はじめに
最近、Claude Codeを使って開発をする機会が急激に増えました。ただ、周囲のエンジニアと話していると
Claude Codeって何ができるの?
ターミナルで動くAIって具体的にどう使うの?
セッション、権限、コンテキストってどういう概念?
という声を意外とよく聞きます。公式ドキュメントはありますが、「実際に手を動かして覚える」教材はまだ少ないと感じていました。
そこで、個人運営しているプログラミング学習サイト(プロ道)に、**Claude Code専用の学習カテゴリ(全40レッスン)**を疑似ターミナル付きで追加しました。本記事では、「AIツールの使い方を、AIを使って教材化する」という、少しメタな開発の裏側を紹介します。
なぜClaude Codeの教材が必要だと思ったか
Claude Codeは非常に強力ですが、初めて触る人にとっては
セッションの開き方
プロジェクトの読み込ませ方
diffの確認・承認の流れ
権限設定(どこまで自動実行を許可するか)
コンテキストの持たせ方
といった**「概念」が意外とハードルになります。**「触ればわかる」ものの、何も知らない状態でいきなり触ると、迷子になりやすい部分でもあります。
そこで、既存のLinux/Gitカテゴリで作っていた**疑似ターミナル(実際にコマンドを打って、出力を確認しながら学ぶ形式)**を、Claude Code学習にもそのまま応用することにしました。
疑似ターミナルでClaude Codeを"体験"させる設計
本物のClaude Codeを都度起動させるのはコスト的にもセキュリティ的にも現実的ではないため、「Claude Codeを操作している体験」を模した疑似ターミナルを用意しました。
レッスンの例
$ claude
Claude Codeへようこそ。
プロジェクトを解析しています...
> このプロジェクトのバグを直して
のように、実際の入出力パターンを再現し、ユーザーが打つべきコマンドやプロンプトの型を体で覚えられるようにしています。
扱っている主なトピック
- Claude Codeの起動・終了
- プロジェクトの読み込みとコンテキストの持たせ方
- 差分(diff)の確認と承認/却下のフロー
- Gitとの連携(コミット、ブランチ操作の指示)
- 権限設定(自動実行許可の範囲)
- よく使うスラッシュコマンド
これにより、「読むだけ」ではなく、実際にコマンドやプロンプトを入力する感覚を掴めるようにしています。
開発プロセス自体もClaude Codeを使った
ここが本題です。この「Claude Code学習カテゴリ」自体、レッスン文章・問題データ・疑似ターミナルの想定シナリオの多くをClaude Codeで生成しました。
やったこと
-
レッスンのテンプレート設計
「概念説明→具体例→疑似ターミナルでの体験→理解度チェック問題」という型をJSON Schemaで定義 -
Claude Codeへの生成指示
Claude Codeの基本操作について、初心者向けのレッスンを作成してください。 以下の型に従い、疑似ターミナルの入出力例も含めてください。のように、既存カテゴリ(Linux/Git)で使っていたテンプレートを流用し、Claude Code版として生成
-
人手でのレビュー・修正
AIが生成したレッスンの中には、実際のClaude Codeの挙動と微妙に異なる説明が混ざることがあったため、自分で実際にClaude Codeを操作しながら、生成内容の正確性を1つずつ検証しました
気づいたこと
Claude Code自身の使い方を教える教材を、Claude Codeで作るという工程は、「AIが自分自身の挙動をどこまで正確に説明できるか」を検証する作業でもありました。 特に、
- スラッシュコマンドの挙動
- 権限設定の細かい仕様
- MCP(Model Context Protocol)まわりの説明
は、生成された内容と実際の挙動にズレが生じやすく、人間による実機検証が欠かせないという実感を得ました。AIに丸投げでは教材として成立せず、「生成→検証→修正」のループを回すことが品質担保の鍵でした。
多言語展開にもAIを活用
現在prodou.netは日本語を含め6言語(日本語/英語/スペイン語/ポルトガル語/インドネシア語/ベトナム語)に対応していますが、Claude Codeカテゴリも同様に多言語化しています。
翻訳作業もClaude Codeに依頼していますが、技術用語(セッション、コンテキスト、diff等)は言語によって定訳が定まっていないケースがあるため、
この技術用語は、対象言語でどう表記するのが一般的か
を確認しながら進める必要がありました。単純な機械翻訳ではなく、技術文書として不自然にならないような調整を意識しています。
実際に運用してみて
Claude Codeカテゴリを含む学習サイト全体で、現在
- 31言語・カテゴリ
- 3,000本超のレッスン
- 9,000問超の理解度チェック問題
まで拡張しています。Google Analyticsで見ると、直近では**1ユーザーあたりの平均エンゲージメント時間が3分台〜(高い日は10分超)**という状態で、少なくとも「作って終わり」ではなく、実際に使われている実感があります。
まとめ
- AIツールの使い方を教える教材を、AIを使って作るという構造は、想像以上に「AI自身の挙動の正確性を検証する作業」になった
- テンプレート設計さえ固めれば、生成自体はAIに任せられるが、品質担保には必ず人間による実機検証が必要
- 疑似ターミナルという「読むだけで終わらせない」設計は、Linux/Gitだけでなく、AIツールの学習にも応用が効く
Claude Codeの操作に慣れたい方、疑似ターミナルで練習してみたい方は、よければ触ってみてください。無料・登録不要です。
👉 プロ道 - Claude Codeカテゴリ (全31カテゴリ・3,000レッスン超)