はじめに
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)上で動作する「Exascaleインフラストラクチャ上のExadata Database Service (ExaDB-XS)」の料金計算方法とExadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D) との違いについて記載します
料金計算方法
最新かつ正式な価格はオラクル社の情報をご確認ください
https://www.oracle.com/jp/cloud/price-list/#pricing-oracle-databases
ExaDB-XSの価格は大きく分けて、インフラストラクチャ(ハードウェア)に応じた料金と、稼働するVMのCPU数に応じた料金の2種類になります。
インフラストラクチャの料金
記事記載時点では以下のようになっています。
サービス | 単価 | 単位 |
---|---|---|
RDMAコンピュート・インフラストラクチャ | ¥3.875 | ECPU/時間 |
VMファイルシステム・ストレージ | ¥6.5875 | GB/1ヶ月 |
スマート・データベース・ストレージ | ¥17.918 | GB/1ヶ月 |
追加フラッシュ・キャッシュ | ¥0.0775 | GB/時間 |
RDMAコンピュート・インフラストラクチャ
- 確保するECPU数とメモリ容量に応じて課金されます
- ECPU数はVMクラスタの作成画面で「VMあたりの合計ECPU数」に設定する数量です
(最小は8で、4の倍数で設定する) - メモリー容量は、2.75GB x 合計ECPU数で計算される値になります
※確保するECPU数(合計ECPU数)と実際に使用するECPU数(後述)を別々に設定できます。
※合計ECPU数を上限として、動的に使用するECPU数を変更できます。
※ECPUはOCI上のCPUの単位になります。下記の記事に少し説明を記載しています
https://qiita.com/fujid/items/35f044c649e4489728a2
VMファイルシステム・ストレージ
- /(ルート)や/u01などのVM用に確保するストレージのサイズに応じて課金されます
- VMクラスタの作成画面で「VMあたりのファイル・システム・ストレージ容量(GB)」に設定する数量です
スマート・データベース・ストレージ
- データベースの記憶域用に確保するストレージのサイズに応じて課金されます
- VMクラスタの作成画面で「データベースのストレージ容量(GB)」に設定する数量です
- Exascaleで新しく導入されたボールトと呼ばれる領域として確保されます
追加フラッシュ・キャッシュ
- スマートフラッシュキャッシュを追加する場合、そのサイズに応じて課金されます
- 最小100GBとなっています
稼働するVMのCPU数に応じた料金
記事記載時点では以下のようになっています。
サービス | 単価 | 単位 |
---|---|---|
Database - ECPU | ¥52.08 | ECPU/時間 |
Database – ECPU–BYOL | ¥12.5085 | ECPU/時間 |
- 実際に利用する(有効化する)ECPU数に応じて課金されます
- VMクラスタの作成画面で「VMあたりの有効なECPU数」に設定する数量です
- VMの有効なECPU数を0から合計ECPU数の値まで動的に変更可能です(4の倍数で設定)
- 合計ECPU数を超える場合は合計ECPU数の変更となり、再起動が必要になります
- 0にするとVMは停止し、有効なECPU数の料金はかからなくなります
(VM停止時もインフラストラクチャの料金は必要です)
「合計ECPU数 - 有効なECPU数」の数量が「予約済みECPU数」となります
VMクラスタの作成画面でで「VM当たりの予約済追加ECPU」と表示される数量です
料金計算例
下記の設定でVMクラスタを作成した場合
設定項目 | 設定値 |
---|---|
クラスタ内のVMの数 | 2 |
VMあたりの有効なECPU数 | 16 |
VMあたりの合計ECPU数 | 48 |
VMあたりのファイル・システム・ストレージ(GB) | 300 |
データベースのストレージ容量(GB) | 2000 |
サービス | 単価 | VM数 | 数量 | 期間 | 料金 |
---|---|---|---|---|---|
RDMAコンピュート・インフラ | ¥3.875 | 2 | 48 | 744 | ¥276,768 |
VMファイルシステム・ストレージ | ¥6.5875 | 2 | 300 | 1 | ¥3,953 |
スマート・データベース・ストレージ | ¥17.918 | 1 | 2000 | 1 | ¥35,836 |
追加フラッシュ・キャッシュ | ¥0.0775 | 1 | 0 | 744 | ¥0 |
Database - ECPU | ¥52.08 | 2 | 16 | 744 | ¥1,239,921 |
合計 | ¥1,556,478 |
※期間「744」は24時間x31日=744で、1ヶ月分になります
ExaDB-Dと共通している点、異なる点
ExaDB-Dと共通している点、異なる点をいくつかご紹介します
ExaDB-D と共通している点
- SmartScanなど、Exadata独自のパフォーマンス、信頼性、可用性、セキュリティ機能を利用できます
ExaDB-D と異なる点
- ハードウェアリソースを共有して利用するため、低コスト・高い柔軟性で利用できます
- Exascaleデータベース・ストレージ・ボールトと呼ばれる独自のストレージ機能を持ちます
- ボールト名はアットマークで始まります
ExaDB-Dのディスクグループ名の代わりにボールト名を使うようなイメージになります- 例: control_files='@TEST_VAULT/xxxxx/CONTROLFILE/Current.OMF.1234ABCD'
- ボールトに格納するファイルにはストレージ属性を設定します
- 例:db_create_file_dest='@TEST_VAULT(DATA_HC_HIGHREDUNDANCY)'
db_recovery_file_dest='@TEST_VAULT(RECO_HC_HIGHREDUNDANCY)'
例えばDATAかRECOかの指定により、物理的に別々のデバイスに格納されます
あらかじめDATA領域とRECO領域を用意しておく必要はありません
参考:https://docs.oracle.com/cd/G13837_01/exscl/file-storage-attributes.html
- 例:db_create_file_dest='@TEST_VAULT(DATA_HC_HIGHREDUNDANCY)'
- ボールト名はアットマークで始まります
- ストレージ管理はASMではなくExascaleになります
- 高度なスナップショットおよびクローニング機能を提供しています
- 現時点で23aiのみ対応しています
- 自動メンテナンスの日時変更はできません
- ACFS領域の作成はできません