#はじめに
JDLA E資格試験の試験形式や受験までの流れについて、まとめた記事です。
脅す意味はないですが、E資格試験は、いきなり受験できるものではありません。
正しく手順を踏めるよう、着実なスケジュールを立てましょう。
[E資格試験に関する私の投稿記事リスト][link-1]
[link-1]:https://qiita.com/fridericusgauss/items/5a97f2645cdcefe15ce0
E資格試験の概要や日程、JDLA認定プログラムについて知りたい方は、まず下記をご覧ください。
[JDLAのE資格説明ページ][link-2]
[link-2]:https://www.jdla.org/certificate/engineer/
この記事は、私が試験対策や実際に受験した経験を踏まえて、上記以外のことを補足するものです。
なお、私が受験した日程は、記事投稿時点では、2021年第1回(2021年2月20日)の一度のみです。
【2021年3月11日追記】
JDLA E資格2021#1に合格していました。
##目次
#試験形式
E資格試験は、web上で実施される電子テストです。
web上の画面に問題が出題され、選択肢の中からクリックして、回答する形式です。
ただし、2021年第1回までは、各試験会場まで行き、そこのパソコンで受験することになっています。
各自のパソコンから自由に受験する形式ではないので、ご注意ください。
- 試験時間:120分
- 問題数:約100問(2021年第1回は103問)
#受験までの流れ
受験までの簡潔な流れを下記に示します。
- JDLA認定プログラムの受講
- 試験勉強
- 受験予約
- 当日受験
これ以降は、この流れに従って順に説明していきます。
#JDLA認定プログラムの受講
E資格の受験資格は、__試験日の過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了すること__です。
すぐに受験することはできず、認定プログラムの受講が必要です。
また、JDLA認定プログラムの種類はJDLAのホームページから確認できます。
私が調べた範囲では、受講費用、内容のレベルやボリューム、受講期間、受講形式、サポートが多少違いました。
###受講費用
10万円~20万円が相場です。
###内容
高校数学からやり直したい人から、深層学習だけを重点的に学習したい人まで、受講者のレベルに応じて、プランが幅広く用意されています。
いずれも、E資格対策用のプランなので、受講することがそのまま試験勉強になります。
###受講期間
プランによって受講できる期間が異なります。
当然、基礎から学ぶプランの場合、試験の半年以上前から勉強する必要があるため、そのぐらいまで余裕を持つ必要があります。
深層学習だけを重点的に学習するプランの場合でも、受講可能な期日が定められています。
###受講形式
2020年はコロナ感染が蔓延したため、対面形式のプランは全てありませんでした。
他には、オンライン形式(zoomなどで講師が授業する形式)やビデオ視聴形式があります。
###サポート
自習でわからないことがあれば解説してくれるサポート、受験に向けた模試を提供するサポートなど、プランによって様々です。
各自で比較して、適切なプログラムを受講しましょう。
特に受講期間についてはご注意ください。
私は、2021年2月20日の試験に向けて、2020年11月1日から認定プログラムの受講と試験勉強を開始しました。
これは、__開始するのが遅いケース__です。
10月末時点(試験日から約4ヶ月前)で、中には受講期限がすでに過ぎているせいで、受講すらできない認定プログラムもありました。
このため、ある程度AIの知識があるから余裕という考えは甘く、認定プログラムを着実に終えられるスケジュールで臨みましょう。
#試験勉強
基本的には認定プログラムを復習することですが、それ以外にも自習で補足することは必要だと思います。
ただし、下記の説明は、__認定プログラムにて基礎内容をクリアしていることが前提である__ことにご注意ください。
私は、下記3つを用いて、試験勉強しました。
- 認定プログラムの復習
- 認定プログラムから配布された想定問題集
- E資格対策用問題集
3つ目の__E資格対策用問題集__とは、2020年9月に販売されたものです。
[E資格対策用問題集][link-3]
[link-3]:https://book.impress.co.jp/books/1118101176#_pt_link=https://www*_*google*_*com_s_fNt4ntIGLXDzQ0eNht9edg.0.432gKbjDvQ4l8l2WtUkm2A.1613911842640.5.1_s_1f5448ba.tdy/zrfxq48kMeUCPbIELg.y0f8gJQwzhIpd5kLRC/ixg.3.1.1613911842713
2021年2月時点で、恐らくE資格に特化した本は唯一これだけのはずです。
ただし、解説に誤記が多いので、上記の公式ページの訂正内容とよく見比べる必要があります。
それ以外には、下記でE資格試験に向けた参考書について解説されています。
[参考記事:E資格のおすすめ参考書5選!E資格で合格するなら参考書を上手に使え!][link-4]
[link-4]:https://ai-kenkyujo.com/2020/09/28/eshikaku-sankousyo/
#受験予約
###予約方法
2021年第1回のE資格試験は、__ピアソンVUE__が運営していました。
ピアソンVUEは、電子テスト用のシステム開発やサービス提供をしている会社です。
下記のピアソンVUEのE資格受験予約ページから、受験を予約できます。
[ピアソンVUE E資格受験予約ページ][link-5]
[link-5]:https://www.pearsonvue.co.jp/Clients/JDLA.aspx
受験予約に関する情報は、__試験日2ヶ月前の上旬__に、JDLAのホームページに公開され、受験予約は"試験日約2ヶ月前"からから可能です。
