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驚くほど無料で一瞬でWordPressを用いたブログ環境を構築できた話

Last updated at Posted at 2018-08-15

いやー、ウソっぽいタイトルですね。ですが本当です。

自分でブログ環境を一から作るとなると、
サーバ契約しないといけないとか、独自ドメインとらないといけないとか、
あるいはwebサイトを一から作らないととか、考えることが多く大変です。

しかし今の時代、ブログ環境を簡単に作れるようになっています。

概要

2つの構築方法について記載しています。

  • 一瞬で構築:作業としては5分程度でできるが、カスタマイズ性がない。
  • 時間かけて構築:作業はそれなりに時間かかるが、カスタマイズ性は高い。

一瞬で構築できる方は、エンジニアでない人でも簡単にできます。
サイトのカスタマイズやブログの投稿などはできます。

ただ、プラグインやテーマの追加、wordpressのアップデートなどができないので、
細かい設定の変更ができません。

自分としては、結局時間かけて構築の方にしました。
結構ハマる点も多かったので記載します。

参考:http://blog.createfield.com/entry/2018/02/01/210232

開発環境・ツール

  • OS: MacOS v10.13
  • サーバ: Heroku
  • Webサイト作成ツール: WordPress
  • テンプレート: PhilippHeuer/wordpress-heroku

[補足] herokuとは

heroku

herokuとは、クラウド・アプリケーション・プラットフォームです。
https://jp.heroku.com/

要は、AWSやGCPなどのような、クラウド上のサーバです。
一番の特徴は、個人で使う分には無料で使えるという点です。

自分はよく簡単なwebサイトやAPIを作るときによく利用しています。
heroku上でサーバの立ち上げ、ドメインの作成が容易にできます。

[補足] wordpressとは

webサイトの作成が簡単にできるツールです。
https://ja.wordpress.com/

wordpress

えー、、、実はまだどういう仕組みなのか自分は理解していません...
詳しく理解したら別の記事などに記載します。ただ今のところは、

  • wordpressの管理画面で、ガチャガチャしたらwebサイトが変更できる。
  • そのためには、wordpressとサーバ・ドメインを紐付ける必要がある。

と理解しておけば良いです。

[補足] PhilippHeuer/wordpress-heroku

今回はwordpressをHeroku上で動かせる環境構築を紹介します。
その上で、こちらを使うことで、環境構築が非常に簡単にできました。

どういうものなのかは、上記のReadmeを参照してください。

一瞬で構築

1. herokuアカウントの作成

詳細は省略します。公式ホームページで新規登録をしてください。
自分は事前に、Herokuアカウントを持っていました。
https://jp.heroku.com/

Herokuアカウントを持っている状態から、残りの作業は5分程度です。

2. Deploy to Heroku

https://github.com/PhilippHeuer/wordpress-heroku#gettingstarted
こちらの Getting Started にある Deploy to Heroku をクリック。

Herokuの画面が表示されます。
App nameだけを入力 して、 Deploy App をクリック。

しばらく待ちます。

3. 完成

Deploy App が滞りなく進めば作業完了です。

Deploy完了後に表示されるボタンの、 Manage App をクリック。
-> 画面右上にある Open App をclickすると、作成できたサイトが表示されます。

Deploy完了後に表示されるボタンの、 View をクリック。
-> wordpressの新規登録画面が表示されます。
-> IDやPasswordなどの情報を入力・完了させる。
-> wordpressの管理画面が表示されます。
-> この画面をガチャガチャしたら、作成したwebサイトを編集できます。

以上です、なんて簡単なんでしょう。

時間かけて構築

先程の方法では、事前に用意されたブログシステムをHerokuサーバにアップしています。
ただそれだと、事前に用意されたブログシステムに、我々がアクセスや操作ができません。
なので細かい設定ができないのです。

時間かけて構築する方は、ブログシステムを自分のPC内に構築して、
それをHerokuサーバにアップする方法です。
そのため、細かい設定ができるようになります。

Terminalでの作業が発生するので、一応エンジニアの方向けです。
基本的には、こちらの手順と同じになります。
https://github.com/PhilippHeuer/wordpress-heroku/wiki/Deployment

PCローカル環境でブログシステムの動作を確認することもできますが、
今回はその手順は省略します。

追加:開発環境・ツール

  • Terminal: iTerm
  • Storage: AWS S3
  • etc.

