OCI コストおよび使用状況レポートを一括ダウンロードする方法

背景

Oracle Cloud Infrastructure (OCI) では、コストレポートやUsage レポートが自動的に Object Storage に保存されます。
通常は OCI コンソール（請求とコスト管理->コストおよび使用状況レポート画面）から個別にダウンロードできますが、複数ファイルをまとめてダウンロードしたいケースがあります。
そこで今回は OCI Cloud Shell を利用して cost-csv / usage-csv を一括ダウンロード → zip 化 → ローカルに保存する手順を紹介します。

手順

1. Cloud Shell の起動

OCI コンソール右上の Cloud Shell を起動します。
（ブラウザから直接 OCI CLI が利用可能な環境が立ち上がります）

2. bulk-download でレポートをまとめて取得

oci os object bulk-download コマンドを使うと、Object Storage のバケット内にあるレポートファイルを一括ダウンロードできます。

Usageファイル

oci os object bulk-download \
  --namespace-name bling \
  --bucket-name <テナンシOCID> \
  --prefix reports/usage-csv \
  --download-dir .

Costファイル

oci os object bulk-download \
  --namespace-name bling \
  --bucket-name <テナンシOCID> \
  --prefix reports/cost-csv \
  --download-dir .

$ oci os object bulk-download \
>   --namespace-name bling \
>   --bucket-name ocid1.tenancy.oc1..*********** \
>   --prefix reports/cost-csv \
>   --download-dir .
You are downloading more than 1000 objects, do you want to overwrite all? [y/N]:

Downloaded reports/cost-csv/0001000002160651-00001.csv.gz  [####################################]  100%
...

{
  "download-failures": {},
  "downloaded-objects": [
    "reports/cost-csv/0001000002160651-00001.csv.gz"
    ...
  ],
  "skipped-objects": []
}

• namespace-name は必ず bling
• bucket-name はテナンシ OCID
• prefix でダウンロード対象を指定
• download-dir は保存先ディレクトリ

ダウンロード後のディレクトリ構成は以下のようになります：

 ─reports
    ├─cost-csv
    └─usage-csv

3. 取得ファイルを zip にまとめる

複数ファイルをローカルへ一括ダウンロードするため、Cloud Shell 内で zip に固めます。

zip -r oci-reports.zip reports

ファイル確認

 ls -l oci-reports.zip 

5. ローカルへダウンロード

Cloud Shell のダウンロード機能を使ってファイルをローカル環境に保存できます。

補足説明

• ローカル PC に OCI CLI がインストール済みの場合
  Cloud Shell を使わず、同じコマンドをローカル PC 上で実行可能です。
• Windows OS の場合（長いコマンドを複数行に折り返すときの注意）
  Linux (bash/zsh) では \（バックスラッシュ）で行末をつなげます。
  Windows PowerShell では　` (バッククォート）を使います。

oci os object bulk-download `
  --namespace-name bling `
  --bucket-name <テナンシOCID> `
  --prefix reports/usage-csv `
  --download-dir C:\oci_reports

Windows CMD では基本的に折り返し不可なので、1行で記述してください。

まとめ

• OCI のコスト/Usage レポートは Object Storage (bling namespace, tenancy OCID バケット) に格納される
• bulk-download でファイルを一括取得可能
• zip 化前に ls -lh で内容確認すると安心
• 1つの zip にまとめれば Cloud Shell からローカルへ簡単にダウンロードできる

参考資料