###試験会場・試験日時
試験会場は、テストセンターなどです。
予約時点で、2日間のうち、好きな日・時間帯・会場を選択することができます。
ただし、会場の広さの都合上、__予約は先着順で座席数には限りがある__ようなので、自由に選択するなら、早めの予約が必要です。
###受験料
一般:33,000円です。受験料支払の手続きも予約と同時に行います。
###その他注意点
また、後述しますが、受付時に__政府発行の顔写真付き本人確認書類__(運転免許証など)が必要です。
無い方は、申請から発行までに数日かかるため、事前に手続きし、用意しましょう。
#当日受験
予約時に選択した会場で、受付します。
受付方法や厳守事項は、ピアソンVUEの下記ルールに従う必要があります。
[ピアソンVUE 受付方法とルール][link-6]
[link-6]:https://www.pearsonvue.co.jp/Test-takers/Resources.aspx
なお、予約時にも、この案内に関する連絡が届きます。
受付の流れを示します。
個人的には、__セキュリティが厳しい__と感じました。
###受付開始
受付でスタッフに氏名と試験名を伝え、書類に署名します。
案内には、試験開始から15分前までには受付するように書いてあります。
私は30分前に受付を開始しました。
###本人確認
まず、本人確認書類を2点提示します。
特に、政府発行の顔写真付き本人確認書類(運転免許証など)が無い方は、申請から発行までに数日かかるため、事前に手続きし、用意しましょう。
私はパスポートと社員証(顔写真付き)を提示しました。
次に、受付のカメラで撮影した後、電子署名で、本人であることが確認されます。
###私物をロッカーに保管
全ての私物をロッカーに保管します。
座席に持ち込めるものは、本人確認書類(ケースから外す)、ロッカーキー、メガネ、マスク、用意されたシート・ペンだけです。
このため、ポケットの中、腕時計、スマートフォンなど、全てロッカーに保管します。
入室までの間、ただ座って待つことしか許されません。このとき、__参考書などを閲覧できない__ため、早めに行き過ぎると暇になるので、ご注意ください。
###入室
呼ばれたら、パソコンのある部屋に入室します。
入室の際はメガネをチェックされます。
また、水性ペン2本と、計算用紙としてシート1枚が渡されます。
###試験開始
入室したら、ロッカーの番号に対応する座席に座ります。
パソコンのディスプレイには、__氏名○○、試験名 JDLA E資格試験__というように、自分用の開始画面が表示されています。
その画面に表示されているスタートボタンをクリックすると、試験画面が開きます。
それ以降は、画面の指示に従って、問題を解いていきます。
###試験中
試験中、画面右上には、残り問題数と残り時間が表示されています。
また、机には呼び出しボタンがあり、押すとスタッフが座席まで来ます。
私は、計算用紙のシートが1枚しかなく、途中で足りなくなったので、ボタンを押して、スタッフの方から新しいシートをいただきました。
###試験終了
試験時間を過ぎると、自動的にアンケート画面に移ります。
アンケート画面に適当に回答し終了すると、画面は真っ暗になります。
そのまま部屋を退出し、受付でスタッフにペンとシートを返却します。
ロッカーから私物を出し、ロッカーキーも返却します。
試験を終了したことについて、書類に署名します。
これで終わりなので、試験会場から退出します。
#費用
下記内訳に従うと、合計費用は少なくとも__約14万円__です。
項目 | 費用 |
---|---|
問題集 | ¥6,000 |
認定プログラム受講料 | ¥100,000~200,000 |
受験料 | ¥33,000 |
計 | ¥139,000~239,000 |
この料金設定はなかなか高く、費用面だけの理由で、受験を諦める人は一定数いると思われます。
この"費用問題"は、E資格が十分にまだ広まっていない理由の一つだと考えていて、かなりもったいないと思います。
一方、最近の認定プログラムでは、キャッシュバックキャンペーンなども実施していたり、低価格設定のプランもあります。
企業の方は、認定プログラム受講料だけでも、教育費として部署から支援を受けると、かなり楽になるので、ぜひ交渉してみてください。
私は、認定プログラム受講料を部署に負担いただき(上司への説得が必須です)、認定プログラムから受験料の半額キャッシュバックがありました。
このため、実質的には、合計費用は__24,000円__となりました。
この金額だと思えば、受験してみようという気持ちは生まれやすいですね。
#試験範囲
下記はJDLAのホームページから引用した、シラバスです。
応用数学
線形代数
確率・統計
情報理論機械学習
機械学習の基礎
実用的な方法論深層学習
順伝播型ネットワーク
深層モデルのための正則化
深層モデルのための最適化
畳み込みネットワーク
回帰結合型ニューラルネットワークと再帰的ネットワーク
生成モデル
強化学習
深層学習の適応方法開発・運用環境
ミドルウェア
軽量化・高速化技術
[2020年版の詳細シラバス][link-7]
[link-7]:https://www.jdla.org/wp-content/uploads/2019/09/JDLA_E%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%83%90%E3%82%B9_2020%E7%89%88.pdf
一方で、理解する上で、事実上いくつか前提となる知識があります。
これを踏まえた出題範囲については別途記事でまとめました。
[E資格試験の出題範囲の分析][link-8]
[link-8]:https://qiita.com/fridericusgauss/items/c15ead8a731a4ba46855
#おわりに
E資格試験は、いきなり受験できるものではありません。
公式ページをよく確認した上で、着実なスケジュールを立てましょう。
[E資格試験に関する私の投稿記事リスト][link-1]