FibreChannel(以下FC)は主にSAN(Storage Aria Network)を実現した技術で、1990年台に日本へ入ってきました。
当時まだEhternetはFastEthernet(100Mbps)、SCSIはUltraWide2(40MBs)でパラレル接続の時代に、FC製品は、266Mbps/1Gbpsの超高速かつ、シリアル接続という画期的な技術でした。接続はCupper(銅線 DB-9コネクタ)もしくはOptics(光ケーブル SCコネクタ)で接続し、シングルモードの光ケーブルを使用するとポート間は最大10㎞(シングルモード)での接続も可能でした。私はその草創期となる1997年からFCのエンジニアとして携わってました。
FCは上位層に様々なプロトコルをサポートしていることで、当初は今のようにストレージ接続用だけではなく、TCP/IPもサポートしている製品もあり超高速なネットワークインフラとしても活用されてました。

その後、GigabitEthernet(1Gbps)が出てきたこともあり、FCのバッファクレジットによる非常に信頼性の高い通信品質、チャネル技術でありストレージ接続用のSCSIプロトコルとの親和性が高いことから、ストレージとの接続で広く使われるようになりました。そして、FCスイッチ(Fabric)を使うことにより、ネットワークのようにホストサーバとストレージを多対多で接続して利用するSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)に発展しました。
FCの技術が他と明確に違う点は、ポートという論理概念があることです。上記の接続形態でケーブルにて繋いだポートとポート同士は互いに接続が可能な種類のポートに設定することが必要です。
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【スイッチのポート】
★それぞれに変更できますが、互いに接続できるポートは決まっております。
F_Port : ノードとの接続におけるFCスイッチのポート→N_Portと接続
FL_Port: ノードとのループ接続におけるFCスイッチのポート→NL_Portと接続
E_Port: FCスイッチ間接続をするFCスイッチのポート→E_Portと接続
G_Port:Generic Port E_Port または F_Port として動作し得るスイッチポート
GL_Port:Generic Loop Port。FL_Port または F_Port として動作し得るスイッチポート。
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【ノードのポート<HBA、ストレージなど>】
★サポートしているポートに変更できますが互いに接続できるポートは決まっております。
N_Port: Point-to-Point接続もしくはFabric(スイッチ)へ接続するノードのポート
→ P2Pではノード同士はN_Port、スイッチとの接続はF_Portと接続する
NL_Port:FC_AL(ループトポロジー)をサポートしたノードのポート
→NLもしくはFL_Portと接続
上記のそれぞれのポートは接続形態によって使い分けます。
1.Point To Point接続の場合:互いに相手のN_Port にログインをして互いの情報を交換します。
2.Arbirated Loop(FC_AL)接続の場合:Loopの中で一番優先順位(Loop_IDもしくはWWPNで決定)の高いポートがマスターとなって全デバイスを管理します。
3.Switched Fabricの場合:スイッチのポートに接続したN_PortからのF_Portログインという動作があり、N_Portは自分の情報をスイッチに登録します。これによりスイッチはどのポートにどのようなデバイスが接続されているのかすべて管理します。
スイッチ同士は最大2000ms以内にそのリストを同期します。FSPF(Fabric Shortest Path First)という経路制御プロトコルにより、Fabric内の全てのパスを管理しますので、例として以下のようにスイッチ間を接続して経路が沢山ある構成にしてもループは発生しません。

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FibreChannel技術/製品のあゆみとATTOのFC製品の取り組み
ATTO Technologyは、1990年台から今でもFC製品を継続して市場に共有しているベンダーで特にApple社MacOSをサポートしていることを強みとして、FC-SAS変換ブリッジや、Thunderboltインターフェースを使ってFCや高速Ethernetに接続できるユニット(Thunderliknk™)、FC-SANのパス管理ソフトや様々な無料の管理ツールを提供しているユニークな会社です。
ATTO Technology
FCの進化の流れに沿ってATTO社の取り組みも紹介します。

