比較的取り入れやすいバックアップソリューションが IBM Cloud Backup です。(改名前は eVault と呼ばれていました。)
最初10GB は無料で使うこともできます。
では早速設定してみましょう!
##1) IBMクラウドバックアップを導入し、コンソールを開く
デバイスリストを開き、バックアップを設定するサーバーの詳細画面を開きます。
下までスクロールすると、 IBM Cloud Backup があります。無料の 10GB を取り入れていない場合、アクションをクリックして注文しましょう。
IBM Cloud Backup をクリックすると、詳細画面が開きます。
WebCC をクリックすることで、管理コンソールを開くことができます。
初めは特に何もできませんが、右側のQuickLinkにある資料ガイドはとても参考になります(英語のみとなってしまいますが)。
ガイド:
http://downloads.service.softlayer.com/evault/Documentation/QuickLinks/Agent%20v8.3%20for%20Microsoft%20Windows%20-%20User%20Guide%20v%202.0.doc.pdf
##2) バックアップするサーバーに Agent をインストールする
次のページでエージェントをダウンロードし、マシンにインストールする:
http://downloads.service.softlayer.com/evault/
ここでは、KVMコンソールでWindowsのサーバーに接続します。
手順は次のページにまとめています:KVMコンソールでベアメタルへ接続
このページはインターネット接続が無くても開くことができます。
インストールに必要なユーザー名やパスワードはIBM Cloud Backup詳細画面で入手します。
完了すると、IBM Cloud Backup コンソールの Computers タブに、登録したサーバーが表示されます。
展開すると、バックアップをオートで設定するか、手動で設定するか選択肢がでます。
##3) バックアップJobの作成、実行
手動での設定をお勧めします。その理由は、自動でCドライブすべてをバックアップするように設定すると、容量オーバーしてしまうからです。
実際に私も容量オーバーしそうになったので、その時の様子を記録します:
###3.1) 自動バックアップ - フル C ドライブ
バックアップ始まりました!
しかし、10分ほどかかっているのになかなか終わりません。よく見るとバックアップ容量がすでに5GBに。
Cドライブを確認してみると。。
初期状態のベアメタルなのに、システムデータだけでCドライブが64GB!! フリーの10GBでは収まり切りません。
興味本位にそれでもバックアップを続けてみると。。
10GB超えてしまいました、まだバックアップは続いています。
資料を確認してみると:
(抜粋)「IBM Cloud Backup 容量を超えるとどうなりますか?
以前に購入した容量の制限に達した場合でも、バックアップを保存、取得できます。 ただし次回の請求書で、使用した追加の GB ごとに料金が加算されます。」
https://cloud.ibm.com/docs/Backup?topic=Backup-faqs#exceed-capacity
おっとこれはいかんです。検証目的のはずが、請求が発生してしまいそうなのでキャンセルしました。
幸いにもキャンセルされたので請求面では全く問題なかったみたいです。
###3.2) 手動バックアップ - ファイル単位でのバックアップ
では試しにバックアップするファイル・フォルダを作成してみましょう。
IBM Cloud Backup コンソールから、Select Job Task > Create New Local System Job をクリックします。
手動設定の画面です。パスワードはここで決めて、リストア操作をする時に入力する必要があるので、忘れないように記録する必要があります。
バックアップ対象を選択し、「include」をクリックします。するとBackup Set の下に表示されます。
選択後、Create Job をクリックします。
スケジュールを決めます。IBM Cloud Backup は定期的なバックアップスケジュールを組むことを前提としていますので、
設定画面でも毎日か毎月、特定の時間や日程など、様々な情報を入れる必要があります。
Compression: Smaller / Faster は、圧縮度を優先するか、バックアップスピードを優先するかの選択です。
スケジュールの時間にならなくても、Run Job をクリックすることでいつでもバックアップを始めることができます。
##4) バックアップからのリストア
リストアが成功したら、またファイルは before に戻るはずです。
IBM Cloud Backup コンソールから Select Job Task > Restore from Another Computer を選択します。
どのファイルをリストアするか選択します。また、元のファイルも残すか・上書きするか、別のフォルダにリストアするかなどいくつか選択肢があります。Run Restore をクリックしてリストアを実行します。
先程のファイルを開いてみると。。なんということでしょう!after が before になっているではないですか。
ちなみに一連の作業をしている時に、サーバーは常に稼働中でした。バックアップもリストアも行っている時に起動状態だったので、特に電源を切らなくても良いようです。
これでバックアップ・リストアは完了となります。意外と簡単でした。
##5) お役立ち情報:
###5.1) バックアップ容量の確認
容量や使用状況の確認は、IBM Cloud 側のバックアップ管理画面から確認することができます。
左メニューのBackupを選択
初めにキャンセルしたCドライブバックアップ、ファイル単位のバックアップとファイル単位のリストアの3項目あります。
定期的なバックアップをスケジュールしている場合、容量オーバーにならないことをお気をつけください。
必要に応じてIBM Cloud Backupをアップグレードすることもできます。
###5.2) 差分テクノロジー
(抜粋)
「差分テクノロジーとは何ですか。
最初のバックアップは「シード」(完全なフルバックアップ) であり、次以降のバックアップは「差分」(つまり変更のみ) となりますが、これらは「フルバックアップ」と同等であり、フルバックアップと見なされます。 つまり、バックアップからすべてまたは任意のファイルをリストアできます。 このテクノロジーにより、セッションのたびに「フルバックアップ」が作成されますが、ボールト上の大量のスペースが節約され、後続の各バックアップを完了するためにかかる時間が短縮されます。」
https://cloud.ibm.com/docs/Backup?topic=Backup-faqs#delta
差分テクノロジーのおかげで2回目以降のバックアップは少ない容量でバックアップされる仕様です。
クラウド上の貴重なデータを守るため、ぜひ IBM Cloud Backup をお試しください。