概要
- ビジネス法務2024年7月号「各法令における個人情報保護法のエッセンス」を読みました。
- 民法、労働法、刑事法、etc...と、個人情報保護法との関連性について整理されていました。個人的に面白いと思った点を書いておきます。
- 内容の正確性は保証しません。リンク先の書籍にて確認をお願いします
各法令における個人情報保護法のエッセンス
民法と個人情報(個人との契約)
- メモ
- 民法では契約能力を18歳から認めており、それ以下の場合は保護者同意が必要
- 個人情報保護法では本人同意が必要で、保護者同意だけでは不十分
- 個別検討が必要ではあるものの、12-15歳以下は同意能力が不十分、保護者等同意が必要、というQ&Aがある
- 感想
- 高校生あたりの、16,17歳あたりの年齢層のユーザーを想定して、個人情報の取得を行うようなサービスの利用規約を作成するときには、注意が必要
- 本人同意と、保護者同意の両方が必要?
民法と個人情報(業務委託)
- メモ
- 委託先での個人情報流出の際、債務不履行として損害賠償請求ができるかどうか、という論点がよくある
- 個人情報保護法にて、安全管理措置は義務付けられているが、具体的な対応方法に関する記載はない。債務不履行かどうか判定は手間
- 契約で定めておけば、それが安全管理措置となる
- 感想
- 何らかの形で、安全管理措置を具体化しておくと良さそう
消費者関連法と個人情報保護法
- メモ
- 収集したメールアドレスの取り扱い時は、特定電子メール法に留意
- 広告や営業メール(特定電子メール)は同意取得した連絡先にのみ送信可
- 「個人情報保護法に準拠した同意」の取得に加え、「特定電子メール法に準拠した特定メール送信に関する同意」を取得する必要がある場合がある
- 感想
- 「特定電子メール」という概念を知らなかった
労働法と個人情報保護法
- メモ
-
職安法指針: 求職者本人から公開されている個人情報の収集はOK
- 同意は不要なのかな
- 本人確認は必要
- 退職者情報は一定期間保持の必要性(労働基準法: 関連情報5年間保存)
- 前職調査やリファレンスチェックは本人同意があればOK
- 5年経過後は情報が破棄されている可能性
-
職安法指針: 求職者本人から公開されている個人情報の収集はOK
- 感想
- SNS裏アカ調査、の事例があるが、公開情報からの本人に関する情報の収集は問題ない、ということか
- ただしそのアカウントが本人であることの確認・保証が必要
競争法と個人情報保護法
- メモ
- 委託先・再委託先へのセキュリティ基準遵守要求は独占禁止法に留意
- 再委託先が小規模事業者であり、セキュリティ施策準拠が困難である...ことを承知の上で再委託したとしても、合理性があると判断される可能性あり
- 委託先の従業員の個人情報取得時は、下請法の「優越的地位の濫用」に注意
- 委託先での説明負荷あり
- 従業員の安全管理や体調管理目的でのスマートフォン持たせての個人情報取得は、それだけでは優越的地位の濫用に当たらない。が、委託先での説明不可には注意
- 委託先・再委託先へのセキュリティ基準遵守要求は独占禁止法に留意
- 感想
- セキュリティ基準、委託先でも絶対遵守なものかと思っていました
その他
- 連載「AIガバナンス相談室」が面白そう
- 掲載されているバックナンバーを読んでおきます