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採用担当者が見る就職・転職活動のポイント

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はじめに

こんにちは、genimuraです。
ここ1年ほど、エンジニアの採用を担当していまして、様々な方のレジュメを見てきたり、カジュアル面談・面接をしてきました。

そこで、採用担当者が見るエンジニアのポイントについて、私なりの考えをまとめてみました。

あくまで個人の見解なので、業界的には異なる見解もあるかと思います。ご了承ください。

業界全体の市況

エンジニア業界の市場は、今もなお超売り手市場です。
一般的に候補者1人に対して平均6社の企業がオファーを出していると言われています。
待っていればそれなりに、スカウト・オファーが来るという状況かと思います。
エンジニア業界は営業職や事務職と異なり、採用媒体が リファラル採用:スカウト:エージェントの比率が3:3:3と言われています。

リモート有無の昨今

先日Amazonがリモートワークを廃止し、原則出社とすると発表しました。
国内でもメルカリがリモートワークを廃止しました。

現在でもリモートワーク(一般的にフルリモートか、週〇日可能という表記が多いです)を推奨している企業が多いですが、コロナ禍が落ち着いて来た今、リモートワークからオフィスワークに戻す企業も増えてきています。
こちらに関しては個人の希望があると思います。
リモートワークを希望される場合は、リモートが可能かどうかを確認するのはもちろん、リモートワークをするにあたって社員とのコミュニケーションをするための仕組みが整っているかどうかも確認しておくと良いです。
反対に原則出社の場合は、リモートワークが可能だったかどうかとリモートワークを廃止した経緯などを確認しておくと良いです。

色々な企業を見てきて現在はハイブリッドワークを採用している企業が多いのかなという印象です。
原則出社 + 都合に合わせてリモートワークが可能 or 週〇日リモートワークが可能という形が多いです。

意識している前提およびポイント

私が全体の選考フローにおいて一貫して意識していることは下記の3つです。(企業差があるのであくまで参考として)

  1. 伸びしろが十分にあるか
  2. 長く働いていただけるか
  3. カルチャーフィットしているか

伸びしろが十分にあるか

こちらに関しては、これまでの経歴と個人の学習習慣をみていることが多いです。

経歴

やってきたことの難易度が上がってきていることや技術の幅が広がっている・深化していることが分かると良いです。

学習習慣

こちらは、ポートフォリオの完成度(ソースコードまで見ています)や、Githubのコントリビュート、Qiita・Zennなどの技術ブログの執筆活動を見ています。
また、あまり記載されている方は多くはないですが、ConnpassやDoorkeeper等のイベント媒体でイベントに積極参加されているのであればURLを記載しておくと良いです。(もちろん登壇されていることもプラスとなります。)

長く働いていただけるか

こちらは、過去の転職回数や、過去の勤務期間を見ています。
もしも、転職回数が多い場合は、その理由を面接内で話せるようにしておくと良いと思います。

カルチャーフィットしているか

こちらは、各企業によってそもそもカルチャーフィットしているかどうかを選考基準にしないところもありますが、一般的にはカルチャーフィットしているかどうかを意識されていることが多いと思います。(特に自社開発・ベンチャー系)
カルチャーフィットしているかについては下記を参考にしています。

  • 就職活動の軸
  • なぜエンジニアとして働いているのか、働いていきたいのか
  • 今後どのようなことをやっていきたいのか
  • 今後のキャリアパス

最低限上記については聞かれることがあると思います。

レジュメのポイント

経歴は社会人になってから現在までを記載する

最近だとリスキリングされてエンジニアになる方も多いと思います。
その場合、過去にどのようなことをしてきてなぜエンジニアに転向するに至ったか、という経緯がわかると事前の候補者のイメージがつきやすいです。
また、企業としては、長く働いていただけるかも見ているので、転職の回数が分かると良いです。

関わった案件についてどういったことをやったかを具体的に記載する

当人の意志で何をやってきたかを分かるレジュメだと、レジュメを見ている段階でマッチしているかどうか・カルチャーフィットしているかを判断しやすいです。
また、ある課題に対してどのような創意工夫をしているのかが分かると、採用後の動きのイメージがしやすいです。

細かいところ

  • 現在公開していないURLは記載しない
  • 今後やっていきたいところは具体的に記載する
  • ポートフォリオやGithubのURLは可能な限り記載する(ない場合は理由も記載すると良いと思います)
  • SNS(特にX)の発言には気をつける(当たり前ですがネガティブな発信はマイナスになります)

気をつけたいポイント

  • 業界未経験である場合、リモートワークを希望すると就職のハードルが上がる
  • カジュアル面談時は、最低限資料を見ておく(もしその企業に興味があるなら)
  • なぜスカウト・オファーを承諾したのかは事前に考えておく

面談・面接のポイント

面談・面接時に意識しておくと良いポイントについて記載します。

お互いに貴重な時間を使っていることを理解する

採用担当者も候補者もお互いに貴重な時間を使っていることを理解することが大切だと思います。
建設的な会話になるように、採用担当者は必ず事前にレジュメを見ておきましょう。(10分〜30分ほど時間をかけて)
事前に褒めポイントやここは聞いておこうという質問を用意しておくと良いです。

候補者は、なぜスカウトを承諾したのか、なぜ企業が良く見えたのか・気になる事項は事前に準備しておくとよいです。
採用担当者によっては、候補者の準備次第で話す内容を変えたりするのでカジュアル面談でも多少準備しておくと印象が良くなると思います。(基本は選考と関係ありませんが)

