はじめに
2024年8月の新機能で、レポートをCSV形式でダウンロードする機能が提供されました。
IBM Security Verifyのログは90日まで保管/90日を経過したログが削除されます。
このため、これまでは、ログ保管が必要な場合は、REST APIを使って定期的にログをダウンロードが必要でした。
今回、管理者画面からCSV形式でダウンロードできるようになったため、日本のテナントで有効化して、動作を確認してみました。
1.機能の有効化について
IBM Security Verifyの管理画面では有効化できませんので、マニュアルに従い、機能を有効化します。
画像の引用元:
2.レポートのダウンロードについて
機能を有効化すると、レポート一覧画面に「生成されたレポート」というタブが追加されました。
また、個別のレポート画面に「CSVの生成」というメニューが追加されました。
ログが残っている範囲で日付を選択して「レポートの実行」をクリックすると、
認証アクテビティのログが2万件ほどあったのでこちらをダウンロードしてみます。
「CSVの生成」ボタンをクリックします。
CSVの生成を行うと、キューに入りました。
同時にリクエストできるのは、3つのリクエストまでです。
数分後に確認したところ、状況欄が「キュー済み」から「完了」となっており、マウスオーバーするとダウンロードのリンクが表示されました。
クリックすると、レポートの詳細メニューが開き、レポートの有効期限(約7日後)が確認できます。
ダウンロードボタンをクリックすると、ZIP圧縮したファイルがダウンロードされました。
Authentication_activity_20241112T155546.zip
ファイルを解凍すると、1つのCSVファイルにデータが保管されていました。
CSVレポートのフォーマットは、以下の形式でした。
username,realm,subtype,origin,result,time,country_name,region_name
muichiro,cloudIdentityRealm,user_password,<ip address>,failure,2024-09-25 04:36:48 UTC,Japan,Kanagawa
REST APIの「Export reports for a specified tenant into CSV file.」は、UserNameではなく、UserIDだったので上記APIとは別の機能のようです。
データがないものもありますが、サポートされているレポートをダウンロードしてみます。
適応型アクセス
ファイル名
Adaptive_access_20241112T170036_1.csv
CSVフォーマット
time,username,realm,risk_level,decision_reason,policy_action,policy_name,policy_id,applicationname,city,region,country,browser,os,origin
出力例)
2024-11-12 07:59:53 UTC,hacktrick,cloudIdentityRealm,MEDIUM,Access including risky device indication,ACTION_ALLOW,Adaptive Access,13407,sample saml app,<City>,14,JPN,Chrome,Windows 11,<ip address>
2024-11-12 07:59:30 UTC,hacktrick,cloudIdentityRealm,MEDIUM,Access including risky device indication,ACTION_MFA_PER_SESSION,Adaptive Access,13407,sample saml app,<City>,14,JPN,Chrome,Windows 11,<ip address>
アプリケーション使用
ファイル名
Application_usage_20241112T170316_1.csv
CSVフォーマット
applicationname,username,realm,origin,result,time,country_name,region_name
出力例)
sample saml app,hacktrick,cloudIdentityRealm,<ip address>,success,2024-11-12 07:59:54 UTC,Japan,Kanagawa
管理アクティビティー
ファイル名
Admin_activity_20241112T162920_1.csv
CSVフォーマット
time,resource,action,target,performedby_username,performedby_realm,performedby,performedby_clientname,performedby_type,origin,country_name,region_name
出力例)
2024-10-22 05:56:09 UTC,user,reset password,testverify01,<email>,www.ibm.com,<userid>,,user,<ip address>,Japan,Kanagawa
認証アクティビティー
ファイル名
Authentication_activity_20241112T155546_1.csv
CSVフォーマット
username,realm,subtype,origin,result,time,country_name,region_name
出力例)
muichiro,cloudIdentityRealm,user_password,<ip address>,failure,2024-09-25 04:36:48 UTC,Japan,Kanagawa
履行アクティビティー
ファイル名
Fulfillment_activity_20241112T164440_1.csv
CSVフォーマット
applicationname,target,account_name,cause,time,action
出力例)
Google Workspace,,<account_name>,Account deprovision or suspension failed.,2024-08-29 04:18:35 UTC,account_deprovisioned_failed
MFA アクティビティー
ファイル名
MFA_activity_20241112T163648_1.csv
CSVフォーマット
time,username,realm,mfamethod,mfadevice,origin,performedby_clientname,performedby,result,country_name,region_name
出力例)
2024-10-22 05:59:46 UTC,testverify01,cloudIdentityRealm,SMS OTP,<telephone>,<ip address>,,<UserID>,success,Japan,Kanagawa
2024-10-22 05:58:33 UTC,testverify01,cloudIdentityRealm,Email OTP,<メールアドレス>,<ip address>,,,success,Japan,Kanagawa
パスワード・インテリジェンス
ファイル名
Password_intelligence_20241112T164336_1.csv
CSVフォーマット
time,username,realm,action,dict_result,dict_type,result,country_name,region_name,performedby_clientname
出力例)
2024-09-12 07:10:24 UTC,testverify01,cloudIdentityRealm,login,SUCCESS,NONE,success,Japan,Kanagawa,
キャンペーン・アクティビティー、コンシューマーの使用状況の分析はデータがなかったので割愛しました。
また、ユーザー・リストについては別途検証して記事にしたいと思います。
最後に
IBM Security Verifyに追加されたレポートのCSVダウンロード機能について試してみました。
RESTAPIによるイベントログ取得と比較すると、CSVダウンロード機能のほうが使いやすい機能でした。
- なんといっても管理画面上の操作でログをダウンロードできる!
- イベントログのAPIのように10000件までしか一度に出力できないという制約がない。
- APIで取得したイベントログは情報量が多い、JSON形式で可読性が低い。
参考