はじめに
パブリッククラウドベンダーにはAWS、Azure、Google Cloudなどがありますが、その中の1つであるOracle Cloud Infrastructure (OCI)を選択する理由について記載します
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)を選択する理由
最高の性能
ブロックストレージ性能
今の世代のOCIができた頃から言われていることですが、OCIは標準(追加料金なし)で提供されるブロックストレージの性能が高いです
例えば標準的な「バランス」と呼ばれるタイプを選択した場合のボリューム当たりの性能は以下の通りです
| 最大IOPS | 最大MBPS |
|---|---|
| 25,000 *1 | 480 |
*1 417GB以上割り当てると最大IOPS(50GB以上割り当てると3000IOPSを超える)
比較対象として、AWSのEBS汎用SSDボリュームである「gp3」(追加料金なし)の場合は以下の通りです
| 追加料金なしの最大IOPS | 追加料金なしの最大MBPS |
|---|---|
| 3,000 | 125 |
OCIもAWSも費用をかければIOPSもMBPSももっと大きくできるのですが、追加料金なしで高い性能となっているのは安心感があります。
ベアメタル
OCIが出てくるまでは、クラウドといえば仮想インスタンスでした。
最小CPU数からスモールスタートし、スケールアップできるというのがクラウドのメリットだからです。
もちろんOCIでも同様ですが、OCIの場合はより高い性能、安定した性能を得るために、物理環境であるベアメタル環境も用意されました。
CPU、メモリ、ストレージといった物理リソースを占有でき、仮想化のオーバーヘッドもありませんので、安定した性能を出すことができます。
やはりエンタープライズ領域で多く導入されているオラクルとしては、安定した高い性能は必須だったのだと思います。
Oracle Acceleron
Oracle Acceleronと呼ばれる基盤では、
- ネットワークを用途ごとに分離したアーキテクチャ
- CPUを介さないRoCE v2プロトコルの利用
- 複数のネットワーク経路を切り替えるマルチプレーン・ネットワーキング
- 通信をおこなう際にスイッチなど経路間の中継箇所を減らし、最も直線的な経路で通信をおこなえるようにした非仲介型設計
などにより、高いネットワーク性能が得られるようにしています。
このためにNICのハードウェアにクラウド制御機能を持たせたコンバージドNICを利用し、AI時代を支える何十万台ものGPUを統合したスーパーコンピュータ・クラスターにも利用されています。
最も安い価格
ブロックストレージの例
価格もOCIの大きなメリットです。
例えば前述した「バランス」タイプのブロックストレージを1.5TB利用する場合、執筆時点で試算してみたところ月額9,882円でした。性能のところに記載したとおり、25,000 IOPS、480 MBSの性能になります。
こちらも比較対象として前述のAWSのgp3で、25,000 IOPS、480 MBSの性能で1.5TB利用する場合の金額を試算してみたところ、月額296.50 USDとなりました。1USD=150円で計算すると、44,475円になります。
| ベンダ | 容量 | IOPS | MBPS | 月額 |
|---|---|---|---|---|
| OCI | 1.5TB | 25,000 | 480 | 9,882円 |
| AWS | 1.5TB | 25,000 | 480 | 44,475円 |
仮想インスタンスの例
通常の仮想インスタンスでも低価格で利用できます。
例えば以下のようなスペックで試算してみました。
(1USD=150円で計算)
| ベンダ | タイプ | vCPU | メモリ | 月額 |
|---|---|---|---|---|
| OCI | VM.Standard.E6.Flex | 4 | 16 | 10,610円 |
| AWS | m6a.xlarge (On-Dmand) | 4 | 16 | 24,441円 |
ただし、AWSにはEC2 Instance Savings Plansといった長期利用割引がありますので、これを適用する場合は1年で16,194円、3年で11,070円になるようです。
とはいえ、いつ利用停止しても安い金額で利用できるOCIは安心感があるかなと思います。
ネットワーク料金
OCIではリージョン外へのアウトバウンドネットワーク料金が10TBまで無料です。
インターネット経由のアウトバンドが10TB以上発生する場合の試算は以下の通りです。
これはなかなか大きな差ですね。
| ベンダ | アウトバウンド通信量 | 月額 |
|---|---|---|
| OCI | 10TB | 0円 |
| AWS | 10TB | 175,104円 |
| OCI | 20TB | 37,820円 |
| AWS | 20TB | 311,808円 |
サポート料金
OCIの場合、OCI利用料金にサポート料金も含まれています。
仮にAWSでビジネスサポート+を契約し、AWSの月額料金が1000 USD (約15万円)であった場合のサポート料金の試算は以下の通りです。
| ベンダ | タイプ | 月額クラウド利用料金 | 月額サポート料金 |
|---|---|---|---|
| OCI | Oracle Support | 15万円 | 0円 |
| AWS | ビジネスサポート+ | 15万円 | 13,500円 |
※ここに記載している金額は執筆時の試算ですので、正確な金額ではない可能性があります
※リージョンは東京で試算しています
最も安全
オラクルはセキュリティファーストでOCIを設計しているそうです。
オラクルの最初の顧客はCIA(米中央情報局)、2番目の顧客はNSA(米国家安全保障局)だったそうですが、歴史的にもセキュリティを重視しているようです。
数々のエンタープライズ企業のミッションクリティカルなシステムに導入されているオラクル製品ですので、セキュリティはもちろん力を入れていますね。
例えばOCIで提供されているデータベースサービスでは、Transparent Data Encryption(TDE)と呼ばれるデータ暗号化が常に有効になります。こちらは追加料金不要で、オンプレミスではTDEが利用できないStandard Editionでも、OCIでは利用可能です。
最近のOCIでは「ソブリン」という言葉がよく聞かれます。ソブリンは主権といった意味かと思いますが、データを自分たちの側に置き、主権を守るためのサービスが提供されています。
例えば「Dedicated Region」により、顧客定義のデータセンター内に独立した完全なクラウド・リージョンを構築することができます。
また、「Oracle Alloy」によりオラクルのパートナー企業が国内でデータの主権、コンプライアンス要件を満たすクラウドを提供することができます。
おわりに
最も高性能で最も低価格で最も安全なOCIをぜひ使ってみてください