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今までとはちょっと変わった感じで勉強会始めてみた話

Last updated at Posted at 2024-12-26

はじめに

こんにちは.
SMN株式会社,a.i.labのksuzukiです.
弊社a.i.labでは主にアドテク関連技術(RTBやターゲティング)の研究開発に日夜いそしんでおります.
表題のように,ちょっとだけ変わった形式で勉強会始めたのでそのやりかたとか感想とかをつらつらと述べていきます.
これから勉強会やろっかなーと考えている学生/エンジニアの方の参考になればと思います.

何で勉強会始めようと思ったの?

そもそもなぜ勉強会始めようと思い立ったかというと,圧倒的にアドテク周りの知見に欠けるからでした.
私自身他業界からアドテクに参入してきた身でしてキャッチアップはマストでしたが,性格的に一人で黙々と勉強するのがニガテで"じゃあ人巻き込んで逃げられない状況作ったろ"と思い立ったというのが開催へ至ったきっかけとして大きいです.

また,ksuzuki自身どうにも自然言語の読解能力がしょぼしょぼで"このままじゃまずい"とは以前から何となく思っていたところもあります.なので勉強会を利用して難しい文章読む機会作ろうと考えたのも開催理由の一つです.

上記のようにほとんど自分のエゴで始まった,みたいな流れです.
(付き合ってくださる方々にBigLove)

勉強会の目的

よって勉強会を開催する目的としては主に以下の二つがあります.

  1. 最新技術のキャッチアップと業務への応用
  2. 技術文章の読解力向上

どのように工夫した?

以下を念頭に置いて勉強会の開催様式を決めました.

  1. メンバーの負担にならない(準備に大きな時間を要さない)
  2. 受動的(発表者の話を聞くのみ)ではなく主体的に学べる
  3. 数式と仲良くなる(普段から触れる習慣を身に着ける)

特にこの中では1.を重要視していました.何故なら辛すぎると会自体がストレスになってしまって継続開催の可否に影響してしまうし,本業に影響が出る可能性もやぶさかでないからです.

加えて,一般的な勉強会スタイルだとどうしても話が右から左へ,みたいな部分があるなぁと感じていたので,2.の主体性も重要なファクターであると考えました.

3.は完全に自分都合です(そもそも勉強会も自分都合ですが!),我々はがっつり研究者集団ではないので通常業務で頻繁に数式をいじくりまわすことはそこまでありませんが,手法や指標を理解する際につらいことが度々あるので今回一つのテーマとして掲げました.

結果的にどのような形態で開催したの?

メンバー間で議論かつ回を重ねる毎にupdateし,結果的に以下のような形態で開催しています.

  1. 事前準備無し,全員で同じ文献を同時に読み進める
    この点がいわゆる普通の勉強会とは異なる点かと思います.
    準備が要らなくなるので圧倒的に精神的/身体的にラクです.

  2. 読解内容をメモに取る,メモ担当も毎回変える
    通常の勉強会とは異なり,学習対象となる文献の内容は誰も理解していないので,
    メモと論文を半々で画面上に映し,読解した内容を要約してメモる作業を毎回行っています.
    読んだ内容を再度言語化する工程が挟まるため,よりレベルの高い読解が可能になると考えています.
    また共有画面上にメモを見せるのはいい意味でプレッシャーを課すためです.
    担当を毎回変えることで,定期的に自分事になるよう工夫しています.
    単純にどこまで読んだかを覚えておくためでもあります.

  3. (あまりにも難解なもの以外)数式展開はすべて追う
    上記工夫点3.まんまの話ですが,技術応用・理解読解に数学力は欠かせません.
    当日夜ご飯に呼び出してもまぁあいつならいいでしょ,くらい仲良くなるために数式含めて読解します.

  4. 著名な技術・文献に絞って精読する
    準備しない以上読解に時間がかかるため,"さらっと概要を知っておけばいい"的な技術よりは"広告で機械学習やってるならこれくらいは知っておけ"的技術に限定しています.

