勉強にも適用すればいいのでは?
ということで、勉強方法を組み直しました。
① テキストは新品を定価で買う
まず教材です。
中古で安く買ったり、ネットにある無料教材だけで済ませたりするのをやめました。
新品のテキストを定価で買います。
もちろん、中古の教材でも勉強はできます。
でも私の場合、大事なのは教材の性能だけではありません。
「私はこれに金を払った」という事実が必要です。
ご存じの通り専門書やこの手の資格のテキストはまあまあいいお値段です。
せっかく数千円払ったのに、一度も開かず本棚のインテリアにするのは腹が立つ。
ジムと同じく、
金を払った
→ 元を取りたい
→ じゃあやるか
という極めて俗っぽい動機を利用します。
親の金で参考書を買ってもらって並べただけで勉強した気分になっていたあの頃とは違います。
意識の高さより、もったいない精神のほうが信用できます。
いいんです。理由は何でも。勉強できたら。
② 章ごとに小テストをする
勉強で一番つらいのが、
「これ、本当に身についてる?」という状態です。
テキストを30ページ読んでも、それだけでは成長を感じにくい。
そこで、章ごとに小テストをすることにしました。
一つの章を勉強したら、その内容について問題を解く。
あらゆるAIに例題を出してもらう。
※ちなみに使用したのはChatGPT(課金)、Gemini(課金)、Claude(無課金)です
正解できれば、「わかる」から「できる」にレベルアップしたことが確認できます。
③ 最初に一度過去問を解いておく
これは特に効果がありました。
勉強を始める前に一度過去問を解きます。当然全然わかりません。
でも、それでいいです。
ここでの目的は合格点を取ることではなく、今の自分の現在地を知る事です。
その状態で勉強を進めて、しばらくしてからもう一度同じ問題を見る。
すると、
あれ、これわかるぞ
という問題が少しずつ増えてきます。
「勉強した時間」ではなく、「解ける問題が増えた」ことを成果として見るようにしました。
勉強は成果が見えるまで時間がかかると思っていましたが、最初の「できない状態」を記録しておけば、意外と早い段階から成長を確認できます。
おすすめです。
④ 「勉強を始めるまで」の工程を減らす
最後に、ジムで一番効果があった「すぐ取り組める状態」を勉強にも適用しました。
もっと思い返すと学生時代、どうしても好きになれなかった教科の参考書を常に持ち歩いていて、ベッドで一緒に寝ていました。それの応用です。
テキストはできるだけ家の中でも持ち歩きます。
テキストがなくても、スマホは常に持っているので、AIに問題を出してもらう。
つまり、「勉強するための準備」を極力なくしました。
「机を片付けて、PCを開いて、教材を出して……」
みたいな工程が増えるほど、私の場合はやらなくなります。
なので、
テキストを開けば開始
スマホを開けば開始
くらいまでハードルを下げました。
平日の朝を「ジム or 勉強」の2択にした
ここまで仕組みを作っても、「今日は勉強するぞ」と毎日判断していたら、おそらく続きません。
幸い、ジムに通い始めたことで朝起きる習慣自体はすでにできていました。
そこで平日の朝を、「起きたらジムに行くか、勉強するか」の2択にしました。
ジムに行く日はジム。
ジムに行かない日は、普段ジムでトレーニングしている時間と同じ1時間を勉強に使う。
これだけです。
「今日勉強しようかな」
「仕事終わってからにしようかな」
「土日にまとめてやろうかな」
という判断そのものをやめました。
今日じゃなくて今じゃないとやらないし、仕事終わったら酒が勝つし、土日は休みたいが勝つからです。
朝起きた時点で、ジムじゃないなら勉強。
選択肢を減らすと、思っていた以上に楽でした。
「やる気を出す」のをやめたら続くようになった
以前は、勉強を続けるためにはモチベーションが必要だと思っていました。
でも、自分がなぜジムを続けられているのかを考えてみると、別に毎朝やる気に満ち溢れてジムに向かっているわけではありません。
面倒くさい日は普通にあります。なんなら毎朝どうやってさぼろうか一瞬考えます。
それでも、
- お金を払っている
- 成果が見える
- 成長を数字で確認できる
- 始めるまでの工程が少ない
- やる時間が決まっている
という仕組みがあるから続いていました。
そこで勉強にも同じ仕組みを持ち込んだ結果、ようやく勉強すること自体が習慣になりました。
まとめ
私は今でも勉強が好きではありません。
できれば酒を飲みたいし、それ以外は寝たいです。
「資格を取って市場価値を上げるぞ!」みたいな熱い気持ちで毎朝起きているわけでもありません。
それでも続けられるようになったのは、
自分のやる気を信用するのをやめたからだと思っています。
継続できないことがあるなら、「どうすればもっとやる気が出るか」を考えるより、
すでに自分が継続できているものは、なぜ継続できているのか
を分析して、その仕組みを流用してみるのも一つの手かもしれません。
いままでいろいろなことに挑戦してきましたが、
始めることは簡単でも、習慣化するのはとても難しいです。
しかし私のジム通いのように、皆さんの中にも何かしら習慣化できていることは大なり小なりあるはずです。
それを一度分解してみると、自分を動かすための条件が見つかるかもしれません。
最後まで読んでくださった怠惰な皆さんが、何らかのヒントを得てくださっていたら幸いです。