はじめに
インターネットやローカルネットワークを利用する際に重要なのが IPアドレス です。
IPアドレスには グローバルIPアドレス と プライベートIPアドレス の2種類があり、それぞれ異なる用途と特徴を持ちます。
本記事では、それらの違いや役割について詳しく解説します。
グローバルIPアドレスとは
概要
グローバルIPアドレスは、インターネット上で一意に割り当てられるIPアドレス です。インターネットを介して通信する際に、各デバイスやネットワークが識別されるために使用されます。
特徴
- 世界中でユニーク:インターネット上で同じグローバルIPアドレスは存在しません。
- ISP(インターネットサービスプロバイダ)から提供:一般的に、インターネット回線契約時にプロバイダから動的または静的なグローバルIPが割り当てられます。
- 外部からのアクセスが可能:サーバーやリモートアクセスを提供する際に利用されます。
使用例
- Webサーバー、メールサーバーなどの公開サービス
- VPN接続やリモートアクセス
- クラウドサービスの利用
注意点
- セキュリティリスク:インターネット上に公開されているため、攻撃の対象になりやすい。
- IPv4の枯渇:IPv4アドレスは限られており、新規取得が難しくなっている。
プライベートIPアドレスとは
概要
プライベートIPアドレスは、ローカルネットワーク内(家庭や企業のネットワークなど)で利用されるIPアドレス です。これらはインターネット上で直接使用されず、同じIPアドレスが異なるネットワークで再利用可能です。
特徴
- インターネット上で一意ではない:異なるネットワーク内では同じアドレスが使えます。
- NAT(ネットワークアドレス変換)を使用:インターネットへアクセスする際は、ルーターがプライベートIPをグローバルIPに変換します。
- セキュアな環境:外部から直接アクセスされることがないため、安全性が高い。
プライベートIPの範囲(IPv4)
クラス | 範囲 |
---|---|
クラスA | 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 |
クラスB | 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255 |
クラスC | 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255 |
使用例
- 家庭用ルーターの内部ネットワーク
- 企業内ネットワーク(LAN)
- データセンターやクラウド環境の内部通信
注意点
- 直接インターネットに接続できない:外部と通信するにはNATが必要。
- IPアドレスの管理が必要:ネットワーク内で重複が起こらないよう注意が必要。
グローバルIPとプライベートIPの比較
項目 | グローバルIPアドレス | プライベートIPアドレス |
---|---|---|
ユニーク性 | 世界中で一意 | ネットワークごとに再利用可能 |
割り当て | ISPから提供 | ルーターなどで自動割り当て |
セキュリティ | 外部からのアクセス可能(リスク高) | 外部からのアクセス不可(安全) |
使用範囲 | インターネット通信 | ローカルネットワーク通信 |
NATの必要性 | 不要 | 必要(インターネット通信時) |
まとめ
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスは、それぞれ異なる目的で使用されます。
インターネット上で公開サービスを提供する場合は グローバルIP、家庭や企業のネットワークで内部通信を行う場合は プライベートIP を利用します。
それぞれの特性を理解し、適切に活用することで、より効率的で安全なネットワーク環境を構築できます。