【1996年】 この辺りで日本にFC製品が登場 266Mbps/1Gbps
前述したとおり、GigabitEthernet出てきて使われるようになるまでは、FCで上位にTCP/IPを乗せてFastEthernet(100Mbps)よりも広帯域のネットワークとして使われることが多かったです。私も数多くの266Gbpsのネットワーク構築やFastEthernet←→FC266のソフトウェアルータ装置を導入しました。
【1997年】 1Gbpsの各社の製品が市場に出始める
このころは、サーバベンダー各社で採用しているバスインターフェースが違ったりしたので様々なFCのインターフェースカードがあったのを覚えてます。SunMicrosystemのSBus IBMのRX6000のMAC、EISA・・・PCIと・・・同じモデルのインターフェースカードでも接続バス(コネクタ)の種類が豊富にありました。その後、ほぼPCIに統一され32bitから64bit、拡張版のPXI-Xとなりました。そして転送速度がパラレル転送の限界に達して、現在のシリアル転送のPCI-Expressに進化しております。
【1998年】 FCスイッチ(Fabric)を使用してSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)が啓蒙され始める。ATTOがFC-HBA「Celerity™」1Gbps製品を発表
【1999年】 GigabitEthernet製品が市場に投入されはじめ、iSCSI技術に関心が集まりました。
各社からFCのスイッチ、ブリッジ、HBA、FC対応ストレージが次々に発表されましたが、ベンダー間の相互接続で数々の懸念点がありました。ファイバチャネル技術団体であるFCIA-J(ファイバチャネル・インダストリ・アソシエーション・ジャパン)では、その懸念点を払拭するために、団体に所属している各社が異種ベンダーの機器を持ち寄って相互接続検証を定期的に実施しました。私もこの相互接続検証に参加して各種の相互接続検証をしました。
【2000年】 1Gbpsから2Gbpsに進化した製品が発売されました。
2Gになってポートの光コネクタがそれまでのGBICトランシーバからSFP/SFFトランシーバとなり、光ケーブルもSCコネクタから、LCコネクタとコンパクトになりました。

銅ケーブルは、一般的なシリアルケーブルコネクタのDBー9からHSSDC(High Speed Serial Data Connector)になりました。
FCIA-Jにて、まだ日本にはFCの日本語で詳しく解説されている書籍がなく皆苦労している、せっかくFCのエンジニアが集まっているのだから、日本初のファイバチャネル技術解説書を作ろうとなり、FCIA-Jにて日本初のファイバチャネル技術解説書第1版が出版されました。

私も僭越ながら、FC-HBA(ホストバスアダプタ)の章を執筆させていただきました。
【2002年】SANが本格的に注目を集め、多くのサイトで使われるようになりました。
【2003年】FCIA-JがJDSF(ジャパンデータストレージフォーラム)と合併、内容を大幅に刷新したファイバチャネル技術解説書第2版が出版。私も前回同様に多くのアップデートをしたHBAとFCIPの章を執筆しました。2Gbpsがベースですが基本的な部分は今でも変わっていないのでFCに興味のある方は是非ともご覧ください。

JDSFは現在も活発に活動を続けております。私はそのエデュケーション部門に長年所属してます。
今でも年に3回程度、ビギナー向けストレージ講座の"ストレージネットワーキングの基礎"のセッションの講師でFC-SAN,IP-SAN,NASの違いや進化するストレージ技術をお話しさせてもらってます。
JDSFサイト JDSFエデュケーションサイト
【2004年】2Gbps から4Gbpsへ
FC-SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)が普及し、一部のスイッチではスイッチ間接続用として、FC-10Gbpsが使われてました。
NAS(Network Attached Storage):ファイルサーバとストレージを同一筐体にした製品が一般化してきました
ATTOはFC/SASの製品に通信品質を向上させるATTO Advanced Data Streaming™レイテンシー管理技術を搭載しました。ATTOはFC/SASの製品に通信品質を向上させるATTO Advanced Data Streaming™レイテンシー管理技術を搭載しました。

【2006年】8Gbpsへ 私の記憶では、この辺りでFCーSANは非常に多くの方々が利用するようになり技術的にも安定しました。この8Gbpsの時代が一番長かったと思います。
10GbpsのEthernetがそろそろ出始め、なんとこのEthernetにFCをカプセル化するFCoE(FibreChannel over Ethernet)という技術が発表されました。
【2010年】 iSCSIイニシエータが各OSに標準で搭載されるようになり、かつEthernetが高速(10/25/40Gbps)化して、iSCSIを使ったIP-SANが浸透してきました。
その高速なEthernetを使ったFCoE(FibreChannel Over Ethernet)をサポートしたCNA(Converged Network Adapter)やスイッチも出てきました。
このころはよく、FC-SAN(8G- FC)とIP-SAN(iSCSI 10G-Ethernet)でどちらが良いの?という話がでておりました。ATTO Technology社がこのFC-SANとIP-SANを比較した面白い記事を出してます。