S3とは

Amazon Web Serviceが提供する、クラウドストレージです。
要は、サーバ上で保持したいデータなどを保存しておくところです。
https://aws.amazon.com/jp/s3/

1. herokuアカウントの作成

一瞬で構築と同様。

2. composerをインストール

composerとは、phpのライブラリ管理ツールです。
wordpressはphpで作成されているツールであり、
ライブラリの種類やバージョンを管理するためにcompserを利用します。

自分の場合は手っ取り早く、Homebrewを使ってインストールしました。
Homebrewをインストール済みなら、下記コマンドでcomposerをインストールできます。
※Homebrew: https://brew.sh/index_ja

$ brew install composer

3. git clone

お好きなファイル階層にて、今回使うファイル一式を取得します。

$ git clone https://github.com/PhilippHeuer/wordpress-heroku.git

4. composer install

上記と同じファイル階層で、今回必要なライブラリをインストールします。

$ composer install

5. heroku create

ターミナルでherokuにアクセスできるように、ログインします。

$ heroku login

IDとPasswordの入力が求められるので、それぞれ入力。
続いて、Herokuに今回用いるアプリケーションを作成します。

$ heroku create ドメイン名

ドメイン名は設定しなくても、自動で設定してくれるのでなくても大丈夫です。
好きなドメイン名にしたい場合は付けてください。

6. Herokuの設定ファイルをSecretに

世界に公開するWebサイトなので、重要な設定情報はシークレットにします。

$ heroku config:set \
    AUTH_KEY='SECRET' \
    SECURE_AUTH_KEY='SECRET' \
    LOGGED_IN_KEY='SECRET' \
    NONCE_KEY='SECRET' \
    AUTH_SALT='SECRET' \
    SECURE_AUTH_SALT='SECRET' \
    LOGGED_IN_SALT='SECRET' \
    NONCE_SALT='SECRET'

7. 追加インストール

内容によっては任意ですが、念のためすべて実行しておく方がよいです。

$ heroku addons:create sendgrid:starter #メールシステム
$ heroku addons:create scheduler:standard #Performance向上scheduler
$ heroku config:set DISABLE_WP_CRON='true'
$ heroku addons:open scheduler #schedular設定が開くのでよしなに設定
$ heroku addons:create cleardb:ignite #DBはMySQL
$ heroku addons:create heroku-redis:hobby-dev #キャッシュシステム
$ heroku addons:create papertrail:choklad #ログ出力システム

8. S3の設定

Herokuのファイルシステムは永続的ではありません。
S3設定なしでもブログシステムは作成できますが、
写真などのメディアアップロードが途中で消えてしまいます。

そのため、永続ストレージとしてS3を設定します。
HerokuからS3にアクセスするためには、

  • S3上に今回利用・保存する先(バケット)を設定する
  • S3にアクセスするためのユーザを作成する

の2つの作業が必要です。

AWS作業: AWSアカウント作成

AWSのアカウントを作成してください。
AWSは完全に無料ではなく、数円はかかってしまう可能性があります。(10円くらい?)
https://aws.amazon.com/jp/

AWS作業: S3上にバケットを作成

サービス一覧から S3 を検索して開きます。
S3上でバケットの作成を行います。

バケット名は好きな名前を付けてください、後で使うのでメモも忘れずに。
その他スクショ貼りますが、好きなようによしなに設定してください。

ここでRegionを設定しますが、Regionもメモしてください。

AWS作業: IAMでユーザを作成

サービス一覧から IAM を検索して開きます。
IAM上でユーザを作成します。

アクセスの種類は、プログラムによるアクセスにします。

アクセス許可の設定は、既存のポリシー一覧から、
S3へのアクセスを許可する AmazonS3FullAccess を選択します。

これでユーザの作成ができます。
ここで、アクセスキーとシックレットキーを必ずメモしてください。
※特にシークレットキーは、ユーザ作成後の画面でしか表示されないので注意。

Heroku作業: AWS_S3_URLをHerokuのConfigに設定

S3にアクセスするpluginはDefaultで
PhilippHeuer/wordpress-herokuにあります。

その中には、 AWS_S3_URL というHerokuの環境変数が存在すれば、
メディアの保存はS3に行うという内容が書かれています。

つまり、追加で行う作業は、環境変数 AWS_S3_URL を設定するだけです。

環境変数 AWS_S3_URL の中身は、
AWS_S3_URL=s3://ACCESS_ID:ACCESS_SECRET@s3-REGION.amazonaws.com/BUCKETNAME
という形式です。例えば、

