Spring Tools 4 for Eclipse を Ubuntu にインストールする
こんにちは、@studio_meowtoon です。今回は、WSL の Ubuntu 22.04 に Spring Tools 4 for Eclipse をインストールして Hello World を出力する方法を紹介します。
目的
Windows 11 の Linux でクラウド開発します。
こちらから記事の一覧がご覧いただけます。
実現すること
ローカル環境の Ubuntu に、Spring Tools 4 for Eclipse インストールして起動します。
この記事では Windows 11 の WSL Ubuntu 22.04 に Spring Tools 4 をインストールする手順を紹介します。ただし、より一般的な方法として、Spring Tools 4 for Eclipse を Windows 11 にインストールして使用する方法がありますので、ご注意ください。
技術トピック
Spring Tools 4 とは?
こちらを展開してご覧いただけます。
Spring Tools 4 for Eclipse
Spring Tools 4 は、Java および Spring Framework 開発をサポートするオープンソースの統合開発環 (IDE) です。
特徴 |
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Eclipse IDE をベースにしており、Spring Boot アプリケーションの開発、デプロイ、デバッグ、テストを支援するための多くの機能を提供しています。 |
Spring Tools 4 は、コード補完、リファクタリング、デバッグ、ビルド、テストなどの基本的な IDE 機能に加え、Spring Boot アプリケーションの自動構成、ローカルでのアプリケーションのデバッグ、リモートデバッグ、スプリングクラウドの開発などの機能も提供しています。 |
Spring Tools 4 は、Java および Spring Framework の開発において、生産性を高めるための強力な開発支援ツールの1つです。 |
開発環境
- Windows 11 Home 22H2 を使用しています。
WSL の Ubuntu を操作していきますので macOS の方も参考にして頂けます。
WSL (Microsoft Store アプリ版) ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます
> wsl --version
WSL バージョン: 1.0.3.0
カーネル バージョン: 5.15.79.1
WSLg バージョン: 1.0.47
Ubuntu ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます
$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 22.04.1 LTS
Release: 22.04
Java JDK ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます
$ java -version
openjdk version "11.0.18" 2023-01-17
OpenJDK Runtime Environment (build 11.0.18+10-post-Ubuntu-0ubuntu122.04)
OpenJDK 64-Bit Server VM (build 11.0.18+10-post-Ubuntu-0ubuntu122.04, mixed mode, sharing)
Maven ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます
$ mvn -version
Apache Maven 3.6.3
Maven home: /usr/share/maven
Java version: 11.0.18, vendor: Ubuntu, runtime: /usr/lib/jvm/java-11-openjdk-amd64
この記事では基本的に Ubuntu のターミナルで操作を行います。Vim を使用してコピペする方法を初めて学ぶ人のために、以下の記事で手順を紹介しています。ぜひ挑戦してみてください。
Spring Tools 4 で Hello World を表示する手順
Spring Tools 4 のインストール
SWT ライブラリをインストールします。
$ sudo apt update
$ sudo apt install libswt-gtk-4-jni libswt-gtk-4-java
Spring Tools 4 を Ubuntu にダウンロードします。
$ cd ~
$ wget https://download.springsource.com/release/STS4/4.12.0.RELEASE/dist/e4.21/spring-tool-suite-4-4.12.0.RELEASE-e4.21.0-linux.gtk.x86_64.tar.gz
Spring Tools 4 をユーザー HOME ディレクトリに展開します。
$ mkdir ~/spring-tool-suite-4
$ tar zxvf spring-tool-suite-4-4.12.0.RELEASE-e4.21.0-linux.gtk.x86_64.tar.gz -C ~/spring-tool-suite-4 --strip-components=1
Spring Tools 4 の起動
Spring Tools 4 を起動します。
$ cd ~/spring-tool-suite-4
$ ./SpringToolSuite4
スプラッシュ画面が表示された後、以下のダイアログが開きます。
この例では、ワークスペースとして以下のディレクトリを指定しました。
※ ダイアログから workspace-spring-tool-suite-4 を作成します。
/home/$USER/workspace-spring-tool-suite-4
Spring Tools 4 が起動できました。
ここまでの手順で、Ubuntu に Spring Tools 4 をインストールし、起動することができました。
プロジェクトの作成
左メニューの Create a Maven project を選択します。
そのまま Next を押します。
maven-archetype-quickstart アーキタイプを指定して Next を押します。
以下のように入力し、Finish を押します。
Y を入力して Enter します。
ビルド成功の表示がされました。
ここまでの手順で、Spring Tools 4 で、ビルドツールに Maven を使用した、シンプルな Java ハローワールドプロジェクトを作成することができました。
プロジェクトの実行
Run App ボタンを押します。
以下のようにプロジェクトが実行され、下部の Console 部分に Hello World! と表示されます。
ここまでの手順で、Spring Tools 4 で、ビルドツールに Maven を使用した、シンプルな Java ハローワールドプロジェクトを実行することができました。
日本語化
Pleiades プラグインをダウンロードします。
$ cd ~
$ wget https://ftp.jaist.ac.jp/pub/mergedoc/pleiades/build/stable/pleiades.zip
プラグインを解凍してインストールします。
$ sudo apt update
$ sudo apt install unzip
$ unzip pleiades.zip
$ unzip -q pleiades.zip -d pleiades
$ cp -r pleiades/features/. /home/username/spring-tool-suite-4/features
$ cp -r pleiades/plugins/. /home/username/spring-tool-suite-4/plugins
SpringToolSuite4.ini の修正
最終行に以下の 2 行を追加します。
$ vim ~/spring-tool-suite-4/SpringToolSuite4.ini
ファイルの内容 ※追加分
$USER の箇所はご自身の Ubuntu のユーザー名に書き換えてください。
-Xverify:none
-javaagent:/home/$USER/spring-tool-suite-4/plugins/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
Spring Tools 4 を起動します。
$ cd ~/spring-tool-suite-4
$ ./SpringToolSuite4
ここまでの手順で、Spring Tools 4 の表示が日本語になりました。
不要になったファイルを削除します。
$ cd ~
$ rm -fr pleiades*
まとめ
Ubuntu に Spring Tools 4 for Eclipse をインストールして、Java 開発環境を構築することが出来ました。
実際の開発では、軽量なテキストエディタである VS Code や、IDE (統合開発環境) を使用して Java プログラムを開発することが一般的です。しかし、それらの開発ツールのバックエンドには、通常 Maven (または Gradle) が使われます。
どうでしたか? Window 11 の WSL Ubuntu に、Spring Tools 4 for Eclipse と Maven を使用した Java の開発環境を手軽に構築することができます。ぜひお試しください。今後も Java の開発環境などを紹介していきますので、ぜひお楽しみにしてください。