疑問解消ループとMWE検証ループで理解の足場を作る
新しい分野を学ぶとき、最初から体系的な理解を得ようとして迷子になることがあります。体系的な学習が可能になるまでには、いくつかの学習段階があると思います。ここでは、体系的に学べる前段階を、学び始めの段階と作って確かめる段階に分けました。各段階でAIを利用して効率よく学ぶことによって、体系的に学べる状態に早く移行できます。AIはリファレンスや本の代替ではなく、むしろそこへ早く接続するための足場になります。
学び始めの段階(ChatGPTで疑問解消ループを高速に回す)
学習初期では、まず「何を掘り下げたいのか」を決めて、大きめの質問を投げます。そして、生成された回答を読み進めていくと、知らない用語や理解が曖昧な箇所が次々に出てきます。そこをマウスでドラッグして、「ChatGPTに質問する」でさらに質問を行い、回答を得ます。その回答から新たな疑問が生じたら、同じように質問を重ねます。
このように質問を繰り返すことで、短時間で知識を広げることができます。この段階では、深い考察よりも疑問解消ループを速くたくさん回すことを重視します。未知の概念を吸収して、頭の中に新しい地図、つまりメンタルモデルを作ることが優先です。
学び始め段階での学習フローチャート
回答の中から疑問が出なくなったら、いったん回答から離れて、ほかに気になるものを選び、また大きめの質問を投げて、ふたたびループを回します。頭の中に大まかな地図ができてきたら次に移ります。
作って確かめる段階(MWE検証ループを回す)
この段階では、すでに頭の中に地図があります。しかし、自然に手を動かせるほど概念が馴染んでいるとは限りません。そこで、ChatGPTやCodexを使って、学んだ内容を確認するための最小実行例、つまりMWEを作ります。MWEとは、確かめたいことだけを含む最小の実行例のことです。ここでは複雑なアプリケーション作りが目標ではありません。気になる構文、関数の入出力、仕様などを、実行可能なコードに落とし込み、動作を予想して実行します。
ここで前提になるのは、検証する対象はChatGPT等の回答だけに限らないということです。公式リファレンスを読んで気になった仕様、本で出てきた考え方、サンプルコードで疑問に思ったことなども、MWEでの検証対象になります。大まかなメンタルモデルができているため、リファレンスや本の体系的説明が読みやすくなっています。
作って確かめる段階での学習フローチャート
読んで得た知識は、MWEで小さく試すことで、自分の手で再現できる理解に変わります。
まとめ
最初は、質問から質問をつなげて、理解の足場を作ります。次にMWEを作って確かめます。頭の中にイメージができたら、これらと並行して、公式リファレンスや本から体系的な理解を得ます。
この三つのフェーズを行き来することで、AIを使った学習はより実践的で、かつ正確なものになります。