はじめに
2025年5月、私はITとは無関係の40代公務員でした。
2026年5月現在、GitHubに14のリポジトリを公開し、private含めると23のプロジェクトを開発しています。AIエージェントフレームワーク、物販管理システム、LINE Bot予約システム、LLMルーティング基盤——。
プログラミングの専門教育は受けていません。コードの読み書きはAI(LLM)に委ねています。
それでも1年でここまで来れたのは、AI(LLM)を「開発パートナー」として使いこなす手法を確立したからです。
本記事では、非IT人材がプロンプトエンジニアリングで開発者として生き残るための5つの戦略を、私の実体験から具体的に解説します。
5つの生存戦略
戦略1: 「プロンプト力」を武器にする
最初はコードを直接書けないことを恥じていました。でも、書けないからこそAIに的確な指示を出す力が鍛わったと気づきました。
# 私が書く「指示」(自然言語)
「在庫データから価格が変動した商品だけを抽出して、
変動率が大きい順に並べてSlackに通知して」
# AIが書くコード(プロンプトから自動生成)
大事なのは「何を作りたいか」を明確に言語化する力です。公務員で培った「要件を整理する力」がここで活きます。
実践: まずは日本語で「やりたいこと」を書き出す練習から始めてください。
戦略2: 全ての判断を記録する(SSOT)
個人開発で一番の敵は「忘れること」です。3日前に何を考えてあの設計にしたのか、なぜあの技術を選んだのか。
私は Single Source of Truth(SSOT) という仕組みを作りました:
obsidian-ssot/
01_DECISIONS/ ← 「なぜそう決めたか」の履歴(592件)
10_DAILY/ ← 毎日の作業ログ
00_SYSTEM/ ← 全体ルール・用語集
- 意思決定の履歴: 592件
- 毎日の作業ログ: 365日分
- 全て相互リンクで参照可能
この仕組みがあれば、数ヶ月前に何を考えたか即座に思い出せます。
実践: CLAUDE.md というファイルにルールを書き、AIに自動記録させる仕組みをお勧めします。
戦略3: LLMを使い分ける(コスト最適化)
AI開発で最も大きいのはAPIコストです。1ヶ月で 27億トークン を消費しています。
| 用途 | モデル | コスト |
|---|---|---|
| 日常的な開発 | GLM-5.1 | 月額$160 |
| 大量処理・フォールバック | MiniMax | 必要時のみ |
| 複雑な設計判断 | Claude Sonnet | 月額$220 |
z.ai Max($160/月) で Claude Pro の60倍の使用量を確保。Claude Max($220/月)は複雑な設計のみに限定。
この使い分けで 月額$380で企業レベルの開発環境 を実現しています。
戦略4: 小さく作ってすぐ動かす
コードの専門知識がないので、「設計書を完璧にしてから実装」は不可能です。代わりに:
- 最小限の動くもの をAIに作らせる
- 実際に動かして 期待通りか確認
- 少しずつ改良 する
これを1日10〜20回繰り返します。公務員の仕事で言うなら、「最初から完璧な通達を出す」のではなく、「ドラフトを出して関係各課と擦り合わせる」感覚です。
戦略5: テストで品質を担保する
コードの専門家でなくても、動作で証明 すれば品質は担保できます。
私のメインプロジェクト(atelier-kyo-manager)では2,162個のテストが通過しています:
2162 tests passed, 0 failed
コードの意図は分からなくても、「このテストが全部通っていれば正しく動く」という事実で品質を担保します。
Mutation Testing(変異テスト)も導入し、テストの質も客観的に測定しました。
リポジトリカテゴリ分類
1年の成果(客観データ)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| GitHubリポジトリ | 14公開 + 9非公開(計23) |
| 意思決定ログ | 592件以上 |
| 月間トークン消費 | 27億以上 |
| テスト数(最大プロジェクト) | 2,162件 |
| 技術スタック | 15種類以上 |
| MCPサーバー | 15個運用 |
非IT人材へのおすすめロードマップ
1ヶ月目: 環境構築
- Claude Code CLIをインストール
- WSL2(Windows)またはMac環境を用意
- 最初の「Hello World」をAIに作らせる
2〜3ヶ月目: 小さなツール作り
- 「毎日の作業を自動化したい」ものを1つ作る
- 私の場合: 価格スクレイピングツールが最初
4〜6ヶ月目: 本格的なアプリ
- Flask or FastAPI でWebアプリを作る
- 私の場合: 物販管理システム
7〜12ヶ月目: ポートフォリオ公開
- GitHubで公開
- Zennで技術記事執筆
- 私の場合: AIエージェントフレームワーク + 23リポジトリ
おわりに
「コードが書けない」は恥ではありません。
重要なのは:
- 何を作りたいか言語化する力(プロンプトエンジニアリング)
- 全てを記録する習慣(SSOT)
- AIを使い分ける知識(LLMルーティング)
- 少しずつ確かめながら進める手法(反復開発)
- テストで品質を担保する思考(TDD)
公務員という仕事で培った「要件整理」「記録」「確認」のスキルは、AI開発で強力な武器になります。
IT企業への就職→数年後の独立を目指して、現在も毎日開発を続けています。
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この記事はClaude Code(GLM-5.1)と一緒に書きました。
本記事は個人Zennでも公開しています。