Guide-Ethernet-or-FC-Demanding-Applications
【2010年】ATTOがパス管理ソフトMultiPathDirecotrを発表
ATTOは、FC/SASの冗長パス(ロードバランシング、フェイルオーバ)を実現するMultiPath Director™を提供し、macOS環境を含む高可用SAN構成を支援しました。。

【2012年】16Gbps 16GbpsからはFCの規格ではFC_ALはサポートを終了
16GbpsのFCからFC_ALがサポートしないことになりDAS接続がPoint To Pointになりましたが、当時、8Gbps(FC_AL)のストレージ製品は多く使われており、16Gbpsのストレージ製品と混在するケースが多々あり混乱が生じたのを覚えてます。
このため、FCベンダー各社はFC_ALもサポートする製品をラインナップに加えました。ATTOはいち早く16GのFC-HBAでもFC_ALをサポートする製品を出していました。
従ってFC-16Gbpsの製品はFC_ALをサポートしているモデルとサポートしていないモデルがあるので注意が必要でした。
【2018年】32Gbpsが発表されると、FC製品はそれまで転送速度(FC-4G,FC-8Gbps,FC-16Gbps)で区別していましたが、世代で表すようになり32GbpsのFCは「FC-Gen6」と呼ばれるようになりました。これにともないFC-16GbpsはGen5となりました。
このころからストレージはHDDからSSDに移行しはじめましたが、もともとHDD(回転ディスク)用のSCSIプロトコルではSSDの性能を充分に発揮できないため、SSDに特化したNVMHCI (Non-Volatile Memory Host Controller Interface)→ NVM Express (NVMe)プロトコルが登場しました。
これに沿って、FCでもNVMeをFC-NVMeにてサポートしました。SCSIより膨大なQuqueサイズはまさにSAN(ストレージエリアネットワーク)に最適な上位プロトコルです。
そして、FCは数々の上位層をサポートできる機能をもっています。スイッチがFabric内の全てのポートのデバイスがどのような役目(イニシエータなのか?ターゲットなのか?)で、どのような上位プロトコル(TC/IP,SCSI,NVMe)を使うのかを全て把握します。これによりFCはSCSIプロトコルとNVMeプロトコルを共存させることができます!
ですので物理的な変更はしないで(FWとドライバ等のアップデートは必要)SCSIのストレージ機器とNVMeのストレージ機器を同時に利用することが可能なのです!

ATTOが、SASのストレージやTapeドライブをFCやiSCSIに変換するブリッジ XstreamCoreを発表 これにより簡単にSASのデバイス(ストレージ、Tapeドライブ)を容易にFC-SANやIP-SANに接続し管理することが可能となりました。

【2023年】FC-Gen-7 (64Gbps)の製品が出揃いました
ATTOはストレージとの接続を一元管理し、使用状況に併せてホスト(ドライバパラメータ)をチューニングするプロファイル(ストレージ各社用あり)を容易した管理ソフトATTO360™Storageをリリースしました。
ホストとストレージを接続する際に、ホスト側のインターフェースのチューニングは必須です。チューニングが必要なパラメータはストレージベンダー各社によって違います。ATTOはこれをストレージベンダーと入念な検証を行って最適なパラメータをプロファイル化して、このATTO360Storageに持ってます。ATTO360Storageを使うことにより、接続するストレージやTapeに併せて用意されているプロファイルを選択するだけで、簡単にホスト側のATTOのイニシエータ(HBA/ThunderLink)のドライバのパラメータを接続先に併せて最適化できます。これをATTOは無償で提供しております。

【2025年】 FC-Gen8(128Gbps)製品が発表されました。
FC-RDMA(Remote Direct Memory Access)を策定
NVMe-oFではFC-NVMeを使っていましたが、FC-RDMAを追加することで、従来のFC-NVMeよりもさらにCPU負荷が下がり、遅延の少ない超高速なNVMeストレージアクセスが可能になります
ATTOがThunderLink™にThunderbolt™ 5対応モデルを追加、またFCではありませんがXstreamCORE®シリーズにTapeドライブ向けの廉価版であるXstreamCORE® 8100Tを発表しました。より手軽にSASテープドライブをIP-SANに簡単に接続できるようになりました。

如何でしょう?Fibrechannleの進化の歴史とATTO Technology社のFC製品への取り組みを紹介させていただきました。今後もFibreChannelの動向に関しては注力していきたいと思ってます。
本記事は弊社の技術コラムでも紹介してます。
FibreChannelの進歩とATTO Technplogy
