IPアドレスについて
IPアドレスとはネットワーク上で重複することのない一意の識別子(番号)
。
IPアドレスは、インターネットプロコルバージョン4のIPv4アドレスとバージョン6のIPv6アドレスがある。
IPv4アドレスは32ビット(4バイト)で構成され、8ビット(1バイト)毎に10進数表記してドットで接続し、「0.0.0.0」~「255.255.255.255」の範囲のドット付き十進表記
にする。
以降、IPv4アドレスをIPアドレスとして説明する。
インターネットで使用されているIPアドレスがパブリックIPアドレス
と呼ばれるのに対し、インターネットで使用されない自由に利用することができるプライベートIPアドレス
と呼ばれるものもある。
パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレス
パブリックIPアドレスは重複すると通信に影響が出るため一意の識別子である必要がある。
そのためユーザーの好きに設定することはできず、ICANNという非営利法人が一意の識別子を世界規模で調整・管理している。
ICANN の役割についてはこちら
※日本のIPアドレスを直接的に管理しているのはJPNIC
プライベートIPアドレスは名前の通りプライベートなもののため、申請することなく以下の範囲から用途に応じて自由に設定することができる。
クラス | プライベートIPアドレス範囲 | CIDR表記 |
---|---|---|
a | 10.0.0.0~10.255.255.255 | 10.0.0.0/8 |
b | 172.16.0.0~172.31.255.255 | 172.16.0.0/12 |
c | 192.168.0.0~192.168.255.255 | 192.168.0.0/16 |
上からオフィスのネットワーク、下にいくにつれ家庭用ネットワーク等の規模として設定する。
ひとつのLAN(サブネット)に接続する機器数(ホスト数)に応じて、IPアドレスをネットワーク部
とホスト部
に分けて使用する。
ホスト数は自由に選べるが、4、8、16…といった2のn乗
にする必要がある。
ホスト数を256にした場合、IPアドレスの範囲は192.168.0.0~192.168.0.255のようになる。
256の場合、一番右の区切りがホスト部
といい、先頭から3つまでをネットワーク部
という。
CIDR表記
192.168.0.0~192.168.0.255のような表現に対し、ネットワーク部のビット長(prefix)で示す表記方法がCIDR表記である。
上記の場合、ネットワーク部のビットは24ビットであるため、192.168.0.0/24
のように表記を行うことが可能。
このような表記を行ったときはその範囲についてCIDRブロックと呼ぶ。
サブネットマスク表記
192.168.0.0~192.168.0.255のような表現に対し、サブネットマスクは255.255.255.0であるため、192.168.0.0/255.255.255.0
と表記を行うことが可能。
ただ、現在のネットワーク設計や表記方法ではCIDR表記が推奨されている。
IPアドレス規格
現在主流のIPv4(32ビット)とその他にIPv6(128ビット)がある。
IPv4でIPアドレス数が約43億通り振り分けることができるが、近年のインターネット普及により枯渇する恐れが出たため、IPv6が登場した。
IPv6はほぼ無限にIPアドレスを振り分けることができる。
NAT(Network Address Translation)
IPアドレスを別のIPアドレスに変換することのできる技術のこと。
プライベートIPアドレスをNATでネットワークアドレス変換することにより、パブリックIPアドレスになり、インターネットにアクセスすることが可能になる。
種類としてはいくつかあるが、特に使用される機会が多いのは静的NAT(Static NAT)
と動的NAT(Dynamic NAT)
である。
静的NAT(Static NAT:SNAT)
1対1 でプライベートIPアドレスとパブリックIPアドレスを固定的にマッピング。
プライベートネットワーク内の複数の機器が外部と通信したい場合、同じ数のパブリックIPアドレスが必要。
マッピングされたパブリックIPアドレスは安定した外部アクセスが可能。
動的NAT(Dynamic NAT:DNAT)
複数のプライベートIPアドレスを、利用可能なパブリックIPアドレスの範囲から動的に割り当てするため、接続するたびに異なるパブリックIPアドレスが割り当てられる可能性有。
利用可能なパブリックIPアドレスの範囲の数を使い切ると、以降のクライアントは接続できずアドレスが返却されるまで待たないといけない。
パブリックIPアドレスを効率的に利用することが可能。