はじめに

AWS CloudShell 上で Terraform を実行した際に、terraform init の段階で以下のようなエラーが発生しました。

Initializing provider plugins...
- Finding latest version of hashicorp/aws...
- Installing hashicorp/aws v5.89.0...

Error: Failed to install provider

Error while installing hashicorp/aws v5.89.0: write
.terraform/providers/registry.terraform.io/hashicorp/aws/5.89.0/linux_amd64/terraform-provider-aws_v5.89.0_x5:
no space left on device

このエラーは、CloudShell のディスク容量が不足していることが原因です。CloudShell の /home/cloudshell-user は /dev/loop0 にマウントされており、ディスクの使用率が100% になっていると、Terraform のプラグインをインストールできなくなります。

本記事では、この問題を解決する方法を紹介します。

1. ディスクの空き容量を確認

まず、現在のディスク使用状況を確認します。

df -h

また、ホームディレクトリの使用量を確認するには、以下のコマンドを実行します。

du -sh /home/cloudshell-user/*

今回の環境では、/home/cloudshell-user にマウントされている /dev/loop0 の使用率が 100% になっていました。

Filesystem      Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/loop0      974M  907M     0 100% /home/cloudshell-user

この状態では、新しいファイルを作成できないため、Terraform のプラグインがインストールできません。

2. 不要なファイルを削除

(1) Terraform のキャッシュを削除

Terraform のキャッシュフォルダを削除すると、ディスクの空きを確保できる場合があります。

rm -rf .terraform
rm -rf ~/.terraform.d

その後、terraform init を再試行してください。

(2) 不要なファイルを削除

以下のコマンドで不要なファイルを削除します。

rm -rf ~/Downloads/*
rm -rf ~/.cache/*
rm -rf ~/.npm/*
rm -rf ~/.local/share/Trash/*

Terraform の zip ファイルなど、古いファイルも削除して空き容量を増やします。

rm -f ~/terraform_0.14.2_linux_amd64.zip

3. Terraform の作業ディレクトリを `/tmp` に移動

CloudShell の /tmp ディレクトリは /home/cloudshell-user とは異なる領域であり、空き容量がある場合があります。そのため、Terraform の作業ディレクトリを /tmp に移動して実行できます。

mv ~/terraform_project /tmp/
cd /tmp/terraform_project
terraform init

4. CloudShell をリセットする

もし /home/cloudshell-user の容量を確保できない場合、CloudShell をリセットすると環境が初期化され、空き容量が回復することがあります。

exit

その後、CloudShell を開き直して Terraform を試してください。

5. Terraform のプラグインキャッシュを `/tmp` に変更する

デフォルトでは .terraform フォルダが /home/cloudshell-user に作成されますが、プラグインキャッシュの保存先を /tmp に変更することで容量不足を回避できます。

export TF_PLUGIN_CACHE_DIR="/tmp/.terraform.d/plugin-cache"
mkdir -p $TF_PLUGIN_CACHE_DIR
terraform init

6. 別の環境（ローカルマシン・EC2）で実行する

CloudShell のディスク容量には制限があるため、ローカルマシンや EC2 で Terraform を実行するのも選択肢の一つです。

EC2 インスタンスを作成
Terraform をインストール
Terraform のコードを移動して実行

まとめ

No	解決策
1	不要ファイルを削除 (`rm -rf .terraform .terraform.d ~/.cache/*`)
2	Terraform プロジェクトを `/tmp` に移動 (`mv ~/terraform_project /tmp/`)
3	CloudShell をリセット (`exit` して再接続)
4	Terraform のプラグインキャッシュを `/tmp` に変更
5	別の環境（ローカル or EC2）で Terraform を実行

CloudShell は便利な環境ですが、ディスク容量の制限があるため、容量不足にならないよう注意しながら作業する必要があります。

今回紹介した対策を試して、Terraform の環境をスムーズに構築してみてください！