Pythonには、関数を「名前なしでその場で定義する」ことができる lambda という機能があります。
本記事では、lambda式の基本的な使い方から、map() や filter()、sorted() との実用的な組み合わせまでをわかりやすくまとめます。

lambda式とは？

関数を通常の def ではなく、名前をつけずに1行で定義できる構文です。
lambda は「無名関数」とも呼ばれ、ちょっとした処理をその場で書きたいときに使われます。

lambda式の書き方

lambda 引数: 戻り値

例：

lambda x: x + 1

これは「xを受け取り、xに1を足して返す関数」です。

通常の関数とlambda式の違い

# 通常の関数
def add(x, y):
    return x + y

# 無名関数（lambda）
lambda x, y: x + y

処理内容は同じですが、lambda式は名前をつけずにその場で定義できる点が異なります。

lambda式の基本例

数値を2倍にする関数

double = lambda x: x * 2
print(double(4))  # → 8

文字列の長さを返す関数

get_len = lambda s: len(s)
print(get_len("python"))  # → 6

lambda式 × 組み込み関数の実用例

map関数と組み合わせてリストの要素を2倍にする

nums = [1, 2, 3, 4]
doubled = list(map(lambda x: x * 2, nums))
print(doubled)  # → [2, 4, 6, 8]

filter関数と組み合わせて偶数だけ取り出す

nums = [1, 2, 3, 4, 5, 6]
even = list(filter(lambda x: x % 2 == 0, nums))
print(even)  # → [2, 4, 6]

sorted関数と組み合わせて名前順に並び替える

data = [(1, 'Noro'), (2, 'Nakao'), (3, 'Miyaoka'), (4, 'Kimura')]
sorted_data = sorted(data, key=lambda x: x[1])
print(sorted_data)
# → [(4, 'Kimura'), (3, 'Miyaoka'), (2, 'Nakao'), (1, 'Noro')]

注意点

lambda式は1行でしか書けません（複雑な処理はできません）
条件分岐やループなどを含む場合は、通常の def を使う方が可読性が高いです
あくまで一時的に使いたい簡単な関数に向いています

おまけ：リスト内包表記との違い

以下の2つは、ほぼ同じ結果になります。

# lambda + map
doubled = list(map(lambda x: x * 2, nums))

# リスト内包表記
doubled = [x * 2 for x in nums]

リスト内包表記の方がPythonらしく読みやすいですが、
lambda は map や filter のような関数的な書き方と相性が良いです。

おわりに

lambda は最初はとっつきにくいですが、短く関数を書く手段として非常に便利だと感じました。
特に sorted(), map(), filter() との組み合わせは、Python3エンジニア認定基礎試験でも頻出ですので、この機会にしっかり押さえます！