実際にやってみた結果どうだった?

上記の方法で週一回約半年開催した感想をつづります.
結論としてストレスも少ないし理解度も高いしこのやり方は(少なくとも)自分にフィットしているなぁと思っています.
以下により具体的な感想を書き連ねます

  • リアルタイムで同じ文献を読むため一人だと読解に苦しむことがあっても助けてくれる
    • 論文等の技術文章を読む際における一番の障壁が取り除かれたように感じます.わからない部分もみんなであーでもないこーでもないと話すのはしんどい以上に楽しいです.自分だけの理解ではないので,解釈結果に納得感もあります
  • 言語化はやはり重要,理解をごまかせないため
    • メモ化をやってみて思ったのが,inputとoutputには大きな隔たりがあるということです.人に説明できるような普遍的な表現をひねり出すためには中途半端な理解レベルでは無理です.この作業を通して,自身の今までの読解法では浅いことがわかりました
  • 前よりも数式と仲良くなれた
    • まだ夜に突然呼び出すまではいかないものの,予めスケジュールを調整しておけば二人でご飯を食べられるくらいの仲になったかもしれません
  • どうしても一文献にかける時間が多くなるため著名な文献に絞るのは大事,時間を無駄にしている感がない
    • 逆にトレンドや周辺技術をさらっと網羅的に把握したい,みたいなニーズには今回のやり方は向かないと感じました
一般的な勉強会 本勉強会
知見吸収速度
理解度
負担
網羅性 ×
読解能力向上 ×

改善点/課題は?

上述した内容になってしまいますが,やはり時間はかかります.一本読み切るのに大体4~5週間くらいかかる想定です.当番制の勉強会と比較するとこの点が大きな欠点になってしまうかと.単純に読解が進みづらい以外に読んだ内容を忘れてしまうことも度々あります.(そのためにメモを取っている側面もありますが)
これに関しては週2回開催といった対応が考えられます.読んだ内容を忘れづらくなるので1+1=2以上の効果があるかもしれません.ただ本業が当然重要なのでそことの兼ね合いでしょう.

また,理解度にどうしても差が出てしまうのは否めません(これに関しては通常の勉強会もそうでしょうが)
特に若いメンバー(経験~2,3年程度1)が置いて行かれてしまうシーンがあることが気になっています.
メンバー間でも経験や知識量,得意な技術に偏りがあるのである程度はやむなしでしょう,が,"わからないからちょっと待って"と言いづらいこともよくあるので節目で理解度の確認を行う等もっと全体でフォローしていきたいです.
むしろこうやればみんな理解できるように会進められるよ,みたいな知見あれば教えてください!

まとめ

要約するとこんな感じです.

  • 事前準備無しでも勉強会は意味を成す
    • ただメリデメあるので用途に応じてやり方変えるがヨシ
  • 本形式は言語化/説明能力向上に向いてる
    • 普段からoutputを意識して読めるようになる
  • 時間はかかるため腰据えて読む文献を選ぶのがヨシ

下期も継続して本活動を続けていく予定です.
(ちょうど"Factorization Machine"の原著を読み終わったので"Transformer"に移行する予定)

偉そうにいろいろと書き連ねましたが,他メンバーの意見や知見を反映した結果が今の形態であり,ksuzukiが運営にあたって何かしてるかといわれると正直あまり何もしていないです.
チーム運営にあたって最初の一歩を誰が踏み出すかだけが重要であって,その口火さえ切ってしまえば何とかなるということが分かったことも一つ重要な気づきかもしれません.
ですので"そーいう活動やりてーけど主導すんのめんどいなぁ..."と思ってる方は,案外他メンバーもやりたいと思っている可能性が高いので声を上げてみてはどうでしょうか.一旦始まってしまったら手を引けないのは間違いありませんがね!

  1. 若手とはどこまでを指すかはわからず,著者は31なのですが若手なのでしょうか...

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