はじめに
今年の10月末に国土地理院から 基盤地図情報(数値標高モデル)1mメッシュ(標高)の提供開始 が予告され、11月末から基盤地図情報ダウンロードサービス を通じて DEM1A として提供が開始されました。せっかくなので Windows にデフォルトでインストールされている 3D ビューアーで簡単にプレビューしてみましょう。
※ 本記事の執筆時点では 東北地方太平洋沿岸部 が公開対象となっています
できあがり
以下のような3次メッシュコード 57414044 の領域を
このようにプレビューできました。
実際の段取りは以下の通りです。
- 基盤地図情報ダウンロードサービス から 1m メッシュのオプションを選択してメッシュコード 574140 をえらんでダウンロード (要ログイン・アンケート)
- FG-GML-5741-40-DEM1A.zip のような zip がダウンロードされるので展開
- FG-GML-5741-40-44-DEM1A-20230929.xml のようなファイル名の XML が収録されていることを確認
- https://frogcat.github.io/dem1a-to-3mf/ をブラウザで開き、ファイルアップロードボタンを押して FG-GML-5741-40-44-DEM1A-20230929.xml を選択
- 20秒程度待つと FG-GML-5741-40-44-DEM1A-20230929.3mf がダウンロードされる
- 同ファイルを Windows の 3Dビューアー で開く
解説
DEM_1A
基盤地図情報ダウンロードサービスからは 3次メッシュコード(だいたい1km四方) 単位で整備された XML/GML として DEM_1A のデータが入手可能です。
基盤地図情報の仕様は 基盤地図情報ダウンロードサービス>各種資料 の中の 基盤地図情報ダウンロードデータファイル仕様書5.0 に定義されています。2023/11/30 に更新されていて、DEM1A に関する情報も追加されています。
ただ DEM_1A といっても仕様上は大きな差異はありません。基盤地図情報~数値標高モデルを利用する の情報などを参考に、DEM5 や DEM10 と同様に取り扱えるかと思います。
※ もしかすると従来の各種変換ツールやプラグイン等で DEM_1A の XML をそのまま利用できる可能性も
3MF
Windows の 3D ビューアー が対応するフォーマットは以下の通りです。
一般的な種類の 3D ファイル (FBX、STL、OBJ、GLB、GLTF、PLY、3MF) を高品質なステージングで表示できます。
この中で最も後発の 3MF は以下のような特徴があります
- Zipped XML(s)
- 色や素材の表現に対応
- STL などと比べて軽量
とりあえず XML をいくつか作って zip できれば作れそう、という気軽さです。
DEM_1A to 3MF 変換
前述の通り XML(GML) を読んで XML(3MF) を生成して zip に圧縮できさえすれば、どんなプラットフォーム・言語でも問題なく実装できそうです。
上の手順では、ブラウザの JavaScript だけで動く変換の実装を用意しています。詳細が気になる方は https://github.com/frogcat/dem1a-to-3mf をご覧ください。200行足らずの単ページ HTML+JS です。
※ ちなみに所要時間が長いのはブラウザの zip 圧縮が遅いせいです
まとめ
基盤地図情報 DEM_1A の簡単なプレビューでした。
今後提供エリアの拡大や標高タイルの提供なども期待できそうですね!