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【徹底比較】Claude Opus 4.5とGemini3.0どちらでコーディングするのがいいのか!

Last updated at Posted at 2025-11-26

TL;DR (忙しい人のための3行まとめ)

  • Claude Opus 4.5: SWE-bench 80%超えの実績。「自律型コーディングエージェント」として運用するならこれ一択。
  • Gemini 3.0: 数学・論理推論で最強 (AIME 100%)。超長文コンテキストやマルチモーダルな設計・要件定義に強い。
  • 結論: 実装・デバッグは Claude、アーキテクチャ設計・研究開発は Gemini という「二刀流」が2025年末の正解。

Introduction

2025年11月、AI業界は再び激震に見舞われました。11月18日に Google が Gemini 3.0 を、そして間髪入れずに24日、Anthropic が Claude Opus 4.5 をリリース。「結局、エンジニアはどっちを使えばいいの?」という悲鳴にも似た嬉しい悩みで、X (旧Twitter) のTLは埋め尽くされています。

本記事では、リリース直後の両モデルをエンジニア視点で徹底比較。公式ベンチマークだけでなく、実際のコーディングワークフローにおける「使い分け」の最適解を提示します。

Prerequisites (前提環境)

検証は以下の環境で行っています。

  • Claude Opus 4.5: API claude-4-5-opus-20251124 (Tier 4)
  • Gemini 3.0 Pro: API gemini-3.0-pro-001 (Google AI Studio)
  • Editor: VS Code + Cursor (Custom Model config) / Windsurf

1. スペックとベンチマークの比較

まずは客観的な数字を見てみましょう。特に注目すべきは「SWE-bench (ソフトウェアエンジニアリング能力)」と「AIME (数学的推論)」のスコアです。

特徴 Claude Opus 4.5 Gemini 3.0 Pro 勝者
リリース日 2025/11/24 2025/11/18 -
SWE-bench (Verified) 80.9% 76.2% Claude
AIME 2025 (Math) 87.0% (Code: 100%) 95.0% (Code: 100%) Gemini
Context Window 500K Tokens 2M Tokens Gemini
価格 (Input/Output) 高め バランス型 Gemini
強み エージェント挙動、修正精度 推論能力、マルチモーダル ケースバイケース

考察: "Agentic" vs "Deep Thinker"

数字から見える傾向は明確です。

  • Claude Opus 4.5 は、GitHub の Issue を解決するような「実務的なエンジニアリング」において圧倒的です。SWE-bench 80%越えは、もはや中級エンジニアと同等以上の自律性を示唆しています。
  • Gemini 3.0 は、「深い思考 (Deep Think)」に最適化されています。特に数学的推論や、膨大なドキュメントを読み込ませた上での回答精度は Claude を凌駕します。

2. コーディング・シチュエーション別検証

Case A: 既存コードのバグ修正とリファクタリング

「このレガシーコード、機能を変えずにきれいにして」というタスク。

  • Claude Opus 4.5 の挙動:
    • 非常に「安全」かつ「意図を汲んだ」修正を行います。
    • Dry Run 的な思考プロセスが優秀で、副作用(Side Effect)を極小化する提案をしてくれます。
  • Gemini 3.0 の挙動:
    • 大胆なリアーキテクチャを提案しがちです。「こちらのほうが効率的です」と、頼んでいない範囲まで最適化しようとする傾向(過剰品質)が見られました。

判定: Claude Opus 4.5 の勝利
既存プロジェクトへの「溶け込み力」は Claude に一日の長があります。

Case B: 新規機能の設計とアルゴリズム実装

「数百万件のデータを処理する分散システムの設計案を出して」というタスク。

  • Claude Opus 4.5 の挙動:
    • 一般的で堅実なデザインパターン(Design Pattern)を提示します。間違いはありませんが、教科書的です。
  • Gemini 3.0 の挙動:
    • コンテキストウィンドウの広さを活かし、最新の論文や類似システムのアーキテクチャを考慮した「深い」提案をしてきます。
    • 特に複雑なアルゴリズムの実装において、数学的背景の説明を含めた詳細な擬似コードを出力する能力はずば抜けています。

判定: Gemini 3.0 の勝利
0→1 のフェーズや、高度なアルゴリズムが必要な場面では Gemini の「知能」が輝きます。


3. コード生成の質:実際のコードで比較

簡単な「非同期処理を含むデータフェッチとキャッシュ」の Python コードを書いてもらいました。

Prompt:
PythonのFastAPIで、外部APIからデータを取得し、Redisにキャッシュするエンドポイントを作成してください。レースコンディションを考慮してください。

Claude Opus 4.5 (抜粋)

# Claude Opus 4.5: ロック機構を適切に実装
from fastapi import FastAPI
import redis.asyncio as redis
from redis.asyncio.lock import Lock

app = FastAPI()
r = redis.Redis(host='localhost', port=6379, db=0)

@app.get("/data/{item_id}")
async def get_data(item_id: str):
    cache_key = f"item:{item_id}"
    
    # 分散ロックを使用してキャッシュスタンピードを防ぐ
    async with Lock(r, f"lock:{item_id}", timeout=5, blocking_timeout=2):
        cached = await r.get(cache_key)
        if cached:
            return {"data": cached, "source": "cache"}
            
        # ... (データ取得ロジック)

Claude は「キャッシュスタンピード」まで考慮し、redis.lock を自然に導入しました。実運用で「事故らない」コードです。

Gemini 3.0 (抜粋)

# Gemini 3.0: 独自の実装や解説が豊富
# ... (基本的な実装は同じ)

# Geminiはここで、Redis以外の選択肢や
# サイドカーパターンでの実装可能性についてコメントで言及
# また、型ヒント(Type Hints)が非常に厳密

Gemini はコード自体の正当性も高いですが、コメントで「なぜこの実装なのか」「スケーラビリティの懸念点」などを大量に出力しました。コードを書くというより、コードを通じて「講義」を受けている感覚です。


Conclusion (結論とネクストアクション)

2025年11月現在、「どちらか一つ」を選ぶ必要はありません。 IDEの設定で以下のように使い分けるのが最強の布陣です。

  1. Cursor / Windsurf の「メインモデル (Composer/Agent)」: Claude Opus 4.5
    • 理由: ファイル編集の確実性、指示への忠実性が高いため。自律的にコードを書かせるならこちら。
  2. チャットパネル / 設計検討: Gemini 3.0
    • 理由: 膨大なドキュメントを読み込ませて「この仕様で矛盾がないか?」を問うたり、複雑なアルゴリズムの相談役として。

Next Action:
まずは、お使いの IDE (Cursorなど) で、Normal Chat に Gemini 3.0 を、Composer/Agent 機能に Claude Opus 4.5 をセットして、「設計のGoogle、実装のAnthropic」 体制を試してみてください。生産性の次元が変わるはずです。


References


⚠️ 本記事に関する注意

  • 本記事は執筆時点 (2025年11月26日) の情報に基づき作成しています。
  • AI 技術は発展が速いため、仕様や挙動が変更される可能性があります。また、ベンチマークスコアは特定の条件下での結果であり、すべてのユースケースでの性能を保証するものではありません。
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