EVMとは
プロジェクトの進捗や作業のパフォーマンスを、出来高の価値によって定量化(金銭価値に換算)して、プロジェクトの現在及び今後の状況を評価する管理手法です。
3つの指標
PV(計画価値)、EV(出来高)、AC(実コスト)の3つの指標をもとに、現在におけるコスト差異やスケジュール差異、またコスト効率やスケジュール効率を評価します。
また、現在のコスト効率が今後も続く場合の残作業コストや、プロジェクト完成時の総コストを予測することもできます。
PV(計画価値:Planned Value)
「現時点までに、完了しているはずの作業の予算」です。
プロジェクトの計画段階で見積もった、スケジュール通りに進んだ場合の予算の合計値を指します。
- 具体例: 1ページ1万円のWebページを、1日1ページずつ、合計10日で10ページ(総予算10万円)作るプロジェクトを想定します。5日目が終わった時点でのPVは、計画通りなら5ページ完成しているはずなので「5万円」となります。
EV(出来高:Earned Value)
「現時点までに、実際に完了した作業を予算換算した価値」です。
実際に終わった作業量が、当初の計画(予算)で見積もるといくら分の価値になるかを表します。
- 具体例: 5日目が終わった時点で、実際には4ページしか完成していなかったとします。1ページ1万円の計画価値なので、この時点でのEVは「4万円」となります。(PVの5万円を下回っているため、スケジュールが遅れていることが直感的に分かります)
AC(実コスト:Actual Cost)
「現時点までに、実際に発生したコスト」です。
作業を行うために、現実に支払った人件費や経費などの総額を指します。
- 具体例: 5日目までに4ページ完成させましたが、作業が難航して残業が発生し、実際には6万円の人件費がかかっていたとします。この場合、ACは「6万円」となります。(EVの4万円に対してACが6万円かかっているため、予算をオーバーしていることが分かります)
現在の状況を評価する指標
| 指標名 | 英語・略称 | 計算式 | 見方のポイント |
|---|---|---|---|
| コスト差異 | Cost Variance (CV) | EV - AC |
0以上なら予算内、マイナスなら予算オーバー。 |
| スケジュール差異 | Schedule Variance (SV) | EV - PV |
0以上ならスケジュール前倒し、マイナスなら遅延。 |
| スケジュール効率 | Schedule Performance Index (SPI) | EV ÷ PV |
1.0以上なら優秀、1.0未満なら進捗に遅れあり。 |
| コスト効率 | Cost Performance Index (CPI) | EV ÷ AC |
1.0以上なら優秀、1.0未満ならコスト超過状態。 |
将来のコストを予測する指標
| 指標名 | 英語・略称 | 概要と計算式 |
|---|---|---|
| 残作業の予測コスト | Estimate To Complete (ETC) | 今からプロジェクト完了までにあといくらかかるかの予測値。(総予算 - EV) ÷ CPI で算出。 |
| 完成時総コストの予測 | Estimate At Completion (EAC) | プロジェクトが終わった時、最終的にかかる総費用の予測値。AC + ETC で算出。 |
まとめ
EVMは、プロジェクトの進捗を「スケジュール」と「コスト」の両面から、
金額という客観的な数値で可視化できる強力な手法のこと。
「PV(計画)」「EV(出来高)」「AC(実コスト)」の3つの基本指標を押さえるだけで、
プロジェクトが現在どのような健康状態にあるのか、
そして将来どうなりそうかを論理的に把握・予測することができる。
