はじめに
インターネット通信にはさまざまなプロトコルが使われていますが、その中でも特に重要なのがTCPとUDPです。
これらはどちらもIPネットワーク上でデータを送るためのプロトコルですが、仕組みや特徴が異なります。
本記事では、それぞれの違いや使い分けについて解説します。
書こうと思ったきっかけ
ネットワークに関する学習を進める中で、TCPとUDPの違いについて混乱することがありました。
特に、どの場面でどちらを使うべきかを理解するのに時間がかかったため、自分自身の整理も兼ねてこの記事を書こうと思いました。
TCPとUDPの特徴や用途をわかりやすくまとめることで、同じように学んでいる人の参考になればと思います。
TCPとUDPの違いと特徴
TCP（Transmission Control Protocol）とは？
TCPは、信頼性の高い通信を提供するプロトコルです。主な特徴は以下の通りです。
- コネクション型通信：データを送受信する前に接続を確立する。
- 信頼性の確保：データが正しい順序で届くように制御し、欠損があれば再送する。
- エラー検出と修正：データの破損があれば再送要求を行う。
- スループットの調整：ネットワークの混雑を考慮し、適切なデータ量を送る。
TCPの代表的な用途
- Webブラウジング（HTTP/HTTPS）
- メール（SMTP, IMAP, POP3）
- ファイル転送（FTP）
UDP（User Datagram Protocol）とは？
UDPは、信頼性よりも速度を重視した通信を行うプロトコルです。主な特徴は以下の通りです。
- コネクションレス型通信：事前の接続確立が不要で、即座にデータを送信できる。
- 信頼性は保証されない：データが欠損しても再送は行わない。
- 順序保証なし：データは送信した順番通りに届くとは限らない。
- オーバーヘッドが少ない：TCPに比べて制御情報が少なく、高速な通信が可能。
UDPの代表的な用途
- 音声・動画ストリーミング（VoIP, YouTube, Netflix）
- オンラインゲーム
- DNS（ドメイン名解決）
- ネットワーク監視（SNMP）
TCPとUDPの比較表
| 特徴 | TCP | UDP |
|---|---|---|
| 通信方式 | コネクション型 | コネクションレス型 |
| 信頼性 | あり（再送制御あり） | なし（再送制御なし） |
| データの順序保証 | あり | なし |
| 速度 | 遅い（オーバーヘッド大） | 速い（オーバーヘッド小） |
| 代表的な用途 | Webブラウジング、メール、ファイル転送 | ストリーミング、オンラインゲーム、DNS |
まとめ
TCPとUDPは用途に応じて使い分ける必要があります。
- データの正確性が求められる場合（Webサイト閲覧やメール通信など）：TCP
- リアルタイム性が重要な場合（オンラインゲームやライブストリーミングなど）：UDP
どちらのプロトコルもネットワーク通信において重要な役割を果たしており、状況に応じた適切な選択が求められます。