はじめに
Jetson Xavier NXが発売されました.
この記事ではJetson Xavier NX のセットアップから簡単な使い方を解説します.
以下のページおよび書籍を参考にしています.
開封
外箱:
開封して内容物を確認します.Jetson Xavier NXモジュールと,スタートアップガイド,ACアダプタ,2本のケーブル,が同梱されています.
スタートアップガイドには,「テクニカルサポート,保証情報,ユーザーガイドについてはdeveloper.nvidia.com/embedded/supportをご覧ください」とあるので,そちらを参照しながら準備を進めていきます.
1. イントロダクション
Jetson Xavier NXモジュールのコネクタやインタフェースの配置はこちらを参照してください.
Jetson Xavier NXのセットアップには,開発者キットのほかに以下が必要です.
- microSDカード(UHS-1対応, 16GB以上.16GBでは色んなことを試そうとしたときに全く足りなかったので,64GBか128GBがコスパ的にオススメです)
- キーボード,マウス
- モニタ(HDMIまたはDisplayPortで接続)
- microSDにイメージを書きこむためのPC(microSDと接続できる必要があります.PC側にコネクタがない場合,メモリーカードリーダーがあると便利です)
2. microSDへのイメージの書き込み
こちらにしたがって,Jetson Xavier NX Developer Kit SD Card Imageをダウンロードし,イメージをmicroSDに書き込みます.
microSDカードをJetson NXのスロットに差し込み,HDMIまたはDisplayPortでモニタと接続し,電源ケーブルを差し込むと,緑のランプが点灯してすぐに起動します.
最初に System Configuration をいくつか済ませる必要があります.
ライセンスと規約についてチェックボックスを選択して次へ.
言語はEnglishを選択.
キーボードは日本語配列を使っていたので Japanese - Japanese を選択しました.
あとはネットワーク設定をして,地域は東京を選択して,ユーザー設定を入力し,パーティションサイズを設定します.パーティションサイズはデフォルトの最大値で問題ありません.
初回起動時は下のような画面です.
3. パワーモードの切り替え
右上のMODE 10W 2CORE
をクリックして,Power mode
からパワーモードが選択できます.
初期設定では10W 2CORE
になっていますので,最もパフォーマンスの高い15W 6CORE
にしておきます.
4. パッケージの更新
とりあえずパッケージを最新に更新します.
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
5. メモリ, CPU, GPUの使用率を見る
tegrastats
コマンドにより,メモリ, CPU, GPUの使用率など,現在のステータスを確認できます.
表示の意味はこちらで解説されています.
jtopコマンド
もう少し見やすくするために,jetson-statsが便利です.
$ sudo apt install python-pip
$ sudo -H pip install jetson-stats
$ sudo jtop
ここから先は,キーボードの1
~6
を選択することで,各種情報が参照できます.
1ALL
ボードに関するすべての情報が収集されています.CPU,メモリ,GPU,ディスク,ファン,jetson_clocks(CPUやGPUなど使えるものをすべて使ったうえで動作周波数を最大まで上げるコマンドの使用状況),NVPmodel(電力とCPUの利用に関する設定状況)など,すべてのステータス
2GPU
JetsonのリアルタイムのGPU負荷状況
3CPU
JetsonのリアルタイムのCPU負荷状況
4MEM
リアルタイムのメモリチャートとスワップモニター
5CTRL
jetson_clocks,nvpmodelの設定,およびファンの有効/無効に関する情報.
6INFO
ライブラリ, CUDA, シリアル番号, インターフェースなどに関するすべての情報
5. CUDAのデモを動かしてみる
JetPackには,GPUを効率的に使うためのプラットフォームであるCUDA
が既にインストールされており,ここではCUDA
のサンプルファイルを実行します.
ホームティレクトリにサンプルファイルをコピー.
$ cp -a /usr/local/cuda-10.2/samples/ .
~/samples/5_Simulations
ディレクトリ直下に,以下のフォルダが含まれており,これらがデモのファイルを含んでいます.
fluidsGL
ビルドして,fluidsGL
のデモを実行してみます.
$ cd ~/samples/5_Simulations/fluidsGL
$ make
$ ./fluidsGL
左クリックしながらカーソルを動かすことで,流体のシミュレーションができます.
他のデモも同様に実行できますので,実行例をいくつか載せます.
nbody
$ cd ~/samples/5_Simulations/nbody
$ make
$ ./nbody
oceanFFT
$ cd ~/samples/5_Simulations/oceanFFT/
$ make
$ ./oceanFFT
smokeParticles
$ cd ~/samples/5_Simulations/smokeParticles/
$ make
$ ./smokeParticles
particles
$ cd ~/samples/5_Simulations/particles/
$ make
$ ./particles
最後に
セットアップから簡単なデモまでは以上です.
次回はYOLOv4で物体検出を行います.
免責
本記事の内容は個人的な主張であり,著者の属する企業・集団の公式見解ではありません.
掲載しているコードは著者のメモ程度で,動作を保証するものではありません.