事前に質問を用意しておく

質問を用意しておくと良いですが、ここで気をつけたいのは、質問の意図が明確 であることです。

これは就職活動の軸を考えれば自ずと明確になると思います。企業探しの軸と関連性がない質問は質問の意図を合わせてすると良いです。
例えば、ライフワークバランスを軸にしている方がいるとして、質問内容が、「今後の事業展開について教えてください」という内容だとなぜこの質問をするのか、とりあえず思いついたから聞いたのか?等の邪推をされてしまい、面接時にはあまりプラスになりません。

オススメの質問

  • ライフワークバランスに関心

    • 入社時に同等ポジションの現社員エンジニアの一日の働き方
    • リモートワークの具体的な働き方(コミュニケーションの取り方)
  • 会社や事業・組織を成長に関心

    • 最初に任される仕事
    • マネジメント職との関わり方
    • 新しい制度の導入までの流れ
  • スキル・キャリアアップに関心

    • 自己研鑽のためにどれくらいの時間を取れるか
    • どのような研修制度があるか
    • どのようなキャリアパスがあるか・ロールモデルはいるか
    • 社内勉強会や技術書の購入補助等の制度・取り組みがあるか

どの質問も同様のカテゴリの質問を過剰にすると、そこにしか関心がないと思われることがあるので、あくまで働くイメージが出来るかを基準に質問をすると良いと思います。

どの採用媒体を利用するか

現在では様々な採用媒体がありますが簡単に各媒体の特徴を記載します。
求人数においてはどの媒体もそこまで差はないと思います。

  1. リクルート・マイナビ・DODA等の大きい求人媒体
    • エンジニア特化ではない
    • 企業の規模が大きい企業が多い
    • エージェントを活用出来るので、こちらからのアクションが少なくても見繕ってくれる
  2. Findy
    • エンジニア特化の求人媒体
    • メガベンチャー・ベンチャー・スタートアップ等自社開発系の企業が多い
    • カスタマーサクセスがしっかりとしている
  3. Green
    • エンジニア特化ではないが、エンジニアの求人数が多い
    • ベンチャー・SIerが多い
  4. Paiza
    • エンジニア特化の求人媒体
    • SES・SIer・大手企業が多い
  5. Wantedly
    • エンジニア特化ではない
    • ベンチャー・SIerが多い
    • 比較的フォーマットが自由なため、アピールポイントを書きやすい
  6. LAPRAS
    • エンジニア特化の求人媒体
    • メガベンチャー・ベンチャー・スタートアップ等自社開発系の企業が多い
    • 採用媒体としては比較的新しく、掲載数が少なめ(気にするほどではない)
    • 技術力・影響力を可視化(スコア化)できる
  7. 転職ドラフト
    • エンジニア特化の求人媒体
    • 毎月ドラフト開催があり、オファー時点で掲示年収が分かる
    • レジュメをしっかりと書く分、オファーにつながりやすい
  8. Lancers・クラウドワークス
    • フリーランスの業務委託案件が多い
    • 副業目的ならオススメ
    • 中途採用の求人が多いのでミドル・リードエンジニア向け

おすすめ媒体

個人的なオススメ媒体になります。掲載企業の特色が各媒体によって異なるので、自分の希望している会社の規模感・業種・職種に合わせて、媒体を選択するといいと思います。

  1. Findy
    • メガベンチャー・ベンチャーの自社サービスを持った企業が多い
    • Team+ という生産性可視化サービスを展開しており、生産性の高い企業が分かる
    • スカウトだけでなく、双方いいねでマッチが成立し、面談に進めるため、スカウトが来ない場合でも自分からアプローチが簡単
    • オファーが来なくても掲示年収予想である程度分かる
    • カスタマーサクセスチームと1on1で面談が出来て、初めて就活をするならオススメ
  2. LAPRAS
    • アウトプットが多い方にオススメ
    • 外部サービス(Github, Qiita, Connpass, X, Wantedly)と簡単に連携できて、技術力・影響力を可視化できる
    • オファー時にしっかりと何が魅力的だったのかを記載してくれる企業が多い
  3. 転職ドラフト
    • オファー時に掲示年収が分かる(掲示年収の90%を割ることがない)
    • 細かくレジュメを書ける
    • オファー時にしっかりと何が魅力的だったのか・どのようなことをお願いしたいのかを記載してくれる
  4. Green
    • SIer、受託開発系に就職したいならオススメ
    • エンジニア以外の求人職種も多いので、企業のイメージ・課題感が分かりやすい
    • UIがシンプルで使いやすい
  5. エージェンシー利用
    • 媒体内でエージェントからのスカウトが来ることがあるのでまずは求人媒体を登録するのがオススメ(大手採用媒体・Paiza、Greenなど)
    • エージェントによって良し悪しの差があるので複数利用するのがオススメ
    • 自分からアプローチしなくても見繕ってくれるので、自分からアプローチするのが苦手な方にオススメ

就職・転職活動をしなくても

就職・転職活動をしていなくても、求人媒体に登録しておくことをオススメします。
最低でも1年に一回経歴を更新しておくと、スキルの棚卸しや自己分析に役立ちます。
また、求人媒体に登録しておくと、スカウトが来ることがあるので、自分の市場価値を知ることができます。
自分の現在地を測るためにも、求人媒体に登録しておくことをオススメします。

オススメは、Findy、LAPRAS、転職ドラフトです。
特にLAPRASは、外部連携するだけで現在の自分の技術力を可視化できるので簡単でオススメです。
また、Findyは想定掲示年収を予想してくれるので、自分の市場価値を簡単に知ることができます。
最後に転職ドラフトは、レジュメを作成するのは大変ですが、細かく書けるというメリットと、オファー時に年収掲示されるので、一番正確に市場価値を知ることが出来ます。

おわりに

いかがでしたしょうか。
採用担当者が見るエンジニアのポイントについて、私なりの考えをまとめてみました。
今後の就職・転職活動において、参考にしていただければ幸いです。

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