はじめに
AWS(Amazon Web Services)はクラウドインフラの提供だけでなく、セキュリティやコスト最適化、可用性の向上、運用の効率化など、さまざまなベストプラクティスが推奨されています。
本記事では、AWSの環境を適切に管理し、最適な運用を実現するためのベストプラクティスをカテゴリ別に紹介します。
書こうと思ったきっかけ
AWSのベストプラクティスについてまとめた理由は、クラウド環境を適切に運用するための知識が求められているからです。
特に、セキュリティやコスト最適化、可用性向上の重要性が高まり、適切な設計が企業の成功に直結します。
これらのポイントを整理し、誰でも実践しやすい形で提供したいと考えました。
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1. セキュリティ
IAM(Identity and Access Management)
- 最小権限の原則: ユーザーやサービスには必要最低限の権限のみを付与する。
- IAMロールの活用: IAMユーザーではなく、ロールを活用してアクセス管理を行う。
- MFA(多要素認証)の有効化: rootユーザーや管理者アカウントにはMFAを必須化する。
- IAMアクセスキーの回避: アクセスキーではなく、IAMロールを使用して認証を行う。
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データ保護
- S3の暗号化: S3バケットのデフォルト暗号化を有効化する(SSE-S3, SSE-KMS)。
- EBSの暗号化: すべてのEBSボリュームに暗号化を適用する。
- RDSの暗号化: RDSやDynamoDBなどのデータベースにはKMSキーを使用して暗号化を設定する。
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ネットワークセキュリティ
- VPCの分離: 本番環境、開発環境、テスト環境を異なるVPCで分離する。
- セキュリティグループとNACLの適切な設定: 必要なトラフィックのみを許可する。
- パブリックアクセスの制限: S3バケットやRDS、EC2インスタンスのパブリックアクセスを制限する。
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2. コスト最適化
コスト管理
- 料金アラートの設定: AWS Budgetsでしきい値を超えたら通知を受け取る。
- RI(リザーブドインスタンス)やSavings Plansの活用: 長期間使用するEC2やRDSにはリザーブドインスタンスを適用。
- スポットインスタンスの活用: 短期間・一時的なワークロードにはスポットインスタンスを使用。
- Auto Scalingの活用: 必要なリソースのみを動的に割り当てることでコスト削減を実現。
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コスト可視化
- AWS Cost Explorerの活用: コストの推移を分析し、無駄なリソースを特定する。
- タグベースのコスト管理: プロジェクトごとにタグを設定し、コストを詳細に分析する。
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3. 可用性と耐障害性
高可用性設計
- マルチAZ(可用性ゾーン)構成: RDSやElastiCacheなどのサービスにはマルチAZを適用する。
- リージョン分散: 重要なシステムではマルチリージョン構成を検討する。
- ELB(Elastic Load Balancing)の活用: 負荷を分散し、高可用性を実現する。
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バックアップ戦略
- RDSの自動バックアップ有効化: 定期的なスナップショット取得を設定。
- S3 Versioningの活用: データ変更履歴を保持する。
- AWS Backupの活用: EBSやRDS、DynamoDBなどのデータを定期的にバックアップ。
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4. 運用と監視
監視のベストプラクティス
- CloudWatchの活用: メトリクス、アラームを設定し、異常を検知。
- AWS X-Rayの活用: マイクロサービス間のトレーシングを行い、パフォーマンスを分析。
- AWS Configの有効化: 設定変更の履歴を記録し、適正な設定を維持。
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ロギング
- CloudTrailの有効化: APIコールの履歴を記録し、不審な操作を検知。
- S3/CloudWatch Logsへのログ保存: 適切なログ保存ポリシーを設定。
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5. パフォーマンス最適化
コンピュート最適化
- 適切なインスタンスタイプの選択: ワークロードに応じたEC2インスタンスタイプを選定。
- Auto Scalingの活用: 負荷に応じてスケール。
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データベース最適化
- RDS Proxyの活用: データベース接続の最適化。
- ElastiCacheの活用: Redis/Memcachedでキャッシュし、DBの負荷を軽減。
- Aurora Serverlessの活用: 自動スケールするDBを活用。
ストレージ最適化
- S3のストレージクラスの適切な選択: データの利用頻度に応じたストレージクラスを選定。
- EBSのパフォーマンス最適化: IOPSが必要な場合はプロビジョンドIOPSボリュームを利用。
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6. インフラ管理と自動化
インフラのコード化(IaC)
- AWS CloudFormation/Terraformの活用: インフラをコードで管理。
- AWS CDKの活用: プログラムでインフラを定義し、柔軟な管理を実現。
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DevOpsと自動化
- CI/CDパイプラインの構築: AWS CodePipeline, CodeBuild, CodeDeploy を活用。
- Lambdaの活用: イベントドリブンな処理をサーバーレスで実装。
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7. コンプライアンスとガバナンス
ポリシー管理
- AWS Organizationsの活用: アカウントの一元管理。
- Service Control Policies(SCP)の適用: ルートアカウントの使用制限を設定。
監査とコンプライアンス
- AWS Security Hubの有効化: セキュリティリスクを一元的に管理。
- AWS Well-Architected Frameworkの活用: ベストプラクティスに基づいた設計の見直し。
まとめ
AWSのベストプラクティスは、セキュリティ・コスト最適化・可用性・運用監視・パフォーマンス・自動化・コンプライアンスと多岐にわたります。
特に、最小権限の原則、監視の徹底、コスト管理、インフラの自動化は重要なポイントです。
このベストプラクティスを参考に、AWS環境を安全かつ効率的に運用してください!