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【続編1】NetSuiteの電子帳簿保存法対応 - 柔軟性を活用してより便利に(サンプルスクリプトのデモ)

Last updated at Posted at 2025-05-12

前回のあらすじ
前編 では、標準機能である「NetSuite電子取引データ保存」のみを使用して、電子帳簿保存法(電帳法)に対応できることをご紹介いたしました。

続編の第一弾である本稿では、NetSuiteの強みである柔軟性を活用して、電子取引データ(ETD: Electronic Transation Data)の登録を自動化する方法を、見積作成のシナリオを使用して、ご紹介いたします。

今回のデモ内容
見積をNetSuiteで作成し、「保存」ボタンを押す。

  • 自動生成された見積書PDFが、電子取引データ(ETD)用のファイルキャビネットに保存される
  • 電子取引データ(ETD)レコードが自動作成される(取引日・金額・取引先も自動入力)
  • 見積トランザクションと、PDFファイルを含む電子取引データ(ETD)が、自動的にリンクされる

デモのシナリオ

  • 見積を作成し「保存」ボタンをクリック
  • PDFファイルの手動アップロードや手入力は不要

サンプルスクリプト

  • ue_auto_attach_etd.js: 見積の保存時(afterSubmit)にPDFを自動生成し、ETDレコード作成処理を呼び出す
  • helper_etd.js: ETDレコード作成およびファイルリンクを行うヘルパー

※「EtdAutomationSample1.zip(ソースコード、デプロイ手順書)」(© 2025 Takusuke Fujii)は、CC BY 4.0(原作者名の表記が必要)で自由に共有・改変・配布可能ですが、無保証につき著作者は一切責任を負いません。

デモのスクリーンショット
【Step 1】見積を新規作成(保存前)
image.png

【Step 2】見積を保存
・保存した直後、自動でETDレコードが作成され「Electronic Transaction Data」サブタブに追加されました。
image.png

・見積書PDFファイルも、ETD用のファイルキャビネットに自動的に保存されました。
image.png

・ETDレコードを開くと、ドキュメント名、取引日、金額、取引先がすべて自動で入力済みなことが確認できました。
image.png

スクリプトの解説

  • PDFファイルの、ETD用のファイルキャビネットへの生成(ue_auto_attach_etd.js): NetSuite標準関数 render.transaction() を利用してPDFを生成します。
  • ETDレコード作成(helper_etd.js): ETDカスタムレコードを作成し、トランザクション情報(取引日・金額・取引先)を自動で登録します。
  • PDFファイルとETDレコードをリンク(record.attach()関数): 生成したPDFファイルとETDレコードをリンクして、法令で求められる検索性を確保します。

※あくまで参考のためのサンプルであり、動作保証はありません。

次回以降でご紹介する自動化案

  • メール受信で自動登録: 仕入先請求書メールを受信後、添付されたPDFをETDとして自動登録(OCR機能は3rdパーティーソリューションを使用する可能性大)
  • Drag&Drop自動連携: ETD用のフォルダにドラッグ&ドロップしたPDFを自動でETD登録
  • 未添付アラート: ETDファイルやレコードを作成漏れのトランザクションを、週次で検知し担当者に通知

NetSuiteの柔軟性
話題の生成AIから、地味だけどクリティカルな法令対応まで、NetSuiteはアイディアを直ぐに形にできてしまう、稀有なERPと言えます。ユーザー企業様に眠っているアイディアの宝庫を、ザクザク発掘できてしまうかもしれません。そのお宝さがしの「地図のカケラ」にでもなりましたら、幸いです。

【前編】NetSuiteの電子帳簿保存法対応 - 標準機能でカバーできること

© 2025 Takusuke Fujii
本記事は CC BY 4.0(原作者名の表記が必要)で自由に共有・改変・配布できますが、無保証につき著作者は一切責任を負いません。

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