5Gデバイスのための超低レイテンシー環境であるAWS Wavelengthを用いたサーバー構築を行ったのでメモとして構築方法を記録しておく。
構成
Wavelength Zone内サーバーは5G網以外からアクセス不可
Wavelength Subnet内に設置したサーバーは5G端末から低レイテンシーでアクセスできる反面、通常のインターネット網経由ではアクセスすることができない。そのため、多くのサイトでは踏み台サーバーを同一VPC内の別Subnetに用意しメンテナンスする構成を紹介している。もっとシンプルな構成で、サーバーを管理・メンテナンスできる用法がないか考えてみた。
Chrome Remote Desktopを用いてメンテナンスする
RDPを用いた接続は5G網を経由しないと接続できないが、試してみたところChrome Remote Desktopでは5G網以外からでもアクセスできることがわかった。便利。
環境構築方法
Wavelengthを使えるようにする
作業はTokyoリージョンで行ってください。
Defaultでは、WavelengthはOpt-outされており利用できないため、VPC - Carrier Gateway - Manage より利用できるように変更します。
VPC作成
新規にWavelength環境用にVPC(Virtual Private Cloud)を作成します。
IPv4 CIDRは 10.0.0.0/16 に設定します。
Carrier Gataway作成
Internet Gatawayの代わりに5G網へのGatewayを作成します。合わせてSubnetも作成します。
Wavelength ZoneはTokyoまたはOsakaから選択することができます。
IPv4 CIDRは 10.0.1.0/24 に設定します。
EC2インスタンス作成
AMI選択
Wavelength ZoneのSubnet内にEC2インスタンスを作成するにあたって利用したいOSのイメージを選択します。今回はWindowsマシンを用いたいのでMicrosoft Windows Server 2019 Baseを選択します。
インスタンスタイプ選択
Wavelength ZoneにおいてInstance Typeはt3.medium, t3.xlarge, r5.2xlarge, g4dn.2xlargeが利用できるようです。
ネットワーク設定
Network: 作成したWavelength用VPCを選択します。
Subnet: Carrier Gateway作成時に同時に生成されたSubnetを選択します。
Auto-assign Carrier IP: Enableにしておくと5G網からアクセスできるIPが割り当てられます。
ストレージ選択
後で容量が足りなくなった時にストレージを拡張するのは面倒なので大きめにストレージを確保しておくのがおすすめです。
タグ設定
わかりやすいようにタグを設定しておきます。
Security Group設定
RDP接続できるようにデフォルトで設定されています。必要に合わせて適宜設定します。
利用するKeypairを設定。このKaypairは後ほどWindowsログインパスワードを取得するのに必要になります。
Launchボタンを押すとインスタンスが立ち上がります。
Wavelength Zone内のEC2 Windowsインスタンスへ接続する
Carrie IP Addressは後ほど利用するのでメモしておきます。
Connetボタンを押す
RDP接続設定ファイルをダウンロードすることが可能ですが、設定ファイルにはPrivate IPアドレスが用いられているので今回は利用しません。
Get passwordボタンを押してWindowsログイン用のパスワードを取得します。(インスタンス作成時に利用したKeypairファイルが必要です)
[初回のみ] 5G回線と「リモートデスクトップ」を用いてEC2 Windowsインスタンスへ接続する
「リモートデスクトップ」を用いた接続はKDDI 5G回線を用いて行ってください。
MicrosoftリモートデスクトップをMicrosoftストアから入手します(無料)
メモしてある
Microsoft Windows Server 2019 BaseではブラウザとしてIEがインストールされているが、デフォルトの設定ではセキュリティが強くファイルのダウンロードを行うことができません。IEでChromeのインストラーをダウンロードできるようにServer Managerで設定を変更します。
これで、Chromeをインストールすることができるようになりました。
Chromeをインストール後、Chrome Remote Desktopを設定すればWavelength Zone内のサーバーへChrome Remote Desktop経由でアクセスできるようになります。