NetSuite 2025.1リリースの主なポイントを「機能の追加/改善」「お客様への依頼事項」「リスク」という視点で簡潔にまとめました。すべての内容は、NetSuite 日本語コミュニティにて2025年2月20日に公開した資料 (「NetSuite 2025.1 リリース内容のご紹介_20250221.pdf」) をもとにしています。その解説動画も随時追加して参りますので、(NetSuite日本語コミュニティのリリース2025.1主要なアップデート) もぜひご確認下さい。
■ 機能の追加/改善
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ユーザー体験・UIの向上
- 「レッドウッド・エクスペリエンス・テーマ」の強化により、操作画面の洗練やロールごとの色分けが可能になり、可読性と操作性が改善されます。
- AIプリファレンスの一元化やテキストエンハンス機能の拡張など、文章作成作業の効率化が期待できます。
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業務効率の向上(会計・生産管理・サプライチェーンなど)
- 収益管理:収益要素の結合(マージ・レベニュー・アレンジメント)の厳格化や、収益認識フィールドマップの拡充により、収益計上業務の一貫性と正確性が強化されます。(アドバンスト収益管理を使用中のお客様に限られます。)
- 供給計画の強化:サプライヤーフィルタなど計画範囲を絞った更新が可能になり、共有計画作成のパフォーマンス向上が見込まれます。
- 製造ルーティングの柔軟化:Start-to-StartやFinish-to-Startの設定など、より細かくオペレーションを制御できるため、生産計画を最適化しやすくなります。
- CSVインポート拡充:アイテムフルフィルメント(配送)と受領がCSVインポート対象に加わり、外部データの取り込み・更新が迅速化します。
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セキュリティとガバナンスの強化
- 外部ケースの応答ページに有効期限付きリンクを導入し、不正アクセスや情報漏洩リスクを低減。
- OAuth 2.0/RSA-PSS対応やSuiteSignOnのサポート終了などにより、認証方式が強化されます。
- Ext JSライブラリの削除など、古い方式からの移行を促進し安全性を高めるアップデートが行われます。
■ お客様への依頼事項
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リリースプレビュー環境での事前検証
- 2025.1リリース前に「リリースプレビュー環境」を申請・利用し、カスタムスクリプトや運用フローが問題なく動作するか確認をお願いします。
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認証方式やデータソースの移行準備
- SuiteSignOn(アウトバウンドSSO)→OIDCプロバイダーの早期切り替え
- RSA-PKCSv1.5のサポート終了に伴い、RSA-PSSやEC鍵への移行
- NetSuite.comデータソース→NetSuite2.comへの移行
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カスタムスクリプト・アプリケーションの改修
- Ext JSライブラリ削除への対応(外部ライブラリ導入やコード修正)
- シングルページアプリケーション(SPA)の開発申請プロセスの廃止やオーディエンス設定の変更について、管理者の方は内容を確認して下さい(16、17ページ)。
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オーディエンス設定の再確認
- スクリプトデプロイメント、SPA、CSVインポートなどの「ロール指定」「すべて選択」の挙動が変わります。管理者の方は内容を確認して下さい(17、32ページ)。※オーディエンスとは「閲覧/実行許可者」であり、CSVインポートやスクリプトの実行またはアクセスが許可されたユーザー群を指します
■ リスク
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機能停止・不具合リスク
- 非推奨機能のまま放置すると、アップグレード後にシステムが正常に動作しない可能性があります。
- 例:SuiteSignOn(アウトバウンド・シングル・サインオン)廃止、RSA-PKCSv1.5/NetSuite.comデータソース終了、Ext JS削除など。
- 非推奨機能のまま放置すると、アップグレード後にシステムが正常に動作しない可能性があります。
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移行や検証が不足した場合の運用トラブル
- プレビュー環境を活用しないまま新リリースに移行すると、予期しないエラーやにつながるリスクが高まります。
上記内容をご確認いただき、必要な準備や検証を早めに進めていただくことで、NetSuite 2025.1リリースのメリットを最大限に享受いただけます。