はじめに
Oracle社のERPパッケージであるE-Business Suite (EBS) をオンプレミスからOCIに移行する方法をご紹介します
基本的にはEBS12.2.3以上+DB19c以上を対象にしています。このバージョン未満の場合、下記のサポートドキュメントを参照してください
(KA1001)Getting Started with Oracle E-Business Suite on Oracle Cloud Infrastructure
3.1.5 Legacy Version Support
移行パターン
AP層
- 通常のComputeへ移行
- WebLogic Suite UCM Imageを利用したComputeへの移行
- アドオンをしている場合に必要なAP層のライセンスを従量課金で利用できます
(柔軟なCPU数変更、使った分だけ課金というクラウドメリットを活かせます)
- アドオンをしている場合に必要なAP層のライセンスを従量課金で利用できます
さらにストーレージとしてBlock StorageかFile Storage Service (FSS)の選択ができます
(FSSも使った分だけ課金です)
DB層
- Computeへの移行
- Base Databsaeへの移行
- Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D)への移行
- Exadata Database Service on Exascale Infrastructure (ExaDB-XS)への移行
移行方式
- EBS Cloud Managerを利用したOCIへの移行
- オラクルサポートより情報提供されているEBS Cloud Managerを利用しないOCIへの移行
- その他の方法でのOCIへの移行
EBS Cloud Managerを利用したOCIへの移行
EBS Cloud Managerとは
- OCI上でのEBS管理自動化ツール(Webアプリケーション)
- オンプレミスからの移行、プロビジョニング、クローン、バックアップをWeb画面から実行できる
- オンプレミスのOSはLinux前提
- Compute上で稼働する
- マーケットプレイスから構築可能
- ソフトウェア利用料は無償(ComputeやStorageなどインフラ料金は必要)
- 対応しているDB層はCompute、Base Database、ExaDB-D(執筆時点ではExaDB-XSは未対応)
- EBS Cloud Managerでプロビジョニングした環境や、既にOCIに移行済みの環境をEBS Cloud Managerで管理することが可能(既に移行済みの環境はマニュアルに記載の条件を満たす必要がある)
移行方式
バックアップを利用した移行
- Oracle E-Business Suite Cloud Backup Moduleをインストール (Patch38941394として提供されています)
- バックアップパラメータの設定(多重度、圧縮、セクションサイズなど)
- perl EBSCloudBackup.plコマンドでのバックアップ取得
- 対話形式で設定値を入力していきます
- バックアップはObject Storageに取得されます
- OCIとの間にプロキシサーバがあっても構いません
- AP層、DB層へのOSユーザー、コンテキストファイル、APPSパスワードなどを設定していきます
- OCIに接続するためのユーザーやテナンシ、コンパートメントのOCID、API署名キー、秘密鍵などを設定します
- 移行先のDB層の種類を選択します(Compute/Base Database/ExaDB-D)
- AP層とDB層のバックアップがObject Storageに取得されます
- EBS Cloud Managerを利用して、取得したバックアップをもとにプロビジョニングを実施します
- 新しい環境の詳細を入力していきます(環境名、ネットワークプロファイル[ネットワークの情報。EBS Cloud Managerで事前に作成しておく必要があります])
- バックアップしたObject Storageの情報を設定します(バケット、パスワード等)
- DB層の種類を選択します(Compute/Base Database/ExaDB-D)
- データベースの情報を入力します。設定する項目はDB層の種類によって異なります
- Computeの場合:SID、PDB名、OSイメージ、シェイプ等
- Base Databaseの場合:DB名、PDB名、パッチレベル、シェイプ、ノード数、ライセンス種類等
- ExaDB-Dの場合:VMクラスタ名、DB名、PDB名、パッチレベル等
- AP層の情報を入力します
- ロードバランサ情報
- プロトコル(http/https)
- ホスト名
- ドメイン
- ポート
- ストレージの情報を選択します(非共有 or 共有)
- APノードを追加する場合の情報
- ライセンスモデル
- OSイメージ
- 事後作業の実施(プロファイルの更新等)
Data Guardを利用した移行
移行時のダウンタイムを削減するために、Data Guardを利用した移行も用意されています。
OCI側にスタンバイ環境を用意し、AP層はrsyncで同期し、DB層はData Guardで同期しておいて、移行のタイミングでスタンバイからプライマリに昇格させます。
詳細はマニュアルをご確認ください。
オラクルサポートより情報提供されているEBS Cloud Managerを利用しないOCIへの移行
- 下記のサポートドキュメントで移行方式の例が案内されています
(KA1001)Getting Started with Oracle E-Business Suite on Oracle Cloud Infrastructure
4.3 Manual Procedures for Deploying and Configuring Environments and Integrations - 移行方式例
- クロスプラットフォームトランスポータブル表領域 (XTTS)を利用した非Linux環境からの移行
- Base Database、ExaDB-D、ExaDB-XSを利用した環境への移行
- DBは19cか、26ai(ExaDB-D/ExaDB-XSのみ)
- ソース環境のDBも同じバージョン
その他の方法でのOCIへの移行
EBSのバージョンとDBの種類、バージョンが認定された組み合わせであれば、従来からサポートで案内されている方法など、手動手順での移行をおこなうこともできます。
認定された組み合わせは下記のサポートドキュメントで案内されています
(KA1001)Getting Started with Oracle E-Business Suite on Oracle Cloud Infrastructure
3.1.4 Certified Combinations
ただし、実現可否の検証を含め、十分な事前検証が必要です。