DXアンチパターン:「変化を拒否するキーパーソン」
DXのアンチパターンは数多く存在するが、私が現場で最も危険だと感じているのは「変化を拒否するキーパーソン」の存在である。
変化を拒否するキーパーソンとは
ここでいうキーパーソンとは、役職の有無に関わらず、現場で発言力や影響力を持つ人物のことだ。
こうした人は、新しい提案や改善案に対して、まず否定から入る傾向を持つ人がいる。
例えば、次のような発言をよく耳にする。
- 「今までこれでやってきた」
- 「前の現場でもこうだった」
- 「そんなことしなくても困っていない」
- 「私は古い人間だから」
- 「そこまでやらなくてもいいんじゃないか」
もちろん、改善案に問題がある場合は反対意見も必要だ。
しかし問題なのは、提案内容を評価しているのではなく、「変えない理由」を探しているケースである。
本来であれば、
- 導入コストはどれくらいか
- どの程度の効果が見込めるか
- 想定されるリスクは何か
といった観点で議論されるべきだろう。
何が危険なのか
私が最も危険だと感じるのは、周囲の人間に学習性無力感を生み出してしまうことだ。
改善提案を出しても否定される。
新しいことを試そうとしても止められる。
そんな状況が続くと、次第に
「どうせ言っても無駄だ」
という空気が組織に広がっていく。
その結果、本来であれば現場を良くしようとしていた人たちの意欲が失われる。
私自身、この現場で3年ほど活動しているが、何度か心が折れそうになったことがある。
まして長年その環境にいる社員の方々であれば、その影響はさらに大きいだろう。
これはシステムの老朽化よりも深刻な問題かもしれない。
前々からDBの不正データや根本改善、形だけのテーブル定義書の追記等を行ってきたが、
私がこの現場に入って思った事は
「何故DBの不正データを放置しているんだろう。テーブル定義書に追記しないんだろう。」
「個人の「良くしよう」という気持ちが乏しい」
でした。
評価制度や、仕事が増えるから~といった背景以外にもこういったアンチパターンの背景もあるのかなと感じました。
DXの敵は古い技術ではない。
変化について議論することすらできなくなった組織文化こそが、本当の敵なのではないだろうか。
私が取った対応
私の場合は、改善の必要性を理解してくれる上位層へ直接相談し、協力を得ながら進めることにした。
結果として、いくつかの改善施策を実現することができた。
ただし、これはあくまで一つの対処法に過ぎない。
根本的には、なぜその人が変化を拒否するのかを理解する必要があるのかもしれない。
今後の課題
正直なところ、私は今でもこうした方々への最適な対応方法が分かっていない。
そこで、社内で尊敬している先輩に相談したところ、
「上司へ相談するのも良いが、交流分析(TA: Transactional Analysis)を学んでみるのも面白いかもしれない」
というアドバイスをいただいた。
相手を変えようとするのではなく、相手の心理状態やコミュニケーションパターンを理解することで、違ったアプローチが見えてくるのかもしれない。
まずは勉強してみようと思う。
もし同じような経験をされた方がいれば、ぜひ対応方法を教えていただきたい。