  • ACCESS_ID = fuwaid
  • ACCESS_SECRET = fuwasecret
  • REGION = ap-northeast-1
  • BUCKETNAME = sample

であれば、
AWS_S3_URL=s3://fuwaid:fuwasecret@s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/sample
になります。設定方法は2種類あります。

設定方法1: Heroku管理画面にて

Herokuの管理画面 -> Settings Tab -> Reveal Config Vars にて設定。

設定方法2: Terminalにて

下記コマンドを実行。

$ heroku config:set AWS_S3_URL=s3://fuwaid:fuwasecret@s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/sample

9. herokuへデプロイ

細かい設定が完了しました。それではherokuにアップロード&デプロイします。

$ git commit -am "設定完了" #gitコミット
$ git push heroku master #herokuへデプロイ

エラーなく完了したら、ブラウザを開きます。

$ heroku open

以上です。お疲れ様でした。
あとはお好きなように自分のサイトをカスタマイズしてください。

[番外編] プラグインを入れたい

こちらを参考にしてください。
https://github.com/PhilippHeuer/wordpress-heroku/wiki/WordPress---Plugins---Themes#wordpress-plugins

簡単に作業の概要を書くと、下記です。

  1. WordPress Theme Plugin DirectoryにあるPlugin名とバージョン数をメモ。
  2. composer.jsonの指定箇所にPlugin名とバージョン数を書く。たぶん2箇所。
  3. $ composer update 実施
  4. コミットしてデプロイ。

[番外編] デザインテーマを入れたい

こちらを参考にしてください。
https://github.com/PhilippHeuer/wordpress-heroku/wiki/WordPress---Plugins---Themes#wordpress-themes

概要は同上。

[番外編] wordpress自体のバージョンを上げたい

こちらを参考にしてください。
https://github.com/PhilippHeuer/wordpress-heroku/wiki/WordPress---Update

バージョン数上げて、 $ composer update してコミットしてデプロイですね。

[番外編] 困ったこと: 画像アップロード後のトリミングが必ず失敗する

PHPのGDライブラリが必要なようです。
http://php.net/manual/ja/image.requirements.php

composer.jsonに ext-gd を追加して、 compose update します。

{
    "require": {
        "ext-gd": "*",
    }
}

デプロイし直して、トリミングできるようになってるか確認してください。

[番外編] 困ったこと: AWSシークレットキーが認識されない

シークレットキーに / があると認識されない問題が以前あったようですが、
今はもう対応されているので、問題なく使えます。

[番外編] 困ったこと: S3にアクセスできない[泣きそう]

アクセスキー・シークレットキーが間違っているかもしれません。
S3とIAMの設定があるか確認してみましょう。このサイトが参考になりました。

cloudpack というツールを使って、実際にS3にアクセスできるか確認できます。

[番外編] 困ったこと: S3にアクセスできない[死にたい]

Region、合っていますか?僕は合っていませんでした。涙
S3のURLに us-east-1 と書いてあったので、
Regionも us-east-1 だと思いきや、

サイトを確認したところ、アジアパシフィック(東京)は ap-northeast-1 でした。
これが分からなくて2時間くらい戦ってた...くそぅ...

[番外編] wordpressのhtmlファイルとかどこ?

今回 bedrock というシステムが用いられています。
https://roots.io/bedrock/

これは編集する可能性があるファイルのみローカルに保存し、
wordpressで変更される分はローカルに保存せずにできる、
非常に操作をシンプルにしてくれるシステムです。
なので、htmlファイルなどはサイトを作る上で意識しなくて良いです。

wordpressで変更される分はローカルに保存せず

結局どこに保存してるんですかね...だれか教えてください...

まとめ

タイトルに一瞬とか書いてあるのに、記事めちゃ長いというm(__)m
番外編を見て察した人もいるかもしれませんが、自分はハマりにハマりました。笑

スムーズにいけば、時間かかるやり方も1時間程度でできると思います。
そろそろ自分のブログサイトとか欲しいなーという人の参考になれば嬉しいです。

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