「利用規約をご覧ください」ってよくみますね
日常生活で「利用規約」なるものに遭遇したことはありませんか。
書面でよくある「小さい文字の記載があって、歳を重ねるたびに読むのも相当大変」ですよね。
必ず何かしら契約する際に付帯されています。
この利用規約ですが、日常生活ですとなかなか読みづらいのでライフハックとまではいきませんが、写真に撮ってAIで要約してもらうとなかなか便利だったりします。
利用規約について
さて、今回ですが、「顧客とサービス提供側を繋げる契約」いわゆる利用規約についてのお話ですが、何気なしに文字の誤字脱字であったり、文字切れなどのチェックだけになっていたりしませんか。
利用規約自体、サービス提供側が法務に依頼して、作成してもらうことが通例かと思います。また、個人情報の取り扱い(いわゆるプライバシーポリシー)についても、別途ドキュメントが存在しますよね。
概ね、以下のような記載が多いです。
・ アカウント・登録
・ サービスの利用
・ 禁止事項
・ 運営側の免責・権利 など
利用規約は特にユーザー/法人とサービス提供元による契約となるため、契約内容を履行できるようなシステムになっていることをついつい失念しがちですが、大事なことだと考えています。
*とはいえ、ユーザーである私も読み飛ばすことが多いのですが、何か問題があるとチェックしちゃいますよね。
そんなこともあり、利用規約の内容が果たして、現在のシステム内容と一致しているかをレビューしましよう!というのが今回の趣旨です。
昨今のSaaSだと正直それほど重厚な利用規約とはなっていないケースも多々ありますが、
提供サービスによっては、かなり分量が多いケースもあります。
全文を人間が読み込んで理解できれば良いのですが、流石に観点の洗い出しは大変なので、
AIさんに頑張っていただきます。今回は以下のカラムでAIに生成を依頼しました。
ただ、この内容はテストとして使用しすることは考えていません、付き合わせるポイントとしては、現在の提供システムと乖離がないか、といった視点でレビューするための叩き台に活用します。
AIがない時代に利用規約をレビューしたことはあるのですが、相当時間がかかりました。
今ならAIに支援してもらえることでレビューも楽になると思います。
あくまでチェックするための支援と考えていただけると良いので、もちろんシステム要件とは定義されておらず、運用でカバーする面もあります。
以下はQiita様の利用規約を例に生成してみた結果
(参考 https://qiita.com/advent-calendar-terms)
プロンプトは以下の通り。相当雑です。
*Claude sonnet 4.5を利用していますが、利用規約が長文の場合はNoteBookLMで出力した方が引用先もわかりやすいと思います。

Qiita利用規約 システム整合性チェック観点
1. アカウント管理関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| アカウント唯一性 | 第3条2項 | 1人1アカウントのみ保有可能 | ・同一ユーザーによる複数アカウント作成の防止機能 ・メールアドレス、外部サービスIDの重複チェック |
| 登録情報管理 | 第3条3項 | 登録情報の最新性・正確性維持 | ・登録情報変更機能の提供 ・変更履歴の記録 |
| ユーザー名制限 | 第4条3項 | 不適切なユーザー名の禁止 | ・暴力的表現、反社会的表現、性的表現のフィルタリング ・知的財産権侵害チェック |
| パスワード管理 | 第4条1項、5項 | 自己責任での管理と不正使用時の通知 | ・第三者漏洩時の連絡機能 ・不正アクセス検知機能 |
| 外部サービス連携 | 第4条6項、第10条 | 外部認証システムとの連携 | ・Twitter、Google、GitHub等との認証連携 ・外部サービス利用規約の遵守 |
2. Organization機能関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| メンバー管理 | 第5条2項 | 管理者による参加・離脱管理 | ・管理画面での参加・離脱操作機能 ・権限管理機能 |
| 最低人数制限 | 第5条3項 | 2名以上の所属が原則 | ・メンバー数のバリデーション ・2名未満時の警告表示 |
| 記事の紐付け | 第6条1項、3項、4項 | 個人/Organizationの選択可能 | ・投稿時の所属選択機能 ・脱退後の記事状態維持 ・複数Organization所属時の選択機能 |
| Organization削除 | 第5条6項 | 規約違反時の削除・凍結 | ・管理者による削除機能 ・一時的な利用停止機能 |
3. 投稿内容・著作権関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| コンテンツ利用許諾 | 第7条1項 | 無償での利用権許諾 | ・投稿時の利用許諾同意 ・再許諾範囲の明示 |
| 著作者人格権 | 第8条1項(ii) | 著作者人格権の不行使 | ・公表権、氏名表示権、同一性保持権の取り扱い明示 |
