Oracle Cloud Infrastructure (OCI) で複数の Autonomous Database (ADB) を運用していると、以下のような課題が出てきます。
- CPU使用率をまとめて確認したい
- ストレージ逼迫を事前に検知したい
- 障害発生時に通知を受けたい
- 複数ADBの状態を1画面で把握したい
OCIには複数の監視方法がありますが、本記事では運用負荷が低く、標準機能だけで実現できる「OCI Monitoring + Alarm」を紹介します。
Autonomous Databaseの監視方法比較
OCIでADBを監視する方法はいくつかありますが、それぞれ特徴が異なります。
| 監視方法 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| OCI Monitoring + Alarm | OCI標準機能。設定が簡単 | ★★★★★ |
| Database Management | SQL性能やAWR/ASHまで詳細に確認可能 | ★★★★ |
| Operations Insights | キャパシティ予測や傾向分析が得意 | ★★★★ |
| Enterprise Manager | OCIとオンプレミスを統合監視 | ★★★ |
| 独自監視ツール | 非常に柔軟だが構築・保守コストが高い | ★★ |
特に以下のようなケースでは OCI Monitoring が最適です。
- ADBの稼働状況をシンプルに監視したい
- CPUやストレージ利用率を確認したい
- 障害通知を受けたい
- OCI標準サービスだけで構築したい
追加ライセンスや監視サーバーが不要なため、最初に採用すべき監視方法と言えます。
OCI Monitoringで取得できる主なメトリック
Autonomous Databaseでは以下のメトリックを主に取得できます。
- CpuUtilization:CPU利用率
- StorageUsed:使用ストレージ容量
- StorageUsedPercent:ストレージ使用率(%)
- CurrentLogons:現在の接続数
- Sessions:セッション数
- OCPUUtilization:OCPU利用率
- DatabaseAvailability:データベース可用性
設定手順
手順1. Metrics Explorerでメトリックを確認
- OCIコンソールで以下を開く
Observability & Management → Monitoring - Metrics Explorer を開く
-
Namespace で
oci_autonomous_databaseを選択 -
Metric で確認したい項目を選択(例:
CpuUtilization)
手順2. 複数ADBを1つのグラフで比較表示
Dimension に以下を指定:
resourceDisplayName
これにより、以下のように複数のADBを1グラフ上で比較できます。
例:
- ADB-PROD
- ADB-DEV
- ADB-TEST
手順3. Dashboardを作成する
- Observability & Management → Dashboards → Create Dashboard
- おすすめWidget例:
| Widget名 | Namespace | Metric | 推奨設定 |
|---|---|---|---|
| CPU使用率 | oci_autonomous_database | CpuUtilization | 複数ADB比較 |
| ストレージ使用量 | oci_autonomous_database | StorageUsed | 絶対値 |
| ストレージ使用率 | oci_autonomous_database | StorageUsedPercent | %表示 |
| 接続数 | oci_autonomous_database | CurrentLogons | - |
| データベース可用性 | oci_autonomous_database | DatabaseAvailability | - |
手順4. Alarm(アラーム)の作成
おすすめアラーム例:
-
CPU使用率アラーム
CpuUtilization[5m].mean() > 90 -
ストレージ使用率アラーム
StorageUsedPercent[5m].mean() > 80
手順5. Notificationsと連携
Alarm発生時に以下の通知先を設定可能:
- Slack
- PagerDuty
- ServiceNow
- OCI Functions
運用Tips: まずは Email通知 を設定し、運用が安定したら Slack 連携を追加するのがおすすめです。
完成イメージ(運用例)
Dashboard
├── CPU Utilization(複数ADB比較)
├── Storage Usage / StorageUsedPercent
├── Current Logons
└── Database Availability
Alarm
├── CPU > 90%(5分平均)
├── Storage > 80%
└── Database Down
Notification
└── Email / Slack
まとめ
OCIで複数のAutonomous Databaseを監視する場合、まずは「OCI Monitoring + Alarm」から始めることを強くおすすめします。
メリット
- OCI標準機能のみで完結
- 追加サーバー・追加ライセンス不要
- 複数ADBの一元監視が可能
- Dashboardで視覚的に把握できる
- Alarmで予防的な障害通知が可能
小規模環境から大規模環境まで幅広く対応できる、非常にバランスの良い監視手法です。