PostgreSQLでSQL実行するECPGプログラムの簡単な例

PostgreSQLに対して以下のDB操作・SQL実行を行うECPGの簡単なプログラム例を示します。

• ローカルで稼働中のPostgreSQLに対して、DBユーザtestuserでデータベースtestdbに接続する。
• (もし未作成であれば) テーブルtesttblを作成する。テーブルtesttblは、主キーであるinteger型の1カラムnumだけを持つ。
• プログラムの引数で指定された整数値をテーブルtesttblにINSERTする。
• テーブルtesttblの全レコードについて、numカラムでソートした結果を順番に標準出力に出力する。
• SQL実行がエラーになった場合は、エラーの理由とSQLをエラーメッセージとして標準エラー出力に出力する。

これらを実現するECPGプログラムの簡単な例は下記です。

test.pgc

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

/*
 * SQL実行でエラーが発生したら、エラー処理のための関数として
 * elog()を呼び出すようにグローバルに宣言する。
 */
static void elog(void);
EXEC SQL WHENEVER SQLERROR CALL elog();

/*
 * 現在実行中または直前に実行済のSQL文字列を保存する
 * グローバル変数sqlを宣言する。
 */
EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
char *sql;
EXEC SQL END DECLARE SECTION;

/*
 * このプログラムのメイン関数。
 * テーブルtesttblにINSERTするレコードの整数値を第1引数で指定できる。
 */
int
main(int argc, char *argv[])
{
	/*
	 * ECPGで使うローカル変数を宣言する。
	 */
	EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
	const char *target = "testdb@localhost:5432";
	const char *user = "testuser";
	int num = 0;
	int res = 0;
	EXEC SQL END DECLARE SECTION;

	/*
	 * 第1引数が指定された場合は、引数の整数値をINSERTする。
	 */
	if (argc > 1)
		num = atoi(argv[1]);

	/*
	 * ローカル内で稼働中のPostgreSQLに対して、DBユーザtestuserで
	 * データベースtestdbに接続する。
	 */
	EXEC SQL CONNECT TO :target USER :user;

	/*
	 * もし未作成であれば、テーブルtesttblを作成する。
	 */
	sql = "CREATE TABLE IF NOT EXISTS testtbl (num integer primary key)";
	EXEC SQL EXECUTE IMMEDIATE :sql;

	/*
	 * 動的SQLを使って、テーブルtesttblにレコードを1件INSERTする。
	 */
	sql = "INSERT INTO testtbl VALUES (?)";
	EXEC SQL PREPARE teststmt FROM :sql;
	EXEC SQL EXECUTE teststmt USING :num;

	/*
	 * テーブルtesttblの全レコードを表示するために、全レコードを取得する
	 * SQLに対してカーソルを定義する。
	 */
	sql = "SELECT num FROM testtbl ORDER BY num";
	EXEC SQL PREPARE teststmt FROM :sql;
	EXEC SQL DECLARE testcur CURSOR FOR teststmt;
	EXEC SQL OPEN testcur;

	/*
	 * カーソルからレコードを1件ずつ取得して標準出力する。
	 * 全レコードを取得したらwhile()ループから抜けられるように
	 * 一時的に宣言する。
	 */
	EXEC SQL WHENEVER NOT FOUND DO BREAK;
	while (1)
	{
		EXEC SQL FETCH testcur INTO :res;
		printf("%d\n", res);
	}
	EXEC SQL WHENEVER NOT FOUND CONTINUE;
	EXEC SQL CLOSE testcur;

	/*
	 * トランザクションを完了する。
	 */
	sql = "COMMIT";
	EXEC SQL EXECUTE IMMEDIATE :sql;

	/*
	 * PostgreSQLへの接続をクローズする。
	 */
	EXEC SQL DISCONNECT;

	return 0;
}

/*
 * SQL実行でエラーが発生したときに呼び出される、エラー処理のための関数。
 */
static void
elog(void)
{
	/*
	 * sqlcaからエラー理由のメッセージを取得して、標準エラー出力に出す。
	 * また、現在実行中または直前に実行済のSQLでエラーとなったものも
	 * 標準エラー出力に出す。
	 */
	fprintf(stderr, "ERROR: %s\n", sqlca.sqlerrm.sqlerrmc);
	fprintf(stderr, "STATEMENT: %s\n", sql);

	exit(1);
}

このECPGプログラムは以下のとおりコンパイルします。以下では、PostgreSQLのインストール先を/opt/pgsqlディレクトリとします。

$ ecpg test.pgc
$ gcc -o test test.c -I/opt/pgsql/include -L/opt/pgsql/lib -lecpg

プログラムの実行例は以下のとおりです。

$ ./test 1
1
$ ./test 2
1
2
$ ./test 0
0
1
2
$ ./test 0
ERROR: duplicate key value violates unique constraint "testtbl_pkey" on line 59
STATEMENT: INSERT INTO testtbl VALUES (?)