| コードの利用 | 第7条3項 | コード・スニペットの無償使用許諾 | ・商用・私用問わない使用許可の表示 |
| ライセンス対応 | 第8条3項、4項 | Creative Commons、GPL等対応 | ・ライセンス選択機能 ・各ライセンスに従った取り扱い |
| 投稿内容の保存・削除 | 第7条6項 | 当社による自由な保存・削除 | ・違反投稿の削除機能 ・保存データの管理 |
| 退会後の取り扱い | 第9条 | 資格喪失後も投稿内容利用可 | ・退会後も投稿データの保持 ・ユーザー情報との関連付け維持 |
4. 遵守事項・禁止事項関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| 投稿内容の適合性 | 第11条1項(i) | エンジニア知識の記録・共有 | ・投稿内容の主旨チェック機能 ・不適切投稿の報告機能 |
| 宣伝広告制限 | 第11条1項(iii) | 宣伝広告・販売目的の制限 | ・広告判定ロジック ・アフィリエイト検出機能 |
| 是正要求対応 | 第11条2項 | 1週間以内の是正・削除要求 | ・是正要求通知機能 ・期限管理機能 ・非公開設定機能 |
| 法律違反行為 | 第11条3項 | 知的財産権侵害等の禁止 | ・著作権侵害検出 ・個人情報・機密情報の検出 ・不正アクセス防止 |
| 社会的不適切行為 | 第11条4項 | 差別的表現、誹謗中傷等の禁止 | ・不適切表現のフィルタリング ・なりすまし検出 ・通報機能 |
| 違反時の対応 | 第11条6項 | 記事非公開・アカウント凍結削除 | ・投稿非公開機能 ・アカウント凍結・削除機能 ・通知機能 |
5. アカウント凍結・削除関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| 凍結・削除事由 | 第12条1項 | 不正確情報、不正使用等 | ・情報正確性チェック ・不正使用検出 ・他サービス連携状況確認 |
| 他サービス連携 | 第12条2項 | 連携サービスの利用不可 | ・Qiita Team等連携サービスのアクセス制御 |
6. サービス提供関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| サービス変更通知 | 第13条1項 | お知らせ・ブログでの通知 | ・変更内容の通知機能 ・お知らせ表示機能 |
| サービス中断 | 第13条2項 | 予期せぬ不具合、メンテナンス等 | ・メンテナンスモード機能 ・緊急停止機能 |
| サービス終了 | 第13条3項 | 10日前の予告 | ・終了予告通知機能 ・最低10日間の猶予期間管理 |
| 退会処理 | 第14条 | ユーザー自身による終了 | ・退会手続き機能 ・データ保持ポリシーの適用 |
7. 個人情報・プライバシー関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| プライバシーポリシー | 第17条 | 別途定めるポリシーに従う | ・プライバシーポリシーへのリンク ・個人情報保護機能 |
| 登録情報の表示 | 第1条 | ユーザー名、メール等の表示 | ・個人特定情報の注意喚起 ・表示制御機能 |
8. 知的財産権関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| サービス知的財産権 | 第18条1項 | 当社または第三者への帰属 | ・著作権表示 ・商標表示 |
| 無断使用禁止 | 第18条2項 | 私的使用範囲を超える使用禁止 | ・利用範囲の明示 ・無断転載検出 |
9. 反社会的勢力排除関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| 反社チェック | 第19条1項 | 反社会的勢力との関係なし | ・登録時の確認・保証 ・定期的なチェック体制 |
10. 権利譲渡関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| 営業譲渡通知 | 第20条 | 10日前の予告と情報開示 | ・譲渡予告通知機能 ・ユーザー情報・投稿内容の移行機能 |
11. 準拠法・管轄関連
| チェック観点 | 規約条文 | システム要件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| 準拠法 | 第21条1項 | 日本法準拠 | ・規約の日本法適合性 |
| 管轄裁判所 | 第21条3項 | 名古屋地裁/簡易裁判所 | ・規約への管轄明記 |
チェック実施時の注意点
- データ整合性: 規約で定められた制約がデータベースレベルで担保されているか
- 機能網羅性: 規約で定められた機能がすべてシステムに実装されているか
- UIの明示性: ユーザーに対する規約内容の適切な表示・同意取得
- ログ・監査: 規約違反検出や対応のためのログ記録機能
- 外部連携: 外部サービスとの連携における規約遵守
- バージョン管理: 利用規約改定時のシステム